#34 ドラゴンクリスタルレンズ
Olivia、Oliviaのお母さんと話す私を
見ていたPierreが驚きながら言った。
「いやぁ、お知り合いだとは!
世間は狭いもんですね。
先程見ていただいた
ドラゴンブラッド、このお母様の
採掘チームが採ってきてくれたんですよ!」
「あはは、そうなのよ。
Pierreさんも次回の現場、来るんでしたっけ?」
「あぁ、はい。行きます。
どうぞ、よろしくお願いいたしますね。」
話しながらドラゴンブラッドを
片付け始めたPierreを見ながら
Oliviaのお母さんが思い出したように言った。
「そういえば、アレは見せてあげた?
ほら、とっておきのアレ。」
「あぁ!鉱石好きの綺麗なお嬢さんに
アレを見せないわけには行けませんよね!」
そういってPierreは
また店の奥に入っていった。
「ホント、すごい宝石よ。」
と期待を膨らませるOliviaのお母さんだったが
Pierreが特段大事そうに持ってきた小箱の中は、
その期待を裏切らないものだった。
「わぁ!きれ~い!!」
私とOliviaが一緒に声を上げた。
1つの石の中で
3色以上の色が不思議に輝いていた。
PierreもOliviaのお母さんも
私達の反応を嬉しそうに見ていた。
「”ドラゴンクリスタルレンズ”って言って
ドラゴンの眼の水晶体から採れる宝石です。」
「ドラゴンの眼から!?すごい!!」
「そう、だから、一体のドラゴンから
ほんの少ししか採れないんですよね。
これは飼育されたドラゴンが
老衰で亡くなったときに採られたものですが
もうドラゴンの数もかなり少ないので、
とても希少な宝石ですよ。」
Pierreはとても残念そうに話していた。
「そっかぁ、これはママの専門外なのね…
採掘するようなものじゃないもんね。」
「そうなのよ、残念。
これが採掘場から出てくるなら
寝ずに作業するわ。」
Olivia達は明るく笑っていた。
Pierreは、
またあのキラキラした目に戻っていた。
「確かにこれを見たらね…
ほら、お嬢さん方、よくご覧ください。」
Pierreがドラゴンクリスタルレンズの入った箱を
傾けると…
色がコロコロと変わって
その度に違う色のグラデーションが
次々に現れた。
そのあまりの不思議さ、美しさに
私もOliviaも言葉を失っていた。
「面白いでしょう?
私もお気に入りの宝石のひとつなんです。
この見た目ももちろん人気の理由のひとつですが
最強の力の象徴であるドラゴンの眼ですから、
先を見通す力を持っております。
これから何かに挑戦するというような
先を見る力が欲しい方にもオススメです。」
様々な色を見せてくれる
ドラゴンクリスタルレンズに見入っている私に
Pierreは、コソッとこう付け加えた。
「さっきのドラゴンブラッドと
一緒にご購入いただけるなら、
この希少なクリスタルレンズも
お友達価格にさせていただきますよ。」
Pierreは、つくづく商売上手だった。
これがドラゴンクリスタルレンズを
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。
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