見出し画像

#28 血塗られた手の御守り

Leonardoは話を続けた。

「中には、持っているだけで
良くないもの、危険なものもありますけどね」


その時、私は伸ばしかけていた手を
急いで引っ込めた。

かなり不気味な”手”の飾りを見つけて
よく見ようと手に取ろうとしていたからだ。

写真 2020-08-25 21 01 31

それを見たLeonardoは
こう付け加えた。

「あぁ、それは大丈夫ですよ、触っても。」


「ほんとに?結構危険そうなんですけど…」

私は笑いながらも
再び手を伸ばす気にはならなかった。

「えぇ、大丈夫。
そう見えて実は、それは御守りなんです。」

写真 2020-08-25 20 58 28

「え、お、御守り!?
この血まみれの手みたいなのが?」

御守りだと言われても
どう見てもすでに呪いのかかった代物
にしか見えなかった。

「おどろおどろしい見た目してますけど
実は、呪い除けの御守りなんです。

その昔、自らの身を挺して
自身の子供を守った母親
がいてね。
子供を守る母の手を模したものに
その母親の流した血を
べったり塗ったものでございます。」


どうしてそんな感動的な話を持つものが
こんな不気味な見た目なのか…

その手についた血は
今にも滴り落ちそうだった。

写真 2020-08-25 21 05 06

Leonardoが話を続ける。

「なんだか悲しいお話ですよね…
だけど、その血を流されたお母様の
無償の愛に込められた強力な魔力
この御守りを持つ人を
しっかり守ってくれます
よ。」


「どんな魔法も効かなくなるってことですか?」


「いえ、あなたに悪影響をもたらす魔法だけ。
それも万能ではないので
強力な魔法使いの放つ強力な魔法なんかだと
厳しいかなぁ…

でも、いたずらとか
ちょっとした嫉妬心や
出来心なんかでかけられたり、
面倒なトラブルの元になるような魔法は
跳ね除けてくれます。


「なるほど…子を守る母の手か。
そう思って見れば、
なんだか少し心強く感じてきました。」

「そう。意外と著名人とか
人前に出るような人達に
人気
だったりするんですよ。
彼らはどうしても
人々から妬まれる立場だからね。」


「へぇ。著名人の方も大変ですね。
確かにこれひとつで大抵の呪いを
避けられるなら持っていたいかも。」


「でしょ。
もし、さっきの牛の頭蓋骨セット
一緒に買ってくださるなら、
少しお安く致しますね。」


私は、ありがとうございます、
と言いながら会計を済ませた。


「あ、Leonardoさん。
鉱石店ってこの通りの反対側ですか?」


「そうですよ。
あそこも面白いと思いますよ。
楽しんできて。
また、このお店でも、
お待ちしておりますね。」

Leonardoは店の外まで
とても丁寧に見送ってくれた。



これが血塗られた手の御守りを
仕入れた時
のおはなし。
続きはまた次回に。


最後までお読みいただき
ありがとうございます。

サポート、フォロー、スキしてくださった方
応援のお気持ち大変嬉しいです。
ありがとうございます。


あちらの世界で仕入れたものは
minneにてアクセサリーにして
販売しています。
https://minne.com/@3count-m


他、ギャラリーの裏側なども
SNSにて発信していますので
ご興味あればこちらもご覧くださいね。

https://twitter.com/3count_m
https://www.instagram.com/3count_m

サポートは、あちらの世界での仕入れやパーツ、活動の幅を広げる為の資金にさせていただきます。