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#76 妖精の女の子 Sophia(ソフィア)

「あら、こんにちは!」
少女は立ち上がって私に笑いかけた。

「あ…こんにちは…」
私は少女の会話の相手を探すように
辺りを注意深く見ながら挨拶を返した。

「どうしたの?」

「えっと…今、1人で話してたの?
誰かと会話してるみたいに聞こえて
少し驚いてしまって…」

「そこのミツバチさんとお話ししてたの。」

少女が指差す先の花の近くで
ミツバチが一匹ゆらゆらと飛んでいた。

「ミツバチ…と話してた?
話せるの?えっと…」

「私はSophia(ソフィア)
うん、話せるよ。」
少女はにこやかに言った。

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「すごいね!生まれつき?
それとも、魔法で話せるようになったの?」

「生まれつきだよ。妖精だもの。」

「生まれつ…
え?妖精?あなたが?」

さっきは気が付かなかったが
近くで少女をよく見ると
少女のシルバーのようなブロンドの下の
レースの洋服のように見えるものは
柔らかく折りたたまれた半透明の羽根だった。


「わ…あなた、本当に…
ホントに妖精なんだ!」

「そう!
えーと…お姉さん…」

「私、M.って言います。」

「M.ちゃん、妖精見たことないの?」

「うん…妖精を見てみたくて
この森に来たんだ。」

「そっか。もう見ちゃったね。」
Sophiaは得意そうな笑顔で言った。
そして、私の前でトンボのような羽を広げ
くるりとその場で一回転した。

少女のウェーブしたブロンドが
ふわっとなびいた。

「どう?妖精を見た感想はー?」

「なんていうか…
思ってたよりヒトに近い見た目で
びっくりした…」

「色んな妖精がいるよ。
私はヒトとあまり変わらない見た目だけど
すっごく小さい妖精もいるもん。」

「やっぱりそうなんだ。
今、何してたの?」

「ミツバチさんとお話ししながら
花冠を作ってたの。これ。」

少女は自分の頭に乗っている花冠を取って見せた。

「これって手で編んでるの?魔法で?」

「手で編んでるよ。その方が楽しいもん。」

「私も一緒に作っていい?
教えてくれる?」

「もちろん!
ミツバチさんが良いお花を選んでくれるよ!」

そうして私達は花で冠や腕輪を作りながら
私が森に来た経緯や他の妖精のことなど
色んな話をした。



これが妖精の女の子 Sophia(ソフィア)
出会った時のおはなし。
続きはまた次回に。


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