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#40 ポニーとフクロウ

Ines(イネス)の館を出て、私たちは街に戻った。


そのままカフェに戻るのかと思いきや
Oliviaのお母さんが言った。

「実はね、今日、あなたと会う前に
ポニーの代わりを見つけたのよ。
あなたが気に入れば、その子にしようと思ってて。
Emilio(エミリオ)のお店に取り置いてもらってるわ。」

「そうなのね!
ポニーはそろそろ休ませて
新しいフクロウにしないとね…」

ポニーの代わりにフクロウ?
私は少し混乱しながら聞いた。


「ポニーって?」

「ポニーはウチのフクロウよ。
もうかなりおばあちゃんで
荷物が重いときなんかは
かなりゆっくりしか運べなくなってね…
そろそろ配達は引退してペットに戻すの。」

「あ、フクロウの名前が”ポニー”なんだ!
私、てっきり小さい馬の方かと思った。」

ははっと笑いながら言った私に
Oliviaは不思議そうに小首を傾げていた。


「あれ、ポニーってこっちにはいないの…?」

「う~ん、いないかも。
小さい馬って、手の平に乗るくらい?」

「いや、そんな小さくないよ!
…そんな小さい馬がいるの?」

「そうね、いるかも。」

Oliviaは、うふふ、と笑っていた。

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「さぁ、着いたわ。
あなた、あの子を気に入るかしら。」

Emilioのお店というのは
以前Rajeepと訪れた鳥類専門店だった。


「Emilioのお店ってココかぁ。」

「Rajeepと来たことあるんだっけ?
鳥といえばやっぱりココしかないわよ。」

私たちは雑多に置かれた鳥かごの間を縫って
店の中へ入っていった。


「いらっしゃ…あぁ!
Olivia、久しぶりだね。」

「Emilioさん、お久しぶり。」

お取り置きのフクロウだね?
きっと気に入るよ。」

そう言ってEmilioは店の奥から
一際大きな鳥かごを持ってきた。


「わぁ!大きい!!カッコイイわね!」

鳥かごの中に留まっていたのは
超大型のフクロウだった。

釣りあがった眉毛のような耳と
まん丸なオレンジの眼が
キリッとした印象で、確かにカッコイイ。


「ポニーは確かワシミミズクの一種だったね。
この子も別のワシミミズクで
ポニーよりも大きいよ。最大級だからね。
君の家はカフェ関係の荷物が多いから
これくらい大型の方が良いと思うよ。」

「確かに、小型のフクロウじゃ
可愛そうになっちゃうくらいの時があるわ。
この子はまだ大きくなる?」

「うん。今、ポニーより微妙に大きいくらい。
もう少し大きくなるよ。
あと2ヶ月もすれば
しっかり荷物も運べるだろうから、
それまでに色々慣らしてあげるといいね。」


後ろで見ていたOliviaのお母さんも
Oliviaの嬉しそうな顔に満足していた。

「気に入ってたようね。
あとはこの子が私達を気に入るか…

「君たちも大きいフクロウの扱いには
慣れているだろうけど、
優しいとは言えない性格だからね…
少し触れあってみて。」


Oliviaとお母さんは
大きなワシミミズクに
話しかけたりして反応を見ていた。



これがOliviaのフクロウのおはなし。
続きはまた次回に。


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