歩道橋について考えてみる
2020年3月頃から外出自粛が始まって、1日のほとんどの時間を家で過ごすようになりました。ただ、家にこもりっぱなしは気が落ち込みます。あと太ります。というか太りました。
腹回りの肥大化に危機感を覚え、ランニングにちょくちょく行くように。今ではほぼ毎日走っています。
歩道が広く、歩行者の少ない国道沿いを中心にランニングしていくうちに、歩道橋を目にする機会が増えました。
なんとなく、歩道橋って侘び寂びがあってエモいなと前から思っていたので、ここ2ヶ月はその魅力について考えながら走っています。
ある程度考えてわかったのは、歩道橋の魅力は白黒はっきりしたものではなく、もっと生ぬるい、冷水か温水かわからないような、絶妙な温度感が心地良い水のようなものだと思いました。
そんな歩道橋の魅力を、オチもなくダラダラと語ります。
歩道橋の過去、今、これから。
歩道橋って、全国にいくつあるかご存知ですか?
正解は約11,500橋。皆さんはこの数字をどう捉えたでしょうか。国土交通省の「道路統計年報」によると、多少の増減はあるものの、今のところその数はほぼ横ばいだそうです。
参考までに、全国のコンビニ店舗数は2019年で58,340店となっています。コンビニはどこにでもあるので、歩道橋はその約1/5もあると考えると「けっこう多いな」「そんなにあるのか」と感じました。
今ある歩道橋のほとんどは、交通事故が急増し始めた昭和40年代に建設されています。当時は通学中の児童の安全のためにと建設されましたが、歩道橋を観察しているうちに分かったのが、使っている人めちゃくちゃ少ない。
歩道橋はたいていその下に横断歩道がセットでついているので、みんなそっちを使ってる。あるいは横断歩道がなくても車が少なければてきとうに横断してしまう。
利用者が少なければ、その分整備もされていないので、塗装は剥げて錆びています。じゃあ歩道橋の存在意義ってなんなんだ?
そんなちょっと可愛そうな歩道橋は、
・老朽化
・景観を損ねる
・信号機による細かな制御が可能となった
などの理由から撤去される場合もあります。自動運転技術も年々進歩しているので、近いうちに歩道橋はこの世界から姿を消すかもしれません。技術と道路交通網の発展に反比例して、歩道橋はその価値が薄れていきます。
使われず、整備されず、認識されず。ただ静かに朽ちていくだけの未来が待ってる歩道橋が、私はなんだか愛おしくてたまらなくなりました。これ以上発展のない歩道橋に、新たな価値を見出してあげたい。
そう思って最近は、クロスバイクにまたがって歩道橋を探し回っては写真を撮っています。
長い歩道橋、複雑に張り巡らされた歩道橋、自然と共存した歩道橋などなど。どれも似ているようで違った表情を見せてくれます。
色や形、錆び具合、下から見たときの迫力、上から見る景色。朝や夕方、夜など時間帯。通行人。
たくさんの要素が絡み合って生まれる歩道橋の魅力を追求することはなかなか飽きません。
外出しづらいご時世ではありますが、息抜きの散歩のついでに歩道橋の観察をしてみてはいかがでしょうか。何か発見があるかもしれません。
撮った写真はとりあえずインスタにあげてます。よかったらこっちも見てください。皆さんの思う歩道橋の魅力も、あれば聞かせてください。
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