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スタートアップに入る意味

初めまして。UPBONDというWeb3系のスタートアップで人事全般を担当している田中と申します。

今回は下記のような会社の成長、自身での心境の変化もあり、noteを書こうと決心しました。

  • UPBONDが運営している事業が成長してきており、UPBONDの認知拡大をしていくべきという結論に至った

    • 単純にUPBONDに興味を持って頂ける方を増やしたい

    • 採用候補者様には、UPBONDの裏表全てを知っていただいた上で興味喚起を行い、双方win-winに近づける採用体制を作りたいという思惑

  • 採用候補者様以外のステークホルダー様にもUPBONDの内情、コミュニケーションの様子を知っていただくことで、よりUPBONDのことを知っていただきたいと思った

  • 個人的に32歳と若手の年齢から抜け始めて、今まで学んだことを少しでもアウトプットしたいと考え始めた

今回の記事は、去年の8月に社内向けに公開した記事(今はNotionで現存してますが、当時はConfluenceでした)で、スタートアップで働く意味、というのを全メンバーに向けたメッセージになります。

社内向けとは言いつつも、下記のような方にも当てはまる記事かと思います

  • スタートアップって何?な方

  • 今の働き方にモヤモヤしている方

  • スタートアップで働く意味に今一度立ち返りたい方

とはいえ、一年弱前に書いた記事なので、勢い文章は少し修正してます。
それだけご了承頂けますと幸いです。




スタートアップで仕事をする意味、を書きたいと思います。
僕は前職で3→10名のスタートアップを経験し、UPBONDでも同じくらいのフェーズでジョインしました。そこで、2社スタートアップを経験して感じた、スタートアップで働くメリット・デメリットを記載したいと思います。

今後、UPBONDで仕事をしていく上で悩んだときの助けに少しでもなればHRとしては嬉しいです。

そもそもスタートアップって何?


スタートアップは主に短期間でのEXIT(エグジット)を目的にしています。 ベンチャー企業は、市場においてある程度受け入れられると確信が得られた事業を、既存のビジネスモデルをベースに展開し、安定した収益と長期成長を目指すもの。長期的な成長を目標にバランスの取れた組織とスタッフの成長や無理のない社内プロセスを築いていこうとします。

https://www.antelope.co.jp/navigation/startup/difference/#:~:text=%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%95%AA%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%AF,%E3%81%84%E3%81%8F%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

スタートアップを一言で表現すると、「イノベーションがそこにあるか」ということだと思います。スタートアップ創業者は、人々の生活や社会を変えるソリューションを作るために事業を運営しているケースが多いです。そしてその組織は、正解がないカオスな状況の下、模索しながら新しいビジネスモデルを開発し、急激な成長を目指します。


日本の場合、スタートアップとベンチャーでも意味が違います。
簡単に言うと、

ベンチャー:市場においてある程度受け入れられると確信が得られた事業を、既存のビジネスモデルをベースに展開し、安定した収益と長期成長を目指す企業
スタートアップ:確立していない市場においてイノベーションを起こし、急激な成長、短期的なIPOを目指す企業

https://creww.me/tips/startupventure

と違いがあります。
これらの違いは、俗にスタートアップと言われている会社の事業内容を見ると理解しやすいです。

メルカリ:スマートフォンに特化した個人間取引(CtoC)のためのマーケットプレイスである「メルカリ」の運営。誰でもスマートフォン上で簡単に不要品を販売できるという今までになかったユニークなユーザ体験を提供。

freee:スモールビジネスの業務効率化を可能にするプラットフォーム事業を展開。会計、人事労務、会社設立等をサポートするSaasサービスを運営。

Smart News:全国紙をはじめとするニュースメディアと連携し、インターネット上で話題になったニュースを配信、アプリ上で読めるようになっているスマートフォン向けのアプリケーションの開発・運営。

ランサーズ:企業と個人をマッチングできるクラウドソーシングプラットフォーム事業の運営。仕事を依頼したい企業とフリーランスや副業として受注したい個人を、6つの事業領域においてパーソナル・オンタイム・効果的にオンラインで紹介・仲介するサービスを展開。

Layer X:現在推進しているプロダクトは、LayerX インボイス。請求書の受け取りから経理の会計処理・支払処理をまとめて自動化するクラウド型経理DX支援システム。

Leaner Technologies:見積業務を50%効率化・プロセスを見える化することで、データドリブンな支出改善を可能にする見積プラットフォーム「Leaner」の開発、運営を行う。

どれも今まで当たり前にあった市場ではなく、価値を自ら生み出し爆発的に成長してきた(きている)会社です。

これらの事業には認知や啓蒙が必要なため、潜在顧客に興味を持ってもらい、利用頂くまでにはそれ相応のコストがかかります。
そういった背景もありスタートアップは資金調達をします。
UPBONDも資金調達してます。

伝えたいことは、将来性のある市場で、顧客のボトルネックの本質的に解決する事業を行い、急激に伸ばす会社こそがスタートアップと定義される、ということです。

UPBONDがやっていることも、Web3領域のSaaSとして今後更に大きくなる市場に挑戦をしているので、今後が楽しみですね。
この辺りを前提に、話を進めていきます。

スタートアップの何が大変なのか?


「個人のキャリア」を考えたときに、スタートアップの何が大変なのか?を考えていきます。

ベンチャー・スタートアップ界隈でかなり有名な記事から引用します。
(リンク先で記載されてる「ベンチャー」とは、スタートアップも内包していると田中は理解しています)
↓↓↓

じゃあ4人のボートは?もしあなたが1日昼寝でもしていたら、即刻海に突き落とされるだろう。もちろん色々な仕事をしなくちゃいけないだろう。船を漕いだり、地図をみたり。その中には、テンションの上がらない雑用も含まれるだろう。ときにはエンジンが止まるかもしれない。ただ技術者はいない。どうすればいいのか? 沈みたくないなら、修理するしかないのだ。そうやるしかない。意思決定が早い?当たり前だ。船には4人しかいない、今エンジンは止まっている、やることは一つだ。ただ、自身の努力のぶん、船は大きく進んでいく。その成果を肌で感じることができる。それが楽しいのだ。

https://career.goodfind.jp/column/VentureCareerBible.html

成長を肌で感じることができるのがベンチャー・スタートアップです。

もう一つ、個人的にすごく素敵ですんごい方だな〜と思っている方の記事からの引用なんですが、

「スタートアップで事業や仕組み、プロダクト作りを手がけたい」と希望する人は多いと思いますが、実際にジョインすると、あり余る自由度を目の前にして固まってしまい、何もできなくなってしまうことも多い。どんな環境でもやり遂げるWillを持つことは、とても大事です。いきなり荒野に解き放たれても、意志さえあれば、きちんと自分にフィットした方向へ動くと思うんです。僕も今でも変わらず向き合い続けていますが、「自分のWillは何なのか」を問い続けることが重要。「本当にやりたいこと」が見つかれば、自然と行動しはじめるはずです。

https://www.fastgrow.jp/articles/mercari-ono

ここで皆さんに伝えたいことは、

  • 裁量権がありすぎると意外としんどいよね(良いことばかりじゃないよね)

  • 仕事が膨大にある中でどう取り組むかを考えていかないといけない(優先順位)

  • 自分で仕事をするときに、意志、目的を忘れてはいけない(目的達成の手段はいくらでもある)

UPBONDでも前職でもそうでしたが、スタートアップは「目標(目的)達成してくれたら何しても良いよ」という状況に置かれることが多いです。目標(目的)達成のためのマニュアルや知見が社内にあるわけではなく、インプットから仕事をスタートするケースもままあります。毎日スピーディに状況が変わる中で、常に環境(今自分がどこに立ってて、周りはどういう状況なのか)を把握してタスクをこなす必要があります。
これだけ聞くとしんどいだけじゃん、と思うかもしれません。ただスタートアップだからこそ獲得できるすごく貴重な経験もあると思ってます。

スタートアップで得られるものとは


3つにまとめました。

①世の中に出ていない(あるいは少ない)答えを出し、正解にする力

世の中で言う、スタートアップで得られる環境として、「スタートアップ・ベンチャーに入ると裁量権が〜〜〜」とか言われていますが、特にスタートアップでは得られるソフトスキルがあります。
スタートアップは既存のソリューションとは違う角度で事業展開しているので、各々のタスクやミッションに明確な答えがないケースが多いです。例えば、

  • システム構築において全く同じ答えが世の中に存在しない

  • クライアントに新しい挑戦を提案する

  • 結果が出ている事例がないことに挑戦していく

といった具合にです。自身の取り組んでいることにおいて、ベストアンサーやユースケースと言われるものが世の中にない中で挑戦することもあります。そんなカオスな中で、意思決定に必要な情報をなるべく集め、それらを組み合わせてより精度の高いアウトプットを出していくことが必要になります。
そしてそのアウトプットが関係するステークホルダーにとって正解だったか?はその時にはわかりません。だからこそ自分や組織の意思決定を正解にするために行動し続けなければいけません。
その一連の流れで身につけた知見、経験は非常に貴重なものになります。

  • 背景を理解して物事を推し進める

  • 幅広い手段への理解、意思決定する力

  • 選んだ選択肢が正解だったかどうかを確かめるGRIT力、経験

こういった力を持った人は大手に転職しても独立しても必ず人を巻き込みながら結果を出すことができるので、非常に市場で重宝されます。

②職種を問わない幅広い経験、知見

僕がスタートアップ入って衝撃だったことがこんな感じです。

  • 自分で請求書作成、送付するの!? → 今までCorporateがやってくれてた

  • 自分で契約書対応するの!?簡単なリーガルチェック自分でやるの!? → 今までCorporateがやってくれてた

  • 田中「方向性からすると、〇〇をやったほうが良いと思うんだよね〜(誰かやってほしいな〜ちらっ)」A「そう思うなら、やすがやれば?」 → あ、やって良いんだ。。。

  • 田中「今Qの目標達成むずそうだなー行動量担保できない」A「そう思うならやすがチーム作れば?なんで正社員でも業務委託でも採用稟議上げないの?」 → 採用するっていう考え方もあるんだ。。。


会社の事業状況、組織状況によって、一定の規模以上の会社だと考えられない範囲の仕事が落ちてます。もちろんそれらの仕事を拾うか拾わないかはその人次第です(拾わざるを得ないケースもあります)。
皆さんに認識していただきたいのは、スタートアップの良いところは手を挙げ続けることで幅広い経験、知見を吸収することができ、それらの多くは個人のキャリアの+になります。一見キャリアに関係ない仕事でも経験することで、その仕事をしている人の気持ちが分かるようになるので仕事がしやすくなりますし、より事業運営の流れが分かるようになります。

③仕事に対するコミットメント(責任)

①に付随する経験、スキルなのですが、これはスタートアップだと特に得やすいかと思います。
どんなプロジェクト、タスクにおいて、リソース(時間、期間、予算)が限られるケースが多いです。スタートアップだからしょうがない、というわけではないのですが、それでも直面すると思います。
その中で目標、在るべき姿をどうやって目指すかを考え、行動していくことで、転職市場や人材要件で言われる「責任感」「GRIT」「コミット力」が磨かれていきます。
また、権限移譲がされやすい会社では、やる気次第で規模の大きい仕事を行う事ができます。「それ大手だったらマネージャーとか責任者にならないと経験できないじゃん!」みたいな仕事が発生します。
そういった仕事を行える可能性が高いため、スタートアップではコミット力、責任感が醸成されやすい環境と言えます。

余談:「スタートアップは成長できる」は嘘?


※ここで言う成長というのは、転職市場における価値が上がることです。

かなり個人的な解釈になりますが、「スタートアップは成長できる」は嘘だと思ってます。ただ、「スタートアップは成長できる環境がある」は正しいと思います。つまり、「成長できるかできないかはその人次第。ただ、環境や可能性はあるよね。」だと思ってます。

大手でも成長できる

過去、twitterや転職メディアでは、「大手は柔軟じゃないからスタートアップ・ベンチャーに行って成長しよう!」みたいな論調がありました。これも誤解が生まれやすいと思ってます。個人的に感じるのは大手でもその人次第で成長できるし、成功している方はいます。大手の良いところを個人的にまとめると、

  • PMFが完了している事業については成功ケースが蓄積されている=成功ケースを効率良く学ぶことができる

  • PMFが完了していない事業(大手企業の新規事業)については、スタートアップ・ベンチャーでは用意できない予算や人員のリソースが確保できる可能性がある

一方、裁量権がなく閉塞的に感じたり、組織の動きが遅くて事業計画と社内スピードが噛み合わなったり、関係者が多すぎて手触り感(自分で事業を作ってる感覚)がなかったりすることも聞いたことがあります。ただ、これらは大きな組織で発生しやすい問題なだけで、大手だから、組織が大きいから必ず起きる問題ではないと思ってます。

そのため、人事・採用担当として思うのは、「成長したいからスタートアップ、ベンチャーへ!」というのは間違ってはないけど、もう少し背景を理解した方が早とちりしないかなと思います。

ベンチャー・スタートアップの良くないところ

ベンチャー・スタートアップはもちろん良いところばかりではないです。簡単に言うと、

  • 時期によってRole(=タスクの量)の偏りが出やすく、仕事が多い傾向にある

    • 組織が大きいと仕事が分散されるが、人数が少ない組織だとフォロー体制を作ることが難しい

    • プロアクティブに周りと連携して分散することが必要

  • リソース(体制、給与)が限られる可能性がある

  • カルチャーを変えるのが難しい

  • マネジメント機能が弱くなりがち

という具合に、資本が少なく、PMFしてないというボトルネックから生まれるネガティブな特徴はあります。とはいえ個人的には、上記の一定以上は解決できると思うので、HRとしては常に向かい合いたい課題です。

まとめ


スタートアップは人数が少なく、pivotする可能性もある。だからこそ面白いし成長できる環境がある

僕がクライアントワークをやって思ったのは、UPBONDが狙う「Web3の社会実装」というのはすごくやりがいがあり、必要な領域です。かつ組織的にフラットに話す文化が醸成されており、非常に面白い会社になる可能性があります。
スタートアップが皆さんに提供できるのは、

  • 挑戦できる環境

  • 切磋琢磨できる環境

  • 経営にすぐ触れることができる環境

  • 自分で環境を作れる環境

です。それらを強要はしない(し、したくない)のですが、HRとしてはより働きやすく、成果に繋がりやすい環境を作るべく頑張っていきます。


以上になります。
これからも定期的に発信できるよう考え続けていければと思います。

一つ宣伝なのですが、採用加速してるので少しでも興味もった方は下記からエントリーお願いいたします。

https://www.upbond.io/recruit
ではまた!

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