デザインのチカラ

来週半ばまでまとまった時間を取れるので、土曜日から計画的にいろいろな活動をしています。

今日のメインディシュはデザイナー鈴木元氏のご講演。同氏の略歴等は以下URLをご参照ください。凄いです。カッコいいです。そして実物はとてもソフトな方でした。
http://www.eandy.com/designers/gen_suzuki/

デザインとは、「人を起点として見て、統合的に捉えること」

「人から見る」ところが重要。
違和感の有無を探す、あれば消していくという地味な作業。正解という正解はない。つまるところ、誰も違和感を感じなくなる。
「あ、これだよね」
「そうそう!」
とみんなが共感できたらそれが答えという訳です。

例えばこの方はCasperという米国のスタートアップ(ユニコーン企業)の立ち上げにも関わられたそうです。米国を皮切りに全世界のマットレス市場に風穴を開けた「スリープ企業」。詳しくはネットか何かで調べてみてください。

大切なことは、みんなの中で「当たり前」になっていることに対して「違和感」を覚えられるか。

同氏いわく、以下の三点が重要とのこと。

・なるべくたくさんの要素を絡み合わせる

・ほどけない「かたまり」をつくる

・言葉にできないものは真似できない

「主観と客観を溶かす」という言葉も使っておられました。要は、両者の差をなくすのです。

そして、次に大切なのは「観察」。
人間というものは見えていないことに気付いていないことも多いのだそうです。たとえば、入院患者の視線の先とか。天井なんですよね。最初から患者自身と向き合うとあさっての方向に行きかねません。

自ら体験し、なりきってみる。
つまり、「自分事」にしていくのですね。そして、「他者を自己化する」という表現を使っておられました。

そして、直感とは「圧縮された身体記憶」。これにはしびれました、なるほどー!ニュアンスはとてもよく伝わります。ただ、「身体」が適切なのかな?うーん、考え中。

さらには、プロトタイピングの重要性を説きます。

みんなわかってはいるのですが、それを具体化したり、再現したりするにはギャップがある。そこで、
・何度もやりなおす
・チームでやる
ことにより解決に近づけていく訳です。

プロトタイピングをすると、
→誰もが体験できる
→フィードバックが出てくる
→議論が建設的になる
→協業がしやすくなる
という効果が連鎖的に生まれるそうです。

同氏がかつて在籍していた超有名なデザインファームIDEO社では、
"never go to a meeting without prototype"
が合言葉なのだそうです。

ここで、amazonに$11Bでバイアウトした薬局のスタートアップpillpack社の事例が出ました。これも詳細はお調べください。物事の自然な在り方を追究するとこうなるんですよね。そこに問題意識を置けるか、そして実際に行動を起こせるかがミソかと。

誰もが当たり前と思っていた前提が変わりつつあるのが今の世の中。別に奇をてらう訳ではなく、世の中の変化に合わせて最適化を図るのが真の起業家というものだと私は思います。

同氏は「ズレ」という言葉を使われました。これが大きければ大きいほど世の中に与えるインパクトが計り知れないものになり得る訳です。

結論としては、(ロジカルシンキングに比する訳ではないですが、)「頭」と「体」で考えましょう!それが「デザイン思考」です、という〆でございます。

他にも各論がある、と申しますか、会場の皆さんや私が個人的に伺った内容もありますが、それは私の心のうちに留めておきまして。

大変勉強になったので、またまた連載に割り込む形で書いてしまいました。noteは復習用途にも使えますね。(これは帰宅の電車内で書きました。)

次回は連載「娑婆に出る」の続きに戻る予定です。乞うご期待!

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