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アクセサリーの女は夜に考える

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

彼と会ったのは昼間でした。マッチングアプリで、たこ焼き屋さん飲みしたいという話で合意したのです。彼は会った途端に言いました。自分が既婚者だという事を。そして、恋に発展することは望んでいなくて、自分より若い女性の飲み友達が欲しいというのです。彼は妻にもそれを言って、今日はここに来たのだと言いました。

恋に発展したくない方などたくさんいます。それについては何も思いませんでした。でも、自分の年より若い女友達が欲しいという夫を奥さんはどういう気持ちで送り出したのでしょうか?私は、彼と一緒にいる間、そんな事ばかりを考えていました。

私が結婚している時も、夫は時折その言葉を言いました。「あなたとは違うでしょう?俺は、違う若い女性と話したいんだよ」

私はそれをずっと、私たち夫婦という歪な関係だからだと思っていました。でも、彼の話を聞く限りどうやら違うようです。男性というのは、結婚していても、自分の年より若い女友達を求めるのです。

でも、話は他愛のないものです。子供の話や、最近会った出来事、どんな食べ物が好きとか嫌いとか、不具合が起きた時の対処法とかなんでもないような事なのです。

彼とはそんな話をして夜が来る前に別れました。それからも他愛のないやりとりを続け、アプリが不調になった事を期に、なんの連絡もしなくなりました。

私はずっと寝る前に、必ず考えてしまっていたのです。「自分の年より若い女友達と飲んでくる」と言われた彼の奥さんの事を。彼の奥さんも、彼より若いのです。それでも、女友達はいるのでしょうか?それは、「自分の年より若い女友達」というアクセサリーなのではないでしょうか?

彼女はきっとそれを分かっています。だから、そんな夫の戯言を流しているのです。彼女はいい女だから、そんな戯言を言って、会った女性と手も握らない夫に安心しています。そして、彼女は誰かの手を握っているのかもしれません。

彼はそんな事に気づきません。新しいアクセサリーをただもてはやしているだけです。そして、アクセサリーも馬鹿ではありません。

彼と連絡をしなくなって、もう彼のことも長い間忘れていました。なんでも正直だからいいのではありません。そこに秘密があるから人はより魅力的なのです。彼は秘密の使い方を忘れていたのかもしれません。それはきっといい女の彼の奥さんの技でしょう。いい女に乾杯して、今日も眠りにつきます。おやすみなさい。

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