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不思議だけど温かい話

怖い話は苦手ですが、実際に体験した不思議な話を書きたいと思います。

今から3年ほど前のこと。夫と、当時3歳の息子がお風呂に入っていた時の出来事です。いつも通りに楽しいお風呂の時間だったようで、息子もニコニコしてお風呂から上がり、着替えの準備をしていました。すると、後から出てきた夫が不思議そうな顔をしながら話はじめました。

「なんか、〇〇が△おじちゃんが天井にいるって言うんだよ。」

??なんのことか、さっぱり意味が分からなかったのですが、△おじちゃんと言うのは、私の弟であり、亡くなった私の父にそっくりの顔をしているのです。

夫はすぐに、私の亡くなった父じゃないかと思ったようですが、自分には何も見えたり感じたりすることはなく、そのままお風呂タイムは終わったそうです。

私の父は小さい時に白血病で38歳で亡くなりました。

2つ離れた弟が、亡くなった父と同じくらいの年になり、「△は本当にお父さんに似てきたね。」と家族の中でも話題になっていたので、直接面識のない夫も、遺影の写真と実際の私の弟を見てそう思ったのでしょう。

子どもには、見えないものが見えると言う話は聞いたことがあるけれど、実際にそうなって見ると、実感がないと言うか不思議な気持ちでした。

着替えを手伝いながら、「△おじちゃん、何してたの?何か言ってた?」と息子に聞いてみました。お父さんが側にいたんだと思う高揚感と、見えない存在への疑問が混ざった、なんとも言えない気持ちで。

すると、「うん!ニコニコしててね、ずっと僕たちを見てたの。それでね、大好き!!って言ってたよ。」と話す、すごく嬉しそうな笑顔の息子に、胸が熱くなり涙をこらえるのに必死でした。

父が亡くなったのは、30年ほど前で、私自身には見えたり聞こえたりはしませんでしたが、きっと身体はなくても心はずっと側にいる、いつも見守ってるということなんだろうと思います。

そういえば以前、看護師で働いていた時のこと、同じようなことがありました。夜勤中、異常がないか夜中に見回りをしていた時のこと。ある患者さんが眠れずに起きていました。具合が悪くないのを確認して、次の部屋に見回りに行こうとしたら呼び止められたのです。

「ねえ、急にごめん。なんか、あなたのお父さんが、あなたのことすごく心配しているんだけど・・・。」と。その当時、私は結婚すると思っていた彼と別れた直後でした。仕事中は、もちろんいつも通り、当然患者さんにもそんな話はしていないのですが。呼び止めた眠れず起きていた患者さんは、職業占い師で、ただ感じたまま、今言わなきゃいけないと思って伝えてくれたようです。

愛する人が亡くなるとことは、本当に耐えがたいものです。亡くなる人もまた同様に思っていたら、尚更辛いことでしょう。

でも、自分の経験したことから、例え亡くなっても「心」は「魂」はずっと一緒にいるんだなと実感しています。

子どもの時に、父が亡くなってから、毎日泣いて泣きすぎて目の下の皮膚がかさぶたのようになりました。「お父さん」という言葉が、辛すぎて言えませんでした。20歳を過ぎて、ようやく泣かずにお父さんの話が出来るようになりました。

寂しさや悲しさを癒すには時間が必要でした。

亡くなった父の年齢を超えて、今、病気もなく生きている私。

毎日を大切に、父や御先祖様に見守られてると感じながら、家族を大切に生きて行きたいです。

最後に、6歳になった息子に、最近突然に言われた言葉。

「お母さん、もしお母さんがおばあちゃんになって死んでも大丈夫だよ!あのね、僕がおじいちゃんになったら、お母さんが赤ちゃんになってまた家族になれるんだよ!」


#私の不思議体験

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