見出し画像

食べ塾30:後継者のいない飲食店の役に立つ閉店の際のノウハウご紹介します!

ただ何もせずに、6か月先とかに賃借契約を解約するだけなら、

    敷金も全額は返りませんし、
店舗を原状復帰させる工事費がかかり
収支は手出しが多くて、赤字になります!

そこで、

手元にお金が残ったり、
他人のお役に立てる活かし方を考えてみませんか?

ひとつでも、ヒントになれば幸いです

1,「店舗運営権を委託」する

  店舗の所有権や賃借契約はそのままで、店舗業務を引き受ける
リーダーと社員とPA(パート・アルバイト)を決めてグループに
店舗運営を任せる方法です。

(基本条件)
★店舗が本来採算以上の売上状態にある(コロナ以前の状態)
★引き受けるリーダー候補がいる → *責任感が強い人
★この飲食業態のニーズが地域として今後も引き続き存在する
★金融機関の反対がない
★重要な問題が発生した場合は、オーナーとして対処できる
等があれば話を進めやすいと思います。

委託側のメリット

店舗の運営契約を交わして運営権のみ業務委託する

   お店を存続させたいが、
自らは高齢や持病などで経営継続ができないなどの場合で、
まだまだ店舗に価値があり、採算性も悪くない場合に行う方法です。
     →店舗のスタッフから「チーム」を選抜して運営を任せる
     →知り合いや取引先の「引き受け会社」に運営を任せる

手持ちの資産等は保全されたうえで、店舗経営から離脱できます

●店舗を所有する場合は、銀行返済金や生活費の一部に充当する形で、
 賃借料を設定するようにします。

●賃借店舗の場合は、家賃はこちらに入金してもらいます。
 こちらから家主へ振込します。
 食材等の取引は、新しい運営会社に名称を切り替えてもらいます。

月々の収支結果は運営側が責任を持ちます

  月間の収支は運営側の責任ですので、運営をしていない場合は
赤字の場合などの弁済義務はありません。
*ただし、契約書には明記しておくべきです。
 未払いで引受人が夜逃げとかもないことはないのです。
 個人の場合は連帯保証人が2名は必要と思います。

引き受け側のメリット

資金が最小限度しかなくても顧客がいる店舗を経営できる

  新規店を開業して1年も、2年も頑張った時点と同じ状況の
お店を1/10以下の資金で経営できるのです。
*店舗運営を委託される経営者の方との「信頼関係」が重視されます。

運営に自信が出たら、運営権でなく経営権も手に入る交渉ができる

  いきなりまるごと経営してリスクを負うよりも、運営を通して
お客様や納入業者さん、金融機関さんなどと信頼関係を築くことが
できれば、
店舗を買い取る際の融資などもしやすくなります。

運営期間は大抵の場合は、双方の話し合いで任意で決められる

  「飲食店経営に自信が持てたら店舗を買い取ります」という前提で
業務委託を始めるところもあります。
ローリスクハイリターンな方法です。

注意すべき未払い経費
①家賃の支払い  (*赤字で滞納になる)
②食材等取引先への支払い
③電気水道ガスの名義変更・口座変更
④消費税・社会保険料などの変更手続き
⑤電話名義の変更  など

引き受け側は、最低3か月分の運転資金の確保が望ましいのです。

2,所有店舗なら
店舗を「家賃+機材」で自家リース店舗化する

  店舗や駐車場などの地代家賃に、
「経営者の年金もどき」で例えば5万円~10万円加えたり、
「銀行返済金の一部」を加算したりして、

 双方が納得のゆく「自家製リース額」を設定します。
引き受ける相手(会社・個人)に店舗を譲渡する方法です。

双方に無理のないリース設定金額の目安は、

自家リース額=平均月商(年商÷12か月)×10%~8%

になります。
月商が250万円でしたら、25万円~20万円という金額です。

*ただし、所有店舗でなく賃借店舗物件の場合は、又貸しになり
 契約は認められません。(多くの契約書に明記されています)

譲渡側のメリット

店舗が継続できるので、地域貢献が今後も続けられる
 
店名、メニュー、名物などの存続ができる

店舗補修費や銀行返済金などを継続して入金分から支払うことができる
 
単に閉店してしまえば無収益ですが、愛着のある店舗がなおかつ営業継続
 できるメリットは大きいと思います。

店舗の運営権の委託と違い、完全に関りを断つことができます

引き受け側のメリット

店舗を買い取る資金がない、金融機関の信用も不明の場合でも
 店舗を経営希望の人が経営できます

 店名、飲食業態、メニュー内容などを無償で引き継げます。
 *ただし、最低3か月分くらいの運転資金は必要です。

②経営体験を積んでから取得に切り替えられます
    6か月間~3年間は自家リース状態で経営して、経営の自信を深め、
 従業員からの信用、金融機関からの信用を得て、
 いくらかの資金の貯蓄や融資を受けられる信用が生まれる流れに
 なることができます。

③営業年数の長いお店は、知名度があり、顧客層が80%もいるので
 採算が取れやすい条件を備えています

店舗家賃額も敷金も家主との協議で決められるケースがある

3,店舗と経営のコツを熟知した従業員に売却する

親族に事業承継者がいない場合はコレが一番いい!

  金融機関と話し合い、銀行支援(融資)ができる形になれば、
自分の負債をできる限り完済させるためにも、
店舗の売却が一番よいと思います。

①役員・中堅管理職・店長クラス・料理長クラスなどの、
 「実務に長け」
なおかつ、
 「経営を学んだ人」
に買い取ってもらうのが一番の選択です!

*店舗に従事する従業員さんであっても、
「経営のことを学び努力する人」でないと、
 この厳しい飲食サバイバル時代に黒字を出すことは厳しいと思います。

≪こんな人は無理≫

・金融機関が許可しない人
 (経営力を認めてもらえない人・高齢者すぎる人)
・人望のない人 (*従業員がついてこない)
・決断力にかける人
・アイデア力はすごいが実行力にかける人
・料理はプロ級でも、経営の勉強をしていないので黒字化や利益増が
 どうしたら可能か見えていない人
・金銭感覚が異常な人 (*飲食業は10円・100円が純利益の商売)

4,取引先・他企業にM&Aする

<取引先が経営する こんな場合もあります>

・牛の牧場を持っている会社が焼肉店を買う
・精肉卸会社が焼肉店を買う
・地酒ショップが地酒のお店を買う・経営する
・製麺会社がうどん店を買う・経営する
・漁師さんのグループが魚料理店を経営する
・製麺会社がラーメン店をチェーン展開する

M&A側のメリット

主力商品を販売する側のパイロットショップ兼現金収入先の確保
 の2つのメリットを獲得できる

 翌月以降にしか現金が入らない会社が、飲食店という日々現金売上
(現金のバキュームシステム)で日銭を稼ぐ仕組みを手に入れる
 ことになります。

 また、
 主力商品の利用の仕方や消費者ニーズを直接知ることができますし、
 新商品などをメニュー化して投入することで、商品の改良や価格設定に
 ついてのヒントを得ることもできます。

②非飲食企業から見れば、
 「異業種参入メリット」が大きい

経営の多角化による経営安定力の強化は今後ますます必須の課題です。
そして、主業務に関連した業務への進出のみならず、
全く非・関連業種への飛躍も必要な時代になってきたと思います。

生み出すアイデアに対する「熱意と信頼」の問題になります。

アフターコロナは、
飲食業界そのものの仕組みの地殻変動が起こる時代
と思います

協働ロボットの出現
フェイクミートの普及
旧来の飲食店の消滅と衰退

大より小が稼げる時代

変わることを恐れずに前に進むことが大切と思います。
(了)




飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします