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高コスト時代の飲食店対策10:お客様に受け入れてもらえる繁盛飲食店の条件

このテーマの記事は今回が10回目の投稿です。
シリーズでご覧いただきありがとうございます。
まだ見られていない方のために、本文の後に1回~9回の投稿を
準備しました。よろしければご覧ください。


飲食店の業態変更や仕組みを変えて繁盛店づくりに役立つ内容です。
*この記事は途中から有料記事になります。
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はじめに

 2022年4月の食材や食品の一斉値上げ、その後の電気ガスの光熱費の値上げ、さらに7月の値上げ、10月の今年最大の値上げがありました。

コロナ過がやっと去りかけたところに、食材の値上げが利益を圧迫し、
さらにコロナ8波が来つつある状況で、人手を確保しながら売上づくりをしなければならないという、気の休まる時がないこの1年です。

しかし、(嫌なことを先に言います、大切なことなので)
値上げの波は、これで終わりでしょうか?

私は、少なくとも今年の値上げは、来年(2023年)の値上げを呼び込むと
予測しています。来年の値上げはさらに、その翌年の値上げにつながります。
もし2023年中に値上げが沈静化しても高止まりになるだけです。

コロナ前の2019年と同じ程度の利益を確保するためには、
本当は「2022年は値上げ率12%、2023年は値上げ率6~8%は必要」

いろいろな統計数字やWEB記事を総合的に半場すると、これくらいは
値上げしていないと経営の健全化はキープできないと判断しました。

そして、
今年、値上げをしなかったお店は、来年はもっと値上げは難しくなります

なぜかと言うと、今年の分と来年の分の2か年分の値上げを合わせて、
少なくとも「15%以上の値上げ」を1度に実行しないと経営が正常化することにならないからです。

値上げをしないで弱って消滅するくらいなら
値上げで勝負して負けて消滅する方が商売人らしい!

消極策をとるか、積極策をとるか、今が極め時です!



■お客様に受け入れていただける飲食店の生存条件

1,「満足できる完成度の高い商品を持続して提供できる」
  食材原価率の仕組みができていること

  いろいろ批判は出ている面もありますが、私はスシローの値上げの仕方と商品づくりの完成度を体験してみて、

「健全で正当な値上げをしたからこそ堂々と売れる商品群を手に入れた」
と大変感動しました。(個人的な感想です)

今年の9月までのスシローさんは、低い売価の圧迫を解消しきれずに、
いびつで不満足な商品ばかりを提供し続けていました。
10月になって新しい価格帯になり、商品の設定がすべて一新されていました。価格と食材のイメージがやっと一致していたのです。
(*注:10月に比べて11月は20%ネタが貧弱になっていました、残念!)

そのいびつな呪縛ネタのあり方から解き放たれたようです。
やっと、低価格呪縛業態から脱却した感があります。まだ1歩だけですが。

これと同じことが飲食店に必要です。

*スシローさんの店舗によって、一番安いお皿が、120円、130円、150円と
 3つの価格帯になっている点もすごく良いことと思います。
 恐らく月商や客単価の高さや満席状況で仕分けしているように思います。
 九州はすべて120円でしたから、すべて平均月商3000万円以下(?)。
 (JRの繁忙期と閑散期の料金設定の変化と同じような手法ですね)


飲食店にとって一番いけないことは
値上げを避けるために、
「この採算の合うB級食材を使って商品にすれば、このB級価格でも
なんとか利益が出るから値上げは我慢しよう」

という現実妥協型のネガティブな解決策をとることです。

お客様はその商品を食べても、大して感動もないし、美味しく感じません。

それでも、結局は20円、30円は値上げしたくなるものです。

値上げに耐えるだけの商品力がありますか?
とすべてのお店とお店の商品に問いかけたくなります。

<重要>
お店の完成度の高い満足する商品群が継続してお客様に提供できるためには、黒字になる利益を生み出す「適正な食材原価率」を持っていないと
いけません

無理に無理した高い食材原価率では、値上につぶされてしまいます。

値上げを躊躇するお店の共通点は、みんな既存店であり、経営者の方の
大半が中高齢経営者の方たちです 
(打つ手が見えず守りのスタンス)

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