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長男とVリーグ

 長男とVリーグというタイトルで書かせていただいているが、なんかもういっそのこと『長男と福山汰一選手』ってタイトルの方がいいんじゃねえかってくらいに彼にとってVリーグ最推しである爆裂イケメンお兄さん福山汰一選手のことばかり書いてあるnoteとなってしまった。文章少なめ、写真多めでお送りしたいと思う。なんたってそりゃあもう顔が良いから。

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 長男が石川祐希選手を見てバレーボールにハマってからしばらく経ち、あれは2017年の夏の終わりだった。日々、石川祐希を求めていた長男(のためにYouTubeを漁っていた私)が辿り着いたのは台北ユニバーシアードの試合だった。「長男、日本代表のバレーボールならイシカワいるんじゃない?」そう伝えると長男はテレビ画面をじっと見つめ「…ここにイシカワはいない」と呟いた。ああ、また探し直しか…とリモコンを手に取ったその時、長男は流れるように一息で言った。「ママ待って!4番フクヤマかっこいい!!!!」イシカワだらけだった長男の世界に突如として訪れたビッグバンの瞬間。Vリーグを観に行くきっかけとなる福山汰一選手との出会いだった。

 当時の私はバレーボールのことを今よりもさらに詳しくなく、さらにVリーグのチームが近隣にひとつもない場所に住んでいるので日常の中でVリーグのニュースを目にすることはまずない。今でもバレーボールをしてる子や親に「Vリーグ観に行くので練習休みます」と言ったら「Vリーグってなに?そんなのあるの?」と言われるような場所。だから、4番フクヤマが福山汰一という名前の選手だと知りVリーグという組織があると辿り着くまではGoogle先生に頼りっぱなし。旦那にVリーグのことを聞いても「〇〇の体育館が綺麗だけど、ご飯はそんなに美味しくなかった」とか「〇〇ではやたらとコロッケ食べた記憶しかない」とかの偏った情報しか与えてくれないので早々に諦めた。昔、死んだじいちゃんが買ってきてくれた初期のファービー(若い子はググってね)か?ってくらい会話にならん。知りたい情報があるときに頼りになるのは旦那よりファービーより、やっぱりGoogle先生ですよ。

 しかし、Google先生への聞き方が悪かったのかあまり情報が得られなかった。そこで私はTwitterを始めることになる。それが長男の動画アップやお友達ができたりすることに繋がとはこの時は思いもしてなかったんだけど。少しずつ情報を集めて、富山でジェイテクトSTINGSが試合をすることを知り、旦那に頼むと渋々ながら知り合いに頼んでチケットを用意してくれた。初回だし、長男もずっと観ていられるかわからないからけど、とりあえずこのチケットで行ってみようと。結果として初観戦の長男だったが最後までしっかり観戦できた。こんなにちゃんと見てられるなら行ける時には長男とふたりでチケット取って観戦行こうと思ったことを覚えている。

 ただ、なんとその日はジェイテクトが負けてしまい、体育館を去りゆく選手の背中に向けて「フクヤマー、フクヤマー!」とこの世の終わりのように長男は咽び泣いた。もう本当に号泣である。普段あまり泣いたりしない子だったので私たちも驚いた。居た堪れなくなり、長男を抱いた旦那とふたりで慌てて体育館のロビーに逃げ出した。塩辛い思い出になるかと思ったが、その後なんと福山選手本人とお話しさせていただくというとんでもないハッピーサプライズのおかげで長男にとっては夢のように甘い思い出に変わった。なにより、間近に見る選手のスピードとパワーを感じるプレー、迫力がある試合は長男の心をガッツリ掴んだ。彼は見事にVリーグにハマることになり今に至る。お気に入りはエンドの席。飛んでくるボールがどこに落ちるのか、どうしてレシーブできるのか、フェイントのやり方がよくわかるからがその理由らしいけど、公式練習中の危険度たるやなかなかスリリングである。

 好きなものは好きな時に思いっきりと育てた故か、ハマったらとことん突き詰めたい長男の性格故にか、試合だけでなくジェイテクトSTINGSの練習見学や合宿見学までも足を運んだ。合宿では福山汰一選手が長男に「これあげる」と練習着をくださったこともあった。「いらない」と長男が答えた時には魂抜けるかと思ったが(後で聞いたらフクヤマが裸で帰らなくてはいけないと思ったらしい)金丸選手の爆笑のお陰でなんとか精神を持ち直し、ハリーポッターに出てくる屋敷しもべ妖精の如く恭しく受け取った。

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 初めて行ったオールスターではサインボールを長男の側まできて膝の上にポンっと載せてくださった。興奮しすぎたのか、彼の脳内で処理できないほど大きな出来事だったのかはわからないが、この日の夜、赤ちゃんの時ぶりに長男は夜泣きをした。そんな練習着とサインボール、この2つは今でも長男の宝物だ。

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 Vリーグのおかげで色んなところを長男と旅をした。車や電車、新幹線。車の中でキラキラした笑顔でフクヤマの格好良さを語る長男はまさにオタクのそれだった。スピードのあるクイックやブロックといったプレーはもちろん、とにかく顔も格好良くて好きなんだと。

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 地元ではバレーボールをしている子供達はそこそこいるものの、実際にVリーグを観に行った子はほぼいないのがVリーグチームのない我が県の実態だ。選手たちのプレーを間近に見る体験はどんなスポーツでも子供達の刺激になると思う。そのスポーツをもっと好きになるきっかけになるはず。なので、Vリーグももっともっと裾野が広がってくれたら良いのになと思いつつ、基本は遠征なのでフラッと行ける距離でもなくカジュアルに友達を誘うことも私には難しい。どこ行くにもそれなりに遠いし、エンド席は怖い。だけど、会場(コロナ前)で「がんばれー!ジェイテクトー!がんばれー!フクヤマーーー!」と叫ぶ長男を見るのが私は大好きだ。試合も見れるとなれば交通費とチケット代は私の中では実質無料。遠征先の爆食だって楽しいからカロリーゼロだ。だからこれからも行けるときには現地で観戦したいと思う。ボロボロになるまでハリセンを叩こう。声出し応援できるようになったらまた大きな声で応援しよう。そして、いつか長男が大人になったときにも同じ熱量でVリーグを観に行ける人になってほしいなと密かに思っている。


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