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林鄭月娥さんのお名前

※政治的な話は一切ありません。


ただただ、林鄭月娥さんの名前が気になる。中華系には珍しい二文字姓も気になるけど、「月娥」という名前も気になる。

中国に「嫦娥奔月」という神話がある。

 天帝と妻の間には太陽となる10人の息子(火烏)がいた。10の太陽は1日ずつ交代で地上を照らしていたが、帝堯の時代に10の太陽が一度に現れるようになった。地上は灼熱地獄となり、困った帝堯に対し、天帝は神の一人である后羿を遣わした。天帝は后羿に紅色の弓(彤弓)と白羽の矢を与え、后羿はそれで太陽を威嚇して元のように交代で出て来るようにしようとしたが、うまくいかなかった。后羿は結局9つの太陽を射落として太陽をひとつにし、地上は元の平穏を取り戻したという。
 しかし9人の息子を殺された天帝は后羿を疎ましく思い、后羿と妻の嫦娥を神籍から外したため、二人は不老不死ではなくなってしまった。后羿は崑崙山の西王母の元へ行き、二人分の不老不死の薬をもらってくるが、嫦娥は薬を独り占めして飲み、逃げる。天へ行くのを躊躇して月へ隠れた嫦娥だが、后羿を裏切った報いで蟾蜍(ヒキガエル)の姿になってしまい、そのまま月で寂しく過ごすことになった。

こんな話だ。
太陽である火烏は三本足で、日本でいう八咫烏である。
一方、月・不老不死・帝といったキーワードからは、嫦娥とかぐや姫が重なって見えるような気がしなくもない。かぐや姫というか黒かぐや姫といった感じだけれど。

道教では「嫦娥」は月の女神とされ、中秋節に祀られる。
中国の月探査計画の名称が「嫦娥計画」で、探査機の名前も「嫦娥」であることは、御存知の方も多いかもしれない。

つまるところ、月娥という名前は、とっても月の女神なのである。姿はヒキガエルかもしれないけど。

林鄭月娥さんはカトリック系の女学校を出ているクリスチャンだそうだけど、ご両親もクリスチャンだったのかしら。クリスチャンが中国神話にちなんだ名前を付けるかしら。それとも関係ないのかしら。

気になる。

尚、林鄭という姓は、元の姓である「鄭」に夫の姓である「林」を冠したものらしい。なーんだ。欧陽さんとか司馬さんみたいな複姓じゃないんだ。

でもそういう姓も受け入れてくれる文化はいいな、と思う。

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