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確信犯(ショートショート)【短編集:創作1000ピース,33】
【はじめに】
これはオリジナル短編小説です。創作1000ピース 第33作品目。
*
「……ところで体調大丈夫?」
用件の最後、あなたが言う。仕事の話に区切りがつき、電話が終わる雰囲気になると切り出してくる。この言葉を滑り込ませようと、会話の主導権を握る。その瞬間の息遣いが好きだ。
ほら、今もまた。
いつもなんでそんなに優しいの。望みがないのにその気になっちゃうよ。
親切心に心が揺れるくらい優しさに餓えているのか。それとものぼせているのか。
もっと言葉が欲しくなる。
弱音を吐いたら、「大丈夫?」って絶対に寄り添ってくれるを知っているから。だから業務メールの文末に吐露しちゃうんだ。
今日も言わせてしまってごめんなさい。
確信犯だよね。こんなの。
調子が悪いって、自分の体調に敏感になるのはあなただからかな。
私はきっとあなたが好き。
*** 創作1000ピース ***
たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。
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