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世界幻想見聞録(4)~時の権力者と暴君たち~ 【SS】【 140字小説】【オムニバス】
【はじめに】
これはオリジナル短編小説です。創作1000ピース 第73作品目。
X(Twitter)に毎日投稿している140字小説を複数編まとめたものをnoteにも投稿していきます。
<企画の趣旨について>
Xの毎日投稿(毎朝7時台更新)の方もよろしくお願いいたします。
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各140字小説の区切りがわかるように、引用表示でお送りします。140字×2で280文字小説になっているものもあります。
とある国の大王は、数日で巨大な神殿を築き、威厳を示すと共に民を驚かせた。
刃向かった者は当然、陰口を言う者も数日のうちに謎の死を遂げた。
悶え苦しみながら死んでいく様は王の呪いと噂され、恐れられた。
なにやら王の背後には悪魔がつきまとっているようだ。王の指輪が使役の鍵になっている。
ソロモンの指輪で悪魔を使役する大王は、悪魔よりも冷徹で、血が通っていない人形のようである。悪魔は災いや不幸で人を苦しめ喜ぶが、王の心はなびくことはない。
「母親を殺した男に復讐したいなら力を貸そう」
差し出された指輪と引き換えに、少年は感情のすべてを悪魔に捧げた。それがのちの大王だ。
東方の雄と呼ばれる帝国がある。乱立する数多の国々を淘汰し、ひとりの皇帝が従属国の頂点に君臨した。
多民族統一国家には同胞意識が必要だ。部族の王子達が帝国中枢に集められ、英才教育が施される。
臣下の誓いを立て、祖国に帰還した王子のたくましい肉体と生々しい刀傷に後宮の女たちは言葉を失う。
大華帝国の光輝帝は傀儡皇帝だ。10歳の幼年で帝位についた。年齢なんて関係ない。大事なのは血筋だ。血筋こそが皇帝を皇帝たらしめる尊いものである。彼の後ろには大臣が居て、常に裏で糸を引いている。
「この者は陛下に対して謀をはたらきました」
こうして今日もまたひとり罪無き者の首が飛ぶ。
傀儡皇帝だった大華帝国の光輝帝は成人をきっかけに権力を手にした。
大臣に倣い、自分にとって不利益な人間を消すことが美徳と信じていた。影で自分を操っていた大臣を粛清し、その家族、その家臣、それらの血縁者に至るまですべてを葬り去った。
そんな皇帝の異名は血塗られた暴君だという。
昔から東西交易の要衝として商業で栄えた砂漠の国では、代々女王がその治世を行っている。
国内を流れる唯一の川には女神が棲んでいると言われ、季節ごとに氾濫や干ばつを避けるための祈祷が執り行われる。女神の怒りを鎮めるのは女王の力。祭事をとりきる者が為政者となったのが砂漠の国の始まりだ。
砂漠の女王は珍しいものが大好物。
東に万病に効く花があると聞けば、危険を犯してまで取りに行かせ、北西に七色に光る宝石があると聞けば、大金を出して買い占める。
人間も例外ではない。北西の国出身の奴隷が多い理由でもある。白くて透き通った青い瞳の少年は色黒黒眼の女王にはたまらないそうだ。
Xと連動中! 12月23日(予定)まで毎朝7時台更新中!
*** 創作1000ピース ***
たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。
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