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エッセイ『6年振りの日本。一番辛かったことはこれ』

日本で三人、友達に会ったけど、三人共超真面目なんだよね。私の姉もそうだけど。東京でずっと一緒にいてくれたのは、金融関係の仕事をしていて、女性一人で二千万貯めたという凄腕だ。

それで彼女が三日間一緒にいてくれて、随分付き合いのいい人だなー、と感動していたら、どうやら彼女は、私を一人にしておくとヤバいと思っていたらしい。

そんなに心配しなくても大丈夫だよ、と言ったら、心配はしてないけど、って言うから、じゃあ、信用していない? と聞いたら、そういうんでもないけど、野放しにはできない、と思ったらしい。良い人過ぎる。うるうる。

彼女は私のファミレス巡りに付き合ってくれた。私の小説には必ずファミレスが出て来る。あれも日本独自の文化だ。

ガスト、ロイヤルホスト、ジョナサン、サイゼリアに行った。ジョナサンとロイヤルホストを足して割ったくらいが好みだな、と思った。

彼女とは東京タワーに行った。東京タワー大好き!

東京タワーにはなにか性的な興奮を感じる。

それでね、なにが辛かったかと言って、知らない人に喋り掛けてはいけないということ。

特にエレベーターの中とかが辛いんだよねー。私の住んでいるところはね、エレベーターの中にアマゾンの配達の人がいようもんなら、みんなで、なになに、私の分はなんかないの? 最近アマゾンどう、忙しいの? だのなんだの、みんなで大騒ぎになる。

日本ではエレベーターの中で知らない人に話し掛けると、ただの変な人だと思われるから止めろ、とその金融関係の友達に言われ、私の泊まっていた大井町の高層ホテルには、四階に温泉があって、よくエレベーターの中でタオルを下げた嬉しそうなサラリーマンのお兄ちゃんに会って、「いいですね、楽しそうでー」と言いたくなるんだけど、そこをグッと堪える。

あと、一番我慢するのが、パーキングの前に立っている人とか、警備員さんとか。いつか、凄くカッコいいロイヤルブルーの長めの制服の駐車場の人がいて、「カッコいい制服ですねー」って言いたい、と言ったら、友達に、駄目駄目、と言われた。

なんでもいいから英語が喋りたくなって撮った、YouTube。

渋谷の109で。


帰りはまたバンクーバー乗り換えだったんだけど、飛行機から降りて、空港のエレベーターに乗って、ドアが閉まった瞬間、中の人達が、わーっと話を始めた。やっぱりみんな、ずっと我慢をしていたんだな、と思った。

彼等も日本ではエレベーターの中で話をしてはいけない、ということを学んだのだろうと思う。

スクランブル交差点を渡ってみた動画。


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