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『百年経っても読まれる小説の書き方』

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YouTube「百年経っても読まれる小説の書き方」のテキスト版です。YouTubeで放映できない本音もたくさん。
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記事一覧

『14、書かなきゃいけないことが書いてない。百年経っても読まれる小説の書き方』

長年、小説とは適当に書いて後は読者が勝手に想像するものだと思っていた。しかし、英語でまじで小説を書くようになって、面白いことを学んだ。 私には有難いことにアメリカ人の先生がいらして、私の書いた英語の小説を読んで、ナチュラルな英語に直してくれる。AIには絶対にできない「文学」のコラボレーションを実現している。信じられないくらい直される。 海外に住んでいると、日本語のKindle出版ができないから、英語の小説を幾つか集めて出版しようと企んでいる。 初めて渡した私が書いた英語

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『13、プロの「会話文」はここが違う。百年経っても読まれる小説の書き方』

「会話文」というのは、小説にしかできない特権だ。あらゆる分野の芸術を見ても「会話文」らしきものは無い。 それだけに、洗練した会話文を書くには長い努力が必要になる。私が誰かの作品を読む時、まず会話文を拾っていく。どのくらい書いてきた人なのか、会話文を読めば直ぐに分かる。 会話とはなんだろう? それはまず「音」である。小説に必要な五感の一つだ。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚……。会話とは「聴覚」のこと。 しかし、やってはいけないのは、ずらずら会話を長く続けること。会話文で小説

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『12、純文学を手っ取り早くでっち上げる方法。百年経っても読まれる小説の書き方』

「純文学を手っ取り早くでっち上げる方法」という、私のYouTube動画が、このところ、大体毎日誰かに観られている。需要があるのだろうと思って、これからそのことを書いてみる。 私のYouTubeチャンネル名は「百年経っても読まれる小説の書き方」だけども、百年前というと、おおよそ夏目漱石の『こころ』になる。1914年に朝日新聞で連載された。 純文学、というより、文学、は漱石が『こころ』に書いた、その通りの書式で書くもの。私はその通り書いてきたし、それ以外の書き方は私は絶対、許

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『11、推敲の極意。百年経っても読まれる小説の書き方』

小説を書き終わったけど、どうもしっくりすっきりしない箇所がある。思い切って変えてみよう。 私の最新作『十字架とカモノハシ』がどう推敲されたか、その全てお見せします。 場面1、書き直す前の文章。 場面1、推敲した結果。 ポイント:車内に人がたくさんいる、という情景を付け足す。「辺りを見回す」=主人公の視線が180度回る。小説世界の空間を広げる。 場面2、書き直す前の文章。 場面2、推敲した結果。 ポイント:情景に深さを出している。小説世界をしっかり構築する。180

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『10、その文章、おかしいよ。百年経っても読まれる小説の書き方』

読者が、おかしいな、と思う文を書くと、作品に説得力が無くなる。作者は一気に読者からの信頼を失う。 実際に誰かがここ数日に投稿していた文です。内容は変えてあります。 実際にこれを書いた人がいるんだから、この文章をおかしいと思わない人もいる筈だけど。私は何回も読んだけど、やっぱりおかしいと思う。 どう考えても、「毛布に包まる」のが先で、「壁に寄り掛かる」のが後でないと変だ。壁に寄り掛かってから毛布に包まれることはできない。 小説のこの先も読んだけど、第三者がいて、男を毛布

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『9、「説明」の多い作品。こうすれば小説らしくなる。百年経っても読まれる小説の書き方』

現代小説の危機 「説明」ばかりする小説、ネットに溢れているけど、その一番の問題は、本人が気付いていないことだと思う。 気付こう。 非常にありがちな「説明」だらけの小説を書いてみる。 ……延々と「説明」が続く。 「説明」を回避する簡単な方法はいくつもあって、例文付きで解説をするので、最後まで読んでください。 どうすれば「説明」化を防げるか? 視点と空間 一番単純なことを言うと、ずらずら「説明」をするのが好きな人は、「神視点=ナレーション=三人称」を止めてみる。「一

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『8、英語で小説を書こう! きっと誰かが読んでくれる。百年経っても読まれる小説の書き方』

まず言語を翻訳することが、いかに難しいか、ということを考えてみよう。 私がカナダに移住した年、同僚に「日本語でGood morningって何て言うの?」と聞かれ「お早うございますって言うんだよ」と答えると、彼に「じゃあ、どの部分がGoodでどの部分がMorningなの?」と聞かれた。 ほらね、言語ってやっぱり難しい。でも面白い。 『不思議の国のアリス』の冒頭。三人の翻訳者がどう書いたか比べてみよう。 翻訳で不自然な部分を太線にしてみた。 ChatGPTの翻訳はどうか

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『7、あらすじの書き方。百年経っても読まれる小説の書き方』

note創作大賞、ひたひたと締め切りが近付いて来てますよね。 今日は、みんなが苦手な「あらすじ」の書き方。noteの創作大賞がどの様なあらすじを求めているのか、募集要項に正解は書いてないですよね。 ちょっと応募者のあらすじを読んでみたけど、ちゃんと書ける人、いないですね。みんな知らないから書けないのか? 知っているのに書かないのか? これから私が書くものは、創作大賞だけではなく、文学賞一般のあらすじの書き方だと思ってください。 小説を書き終えて、あらすじがすらすら書け

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『5、百年経っても読まれる小説の書き方、説明はしない』

六年前に日本に行った時、ホテルの側に地下鉄の駅があった。ホームに立つと録音されたアナウンスメントが聞こえた。暫らくは気にならなかったけど、そのうち自分は日本語を理解できることを思い出して、聞いていると、なんでも、「改札はホーム中央のエスカレーターで二階に上がったところにあります」というようなことを、延々と一日中毎日繰り返している。聞いていると気が狂いそうになった。 日本に住んでいる友達に、あれはせめて五分に一回にしたらどうだろう、と聞くと、そういうことをすると、不親切だ、と

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『6、百年経っても読まれる小説の書き方、風景描写はしなくていい』

ある方がエッセイに、いつも風景描写をどうやってするか、悩むんですよね、と書いていた。 風景描写はしなくていい。なぜかみんなは小説を書くということが、イコール風景描写をすることだと思っている。 あなたが余計な風景描写をしているうちに、なにが起こるかと言えば、もっとあなたが本当に書かなくてはいけない、大事なことが書いてない。 今、仕上げている新しい小説があって、掌編4,000文字の中で、羽田空港→銀座→新宿→銀座という場所の移動があるけど、私は風景描写なんて一回もしていない

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『4、百年経っても読まれる小説の書き方』

保存版。トートロジーを75連発! で、ご紹介します。 一緒に勉強していきましょう。信じられないようなトートロジーもあるけど、これらは実際に最近投稿された小説の中で見付けたものです。かなり個性的なのもあって、面白いです。形は多少変えてあります。 これを読んだら、トートロジーのことは全て分かるようにしてあります。自分の書いている文章が怪しいな、と思ったら、これを再読してください。 トートロジーがあると、この人の小説はいいけれど、文章の書き方を知らないな、と思われる。完成まで

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『3、百年経っても読まれる小説の書き方』

書きたいことを書いていれば、テーマは自然に、あっちからやって来る。しかし、「書きたいことを書く」のはなぜか非常に難しい。みんな書きたいことを書けばいいのに、わざわざそれを書かない。 誰にだって書きたいことがある筈なのに、書きたいことを書いていないから、途中で書けなくなったり、テーマが見付からなかったりする。 YouTube「百年経っても読まれる小説の書き方」 長編小説を書き終えて、梗概を書いている段階で、ストーリーの不要な部分を全部削っていくと、突如そこに意外なテーマが

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『2、百年経っても読まれる小説の書き方』

私がみんなの小説を読む時、まずここを見る。 最初の四行を読んで、小説が進んでいなかったら、二ページ目の頭の四行を読んでみる。それでも小説が進んでいなかったら、その小説はもう読まない。 最初から最後まで立ち止まって、全く進まない小説を読んだことがある。博士論文を読んでいるみたいだった。全てが「解説」になっていて、されど、それが芸術的であるわけでもなかった。 「小説が進まない」の意味は、最後に私の未発表新作『パトカー』の一部を使ってお話しようと思います。 その次は、意外だ

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『1、百年経っても読まれる小説の書き方』

ソーシャルメディアのどこを捜しても、書いた小説を批評する、という機能が見当たらない。御互いに読み合うことはあるけれども、いいところを緩く褒め合うだけで、ここはおかしいよ、と指摘し合うことはない。 小説を書く人は、人の意見を聞くのを怖がる。小説というのは、自分の内面の一番繊細な部分を使って書くもので、「小説の書き方」という方便は基本的には存在しないから、みんなは自分自身の設計図に従って、小説世界を創造していく。 だから、書いた小説を批評されると非常に傷付く。小説を書くような

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