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自分のコーチング力に落ち込んだ過去

色々な方へのコーチングを経験すると、
-今後の方向性や何かの行動を決断してする方。
-とにかく話倒して頭の整理や新しい自分に気づく方、
-自分の弱さに向き合い、それを乗り越える勇気を持ち帰る方

人それぞれ大きなものを持ち帰る方々がいる一方で、
「今日のセッション、このクライアントは何も持ち帰りがなかったな…」と思う方も中にはいらっしゃいます。
コーチになりたての頃の私は、こんなセッションの後には、必ず「私のコーチング力が足りなかったのだな」と落ち込んだものでした。

意味のあるセッションに必要な条件

一方、セッションをする中で、自分はあまり大したことはしていないのに、クライアントが一人で勝手に(と、私には見える)自分と向き合い、気づきを得、新しい行動を宣言して帰られる方にお会いすることを経験するうちに、私はあるとても重要なことを理解するようになりました。
それは…


セッションが有意義なものになるための条件は、
「コーチのセッション力と同じくらい、
クライアントのクライアント力が必要となる」
ということ。

クライアント力とは…
「クライアント力」という言葉を私は良く使います。

これはどういう意味かと言うと、コーチングを受けるクライアントとして
・自分自身を俯瞰的に観察したり分析したりする力
・具体的な内容を抽象的概念や教訓に置き換えられる力(またはその逆)
・自ら成長しようと意欲的に取り組む力
・自分の考えや方法に固執せず、状況に応じて適応しようとする力
・他者からのフィードバックを素直に受け入れ、それを成長の機会ととらえる力
・質問されたことに対し、その意図を理解し、適切なポイントと適切な量で話すことができるコミュニケーション力
そして一番重要なのが、
・自分がこれから取り組もうとする課題に、勇気をもって向き合う覚悟ができている事

これが私が定義するクライアント力の条件です。
(もちろん全てが備わっている必要があるわけではありません、でもこれらの総合力があまりにも低いと、コーチングセッションで得られる成果も少ないと思っています)

コーチングはコーチとクライアントの共同作業

これらの力が備わっていないクライアントが現れた時、
どんな話も表面的な内容で終わってしまったり、
今までと違う視点で物事を考えてみることをあきらめてしまったり、
弱い自分を隠すのに必死で本心ではない言葉をならべてみたり、
…のようなことが起こります。

どんなにコーチのセッション力が高くても、クライアント力が極端に低い場合、セッションによる高い成果は望めません。
コーチングとは、コーチとクライアントのアンサンブルのような物だと、私は考えています。
もしかするとその逆もしかりで、クライアントのクライアント力があまりにも高い場合、コーチのセッション力が追い付かない場合もあるでしょう。


クライアント力を見極めるべき

コーチはクライアントとの契約を進める時に、このクライアント力をしっかりと見極める必要があります。もしも相手の方のクライアント力があまりにも低い場合、そのコーチングが上手く機能しないことがあります。それでもその方をサポートしたいと思うなら、クライアント本人のクライアント力を高めることから取り組む必要があるでしょう。

覚悟のない人のコーチングは受けない

ここからは私の個人的なスタンスの話ですが、私は基本的にクライアント力の低い方のコーチング依頼は受けない事にしています。
正しくは、体験セッションの後、継続セッションのご案内をしない、と言った方がよいでしょうか…。

特に、先ほど私が最も重要と書いた
「自分がこれから取り組もうとする課題に、勇気をもって向き合う覚悟ができている事」
これがない方は、セッションをしてもその後の成果が望めない、それはクライアントにとってもコーチにとっても不幸なことだと思います。
同様に、私はお互いの相性も大切にしています。私のキャラクターや私のコーチングスタンスに合っているかどうか、もしっかりと見極めたうえで継続セッションの契約を進める様に気を付けています。

「クライアントを選ぶ」という言い方は一見、殿様商売をしているように聞こえるかもしれませんが、クライアントがコーチングに使おうとしている自己投資と時間と言う尊いものを最高の形に昇華するためには、必要な考え方であると私は思います。



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