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【至高の名盤】私が選んだ中毒性の高い邦楽アルバム10選

つい先日、こんなnoteを読みました。

「1アーティスト1アルバム」とルールを決め、邦楽のアルバムを10枚紹介されています。

ランキング形式で書かれていて、「これは楽しそう」「私もやってみたい!」と思いながら読みました。


しかも、2位は私とまったく同じ!!!
さらに1位のアーティストも同じ!!!!!!


どういうわけか、書かざるを得ない状況に自分を追い込みました。


アルバムには思い出がたんまりありすぎて、いつか書きたいなあと思っていました。この「いつか書きたい」は私の悪いクセです。

いつか書きたい→なんやかんやで書かない→これもいつか書きたい→どういうわけか書かない→書きたい→書かない…(常習犯)


そんなわけで、書きたいことがグググググッと熟成されてしまいました。

そこで今回、アルバムの思い出や想いを特々々々々々盛で詰め込みつつ、私が選ぶ最高の邦楽アルバム10枚をご紹介します。


私も1アーティスト1アルバムで選びました。正直、書くよりも選ぶのに時間がかかっています…。厳選なる審査により、迷いに迷って順位をつけました。

思い出を深く刻むために、ぜひともCDで聴いてほしいです!

ですが…私はSpotifyのヘビーユーザーなので、Spotifyも貼っておきます。(最近、夫とDuoプランに加入。)


※愛が熟成されたゆえ、各アルバム1,000文字ほど書いてしまいました…。長めの休憩時間、移動中などの暇つぶしにでもぜひ。

「ランキングだけ知りたい!」とお急ぎの方は、目次をご覧ください〜。



10位 SOUL’d OUT『ALIVE』

知る人ぞ知る、SOUL’d OUT。

解散が発表されたときは「え…SOUL’d OUTも…?」と崩れ落ちました(私が好きなアーティスト、解散か活動休止が多すぎる)


SOUL’d OUTはデビュー曲「ウェカピポ」で中毒にかかり、Diggy-MO'の「ア アララララァ ア アァ!」で完全に依存症になりました。

「アララララァ(略)」にはアルコール的な、カフェイン的な、何かの成分が含まれてると思うんですよね…。SOUL’d OUTにハマるとほんと抜け出せない。

ダサいことで有名なCDジャケットも、いつの間にか慣れます。曲のカッコよさとジャケットが比例してないのは、きっと才能を隠すため…。
ハマると、あのダサいジャケットを求める自分がいます。抜け出せない。急にオシャレなジャケットになっても、困る。


SOUL’d OUTのアルバムの中で群を抜いて抜け出せないのが、『ALIVE』です。

14曲中、シングルは4曲。でも、シングルにしてもおかしくない曲だらけ!
後にシングルカットされた「Catwalk」をはじめ、「Pop n’Top」「SHUFFLE DAYZ」「FIRE RHYMER」がシングルになっても納得できます。


イチオシは「バナナスプリット」。7分4秒ありますが、もはやアトラクションです。USJでエンドレスで流してほしい。

ゲーセンのような、遊園地のような、音の洪水。明るくて華やかでポップで、音がめちゃんこ盛り盛りなのに、不思議とまとまって聴こえます。7分4秒は耳がUSJ。

歌詞は、英語ときどき日本語。それがまたクセになるんですよ…。

とにもかくにも『ALIVE』は名盤です。ア アララララァ ア アァ!


9位 FIRE BALL『999 MUSICAL EXPRESS』

FIRE BALLは4人組のレゲエグループ。アルバムに触れないわけにはいきません。

なぜなら、アルバムの1曲目が一貫して同じ曲だからです!!

タイトルは「INTRO」か「Intro」で、15秒ほどの同じ曲が必ず使われています。副題がついたこともありました。

アルバムの1曲目を必ず同じにしているアーティスト、未だにFIRE BALLしか知りません。(もし他にいらっしゃれば教えてほしいです…!)


アルバムの中盤では「INTERLUDE」「Skit」などで、ラジオやドラマのようなコーナーをはさむのも特徴。あれ、アルバムならではの遊びで大好物です。

FIRE BALLはほとんどのアルバムで2回コーナーを設けていて、聴く順番が大事。ランダムで聴くと、意味がわかりません…。
近年はスキップして曲を聴く人が多いかもしれませんが、順番どおりに聴く楽しさ、ぜひ味わってほしいです。


迷いに迷って『999 MUSICAL EXPRESS』を選びました。乗り物がテーマのアルバムです。

1曲目の「Intro」では999rulaz号の車掌役として、肝付兼太さんがナレーションされています。銀河鉄道999の車掌役の声優さんです(初代スネ夫の声優さん)
プロ中のプロの声。そりゃあもう、す〜〜ぐ世界観に引き込まれます。

最後に汽笛の音が聴こえ、曲間なしで2曲目の「999rulaz」が始まります。この曲でも汽笛が流れ、電車に乗ってる感がします!2曲は続いてるんです!好き!!


3曲目はシングルの「キットヒット〜踊るカルマン〜」。
MVは、後世に残したいで賞(by私)です。踊ってるカルマン、めっちゃ笑います。3分ほどなので、カップラーメンや何かのアップデートの待ち時間にでも。
口パクのシーンを楽しむためにも、歌詞を読んだ後推奨です。(MV10選も楽しそう…。)


「Stop Top Train〜もうここにゃ二度と戻らない〜」「のりこめ仲間達」など、やはり乗り物にちなんだ曲が多いです。
歌詞にも汽車・時刻表・船・面舵などなど、乗り物関連のワードがアクセル全開で登場します。

4曲目の「亜熱帯ゾーン」ではニトロエンジン搭載のカローラ・コアファイター・ジャイロコプターなども登場。10曲目で「戦車」を出すのは、さすがFIRE BALLだなーと思います。攻めの火をつねに絶やさない。


このアルバムでは「INTERLUDE」「Skit」がありません。その代わりなのか最後に「Outro」があって、再び肝付さんのナレーションが始まります。(Outroを入れるのは珍しい。)どんなストーリーなのかは、聴くまでのお楽しみ…。

4人のウルトラスーパーハイレベルなラップ、特にCHOZEN LEEのラップにひれ伏してほしい…。ジャパニーズレゲエのアルバムなら、FIRE BALLが圧倒的1位です。


8位 GO!GO!7188『パレード』

いろいろ書きたいんですが、とにかく、アルバムタイトルでもある「パレード」と最後の「ひとりたび」を聴いてほしい!!!この2曲を聴いて…お願い……。

もうアレです。歌詞が、歌詞が至高なんです!!!!!

cakesコンテストで受賞したら、連載のどこかでこの2曲について書きたかった…。でも受賞は夢と散ったので、ここで書いて成仏します。


GO!GO!7188の歌詞は約99%、ベースの浜田亜紀子さんが書いています。歌詞の守備範囲が広すぎて、控えめに言って作詞家ベスト3に入ると思う。

「こいのうた」は片思い最強ソング。片思いしてる人は紀元前からいるのに、ここまで片思いの胸のうちを完璧に作詞した曲はありません。(片思いしてた学生の頃、手帳に歌詞を書いたことを白状します…。)

一方、和風ロックの名曲「浮舟」では源氏物語をモチーフにした歌詞を書く天才。天才オブ天才。“来来来”の歌詞に、そう来たかーー!が鳴り止みませんでした。


「パレード」はGO!GO!7188の曲のなかで、ぶっちぎり1位で好きです。

憧れはどこだ
あの日夢見た自分はどこだ?
生まれたての虹の空に
見失う者達のパレードは続く
ー「パレード」

これはサビの歌詞です。

憧れを抱いていた、仕事や趣味や生活。私、ほぼ憧れたようになってないんです。特に仕事。氷河期世代で、憧れの仕事に就くなんて夢のまた夢でした。

そんな私に、“憧れはどこだ”はグッサグサと刺さりました。

単純に解釈すると、憧れ・あの日夢見た自分を見失ってるんです。そして、それを“見失う者達のパレードは続く”と書く天才。「パレード」のタイトルでこの内容を予想した人類、いないと思います。天才がすぎます。ほんとに。


さらにさらに、極めつけは最後の曲「ひとりたび」。最後の歌詞、つまりアルバム『パレード』の最後の歌詞がこれです。

あいまいな僕らの旅は続く
微熱を持ったままの 想い出を脱ぎ捨てて
憧れに着替えよう
ー「ひとりたび」

“憧れに着替えよう”…!憧れに!!着替えよう!!!!

「パレード」で“憧れはどこだ”と歌い、「ひとりたび」の締めで“憧れに着替えよう”と来ますか!鳥肌が立ちまくり、私はなにかしらの鳥類になりました…。

そう……“あいまいな僕らの旅は続く”んですよね。想い出(=過去)を脱ぎ捨てて、憧れ(=夢見た自分)に着替える。“着替えよう”がたまらないです…。探しに行こうでも、見つけようでもなく、“着替えよう”!天才ーーー!

しかもこの「ひとりたび」、メロディだけでも泣けます。名曲すぎます。私は数年前スタバで聴いて、感極まって本当に涙が出ました。


解散したのが惜しいバンドです。好きなバンドを失うパレード、やめてほしい…。


7位 Suchmos『THE KIDS』

CMに使われた「STAY TUNE」で、すーーぐ好きになった、Suchmos。


今回選んだ『THE KIDS』、もはや全部シングルです。全部がSTAY TUNE。

このアルバムってSuchmosの2枚目なんです。いやあもう、2枚目で完成度がエベレスト。

たまたま、「STAY TUNE」が良かったわけじゃない。スマッシュヒットじゃない。そもそもの能力がケタ外れに高かったんです。1曲目「A.G.I.T」でそう悟りました。恐ろしや…。

そんでもって2曲目に「STAY TUNE」がきて、「PINKVIBES」「TOBACCO」とオシャレナンバーが続きます。


かと思いきや、「SNOOZE」「DUMBO」とロック寄りの曲もやって来る。後半は再び、オシャレナンバーがそろってます。

ロックやジャズ、ファンクなどいろんなジャンルの音楽を混ぜながらも、絶妙にポップさが残っています。しかもオシャレ。…どういうこと???

最初から最後まで聴くと、ただならぬ才能に恐ろしさを感じます。全員20代。素人ながら、楽曲のレベルの高さ、演奏力の高さにビビります。


私が異常に好きなのは6曲目「DUMBO」。イントロの英語から、ただただかっけえ…。歌詞はだいぶ怒ってるし、メロディもアルバムで1番怒ってる気がします。

『THE KIDS』は音楽に詳しい人も、そうじゃない人も楽しめる、新世代万能型アルバム。


6位 東京事変『大発見』

椎名林檎か東京事変はどちらかを選ぼうと思い、脳内会議は深夜に及びました。


椎名林檎の1stアルバム『無罪モラトリアム』の1曲目「正しい街」を聞き、日本中の街で老若男女がシビれたと思います。おののくしかない。

東京事変というウルトラスーパーミラクルバンドを組んだ後も、才能が衰える気配がまるでない。デビュー時からずっと、その才能はどこから?の疑問が止まりません。疑問符で押しつぶれそう…。


椎名林檎は2枚目のアルバム『勝訴ストリップ』から、タイトルをシンメトリーにしたり、合計時間を55分55秒にしたりと、徹底的にこだわってアルバムを制作しています。


東京事変では、1stアルバムからチャンネルにちなんだタイトルがつけられています。(『教育』『大人(アダルト)』『娯楽(バラエティ)』『スポーツ』)

『大発見』は解散前最後のオリジナルフルアルバム。ディスカバリーチャンネル…そう来ますか……(おののく)

まず目を引くのはタイトル。全角7文字に統一されています。(副題は除く) 

タイトルのシンメトリー・統一の驚きは、やはりフルアルバムで際立ちます。シングルだと3〜4曲だから、同じことをやっても物足りない。フルアルバムだからこそ、タイトルを並べたときのインパクトが大きい。


今回これを書きながら気づきました。私がいいなと思うアルバムは、アルバムの1曲1曲がもはやシングルです。

この『大発見』も例外ではなく、どれもがシングルで無問題。いや。東京事変のベスト盤。月面着陸と同じぐらいのインパクトを、大発見を、まざまざと見せつけられています。


格別に好きなのは「恐るべき大人達」のイントロ、「風に肖って行け」のサビ。
(ちなみに、ライブDVD/Blu-rayは演奏も演出も別次元。)


「21世紀宇宙の子」の徹底した歌詞も好きです。

朝もや照らして心の自由を
本当の願いはいつも皆同じ
朝焼け溶かして淡い微睡み
小さな希望で胸を満たすよ
ー「21世紀宇宙の子」

「空が鳴っている」でも、こんなふうに歌詞の文字数をそろえています。

歌詞の文字数をそろえているのは、このアルバムが初めてではないです。しかし今振り返ると、歌詞の文字数を徹底してそろえる前触れに感じます。
(今年発売された新曲は徹底してそろえた上、歌詞を見た瞬間、才能の爆発で私は致命傷を負いました。圧巻。)


恐るべきアルバムです。恐るべきDVD/Blu-rayもおすすめ。


5位 マキシマム ザ ホルモン『予襲復讐』

邦楽のアルバムで、これは外せません。

サブスク未解禁、レンタル禁止。そうです。自分で買って聴くか、買った人から借りて聴くしかないんです!!!


夫がゴリゴリのホルモンファンで、DVDを見たり、曲を聴いたりするうちに私も腹ペコになりました。(※腹ペコ=ホルモンファンの総称)

アルバム『予襲復讐』は買わざるを得ませんでした。


優しいことにMVが数曲あるので、フルで1曲聴いてみたい方はこちらをぜひ。
(ぜひ…なんて軽く書いてますが、約55秒からドえらいこっちゃです)

1曲目がこれです。重低音、声、メロディ、演奏、歌詞。もういろいろ鷲掴みされました
青春時代の鬱憤、現在の叫び、怒り…そして覚悟。生々しい今を怒涛にぶち込んだ、圧巻の5分13秒。

私はどうしても歌詞が気になります…。「予襲復讐」は一言一句噛みしめるように読みました。

例えば、その量りの針が指した重さ100グラムと
一周回った1100グラムの針は同じ位置。同じ位置。同じ位置。
見た目で決めつける奴ら、
その重さもわからず たやすく軽く見下し、
ー「予襲復讐」

“見た目で決めつける”をこんな言葉で伝えるなんて、凄すぎて凄すぎます。分かりやすいし、斬新だし、かつ怒ってる。絶妙なセンスとメロディで、何回も聴いてしまう!そんで、やる気が全身にみなぎる!!牙が生えてくる!!!


こんな曲があと13曲入っています。(※カバー曲と最後のおまけを除いて13曲)
圧倒され続け、なにかを鷲掴みされたまま、1時間が終わります

ただし、下ネタに耐性がある人におすすめします。以下の全曲トレーラー動画を見て、無理かな…と思った人にはあんまり刺さらないです…。すみません(?)


ドラコンボールのフリーザを鬼素敵に歌った「F」、歌詞が病みつきでエンドレスリピートで聴きまくった「maximum the hormone」が特に好きです。

「鬱くしき人々のうた」のこの歌詞には何度も何度も救われました。

世界中の誰もが病んでるわけではねえけど
誰かは今日もうずくまってる
そして内緒で「明日がラスト」と這いつくばって抜け出そうと生きてる
いつだって癒しなんぞなくてもリングにあがりゴング鳴るの待ってろ
鬱くしき人々よ 「0.5生懸命」にて勝て!
ー「鬱くしき人々のうた」

きついなら無理しなくていいんです。ほんとに。「0.5生懸命」でいつもそう思います。そして「0.5生懸命」って言葉の発明よ…。

さらに、ここ。

ロックソング目で聴け
ー「鬱くしき人々のうた」

“目で聴け”!!!!!!この曲を聴くためにアルバムを買った、といっても過言じゃないです。そう!!歌詞は見て・読んでほしい!!!


いったん聴いたら、沼から出られないアルバムです。あと、私がカフェで作業するときに聴いてるアルバムNo.1でもあります。


4位 BONNIE PINK『ONE』

私が買ったアルバムは、BONNIE PINKが最多です。

確か、初めて買ったアルバムはBONNIE PINKのベスト盤『Bonnie's Kitchen #1』だったと思います。(CDの一部が実家にあるため、定かではない。)

オリジナルアルバムは12枚。カバーやリメイクなどの企画アルバムも聴きました。


BONNIE PINKの『ONE』はこのnoteでも語っています。

『Thinking Out Loud』も『Dear Diary』も紹介したい…でも…でも、やーーっぱり未だに『ONE』が最高なことには変わりないので、今回も語ります。

なんといっても、バラエティに富んだ歌詞とメロディが魅力


まず歌詞。BONNIE PINKの歌詞は、どこか引っかかります。

たとえば「妄想LOVER」。

口下手な君の心の奥のぞいて
微かなシグナルで 踏むよアクセル 真っ直ぐドアベル
ー「妄想LOVER」

最後を「ル」でそろえて、韻を踏んでいます。韻はBONNIE PINKの代名詞。聴いていて心地いいし、それで韻踏む???と驚かされるのも最高です。

前回も書いたこの2つは、歴史的快挙。

よそ見は“You’re so mean”
ー「Rock You Till the Dawn」
私はつぐみ Do me a favor
ー「PLAY&PAUSE」

日本語と英語で韻踏みます???????しかも、ちゃんと意味が通っています。しかも「PLAY&PAUSE」はラップを歌ってます。多才がすぎる…。


そしてメロディ。

BONNIE PINKのメロディは彼女しか作れないし、彼女しか歌えない。低い声から高い声まで自在に操り、優しいのに力強さもあって、芯がある。

壮大なバラードの7曲目「One Last Time」の次には、まさにRockな「Rock You Till the Dawn」。
“蜂がブンブン”飛んでるかのような軽やかな11曲目「秘密」の次に、音数少なめだけど跳ねてしっとりとした「Try Me Out」。

ロックにラップ、ダンスチューン、バラードもポップスもあって、メロディの広さが圧巻


BONNIE PINKは、才能の見せ方が上手すぎます。歌詞もメロディもズバ抜けているのに、どこかサラッと見せる

バラエティに富んでいるからか、15曲全部聴いた??と確認したくなるほど、サラッと聴けるアルバム。濃厚なのに、気がつけば60分経っています。


3位 RIP SLYME『GOLDEN TIME』

RIP SLYMEはこれまでオリジナルアルバムを10枚発表しています。

アルバムのテーマがわりと明確で、アルバムタイトルの曲をわりと作っているのも特徴。アルバムのテーマにそった曲も多い。『JOURNEY』は旅を思わせる曲が多いし、『FUNFAIR』はアルバムがまさに遊園地。

アルバムの雰囲気が毎回違って、毎回もれなくハイクオリティ。RIP SLYMEは、いっっっっっっっちばん悩みました。


悩んだ末に決めたのは『GOLDEN TIME』。9枚目のアルバムです。初回限定盤はジャケットがGOLDで、ケースはカラーバー。毎度テンションを上げてくるぜ…。


RIP SLYMEのアルバムは、1曲目がほぼインストです。(10枚中5枚は「Introduction」「Intro」のように“Intro”が付く曲)
いいですよね…インストで始まるアルバム。THEアルバムという感じで大好きです。

しかし『GOLDEN TIME』は1曲目のタイトルが「GOLDEN TIME」で、4人ともしっかり歌っています。1曲目から歌っとる!!!
RIPのアルバム史上初の事態に興奮したのを、はっきりと覚えています。
(※10枚目も、4人ともしっかり歌っています。)

「GOLDEN TIME」はテレビ番組にちなんだ歌詞が満載。あ!これはあの番組!と1曲目でテンションを急上昇させられるのが、またニクイ。

大どんでん返し
倍返しだ
さらに倍でドン
僕はネバーダイ
パパがぶてないくらいにニュータイプ
ー「GOLDEN TIME」


2曲目「FAKE」から5曲目「ジャングルフィーバー」までは、ノンストップで明るい曲が続きます。まさにゴールデンタイム。

うってかわって、6〜8曲目は女性ボーカルとのデュエット。恋愛ドラマのような、しっとりとした3曲が続きます。


9曲目「恋のシンキングタイム」と10曲目「断捨離ズム」は、深夜のお笑い番組のようなテンション。明るくて面白くて無邪気で楽しい。

11曲目「RUN with...」は東京マラソン2013のテーマソング。ゴールデンタイムに放送するスポーツ番組を思わせます。

ゆったりとした、12曲目「ロングバケーション」。あのドラマを思わせる歌詞はないけれど、アルバムに入れるとしっくりくるタイトル。これは計算…?


ラストは「Butterfly Effect」。RIPのアルバムのラスト曲は、名曲しかない。聴くと絶対に終わりを感じさせます。名曲なんだけど、シングルで出すのは違う…アルバムのラストしか似合わないと思います。


RIP SLYMEのアルバムは始まりから終わりまでの流れが分かりやすいので、ぜひ聴いてほしいです!他の9枚もぜひ。正直、『 MASTERPIECE』と迷いました。


2位 スーパーカー『HIGHVISION』

スーパーカーは、私の青春をさらっていったバンドです。

出会いはシングルの「DRIVE」。当時私は中学3年生。MVでミキちゃんが買い物カートに入っていて、え…かわいい…曲も好き…がきっかけでした。アコギがメインの曲は、今思えばかなり異質。

ところがどっこい。異質の本領発揮はこの後でした。

「DRIVE」の次のシングル「Sunday Peple」は、宇宙で流れるようなピコピコ音。歌詞にはそれこそ“宇宙”が出てきます。5ヶ月前のアコギはどこへ??


「DRIVE」が収録された1枚目のアルバム『スリーアウトチェンジ』は、王道のバンドサウンド。ギター・ベース・ドラムで構成された、バンドオブバンド。

2枚目『JUMP UP』はところどころ、ノイズが入っています。ギターもベースもドラムも健在だけど、普通のバンドじゃない感。異質。

3枚目『Futurama』は、え?これ別のバンドじゃない???と混乱するほど違います。「WHITE SURF style 5.」に代表されるように、電子音が多用されています。異質が増しています。


そして4枚目『HIGHVISION』。異質を極め、新たな定番へと昇華しました。
スーパーカーのアルバムとして完璧すぎる仕上がり

1曲目「STARLINE」の1音目でグハーーーッと心をつかまれます。ドラムが入り、だんだん楽器が増え、静かに盛り上がり、ナカコーの声が沁みます。


私が1番好きなのは、3曲目の「STORYWRITER」。シングルにしていいぐらいの名曲…と長年思ってたら、アニメの挿入歌に使われました。名曲は色褪せない。

ラストの「SILENT YARITORI」も好きです。ナカコーとミキちゃんの、世界最高峰デュエット。ジュンジ(いしわたり淳治)の歌詞も冴えまくっています。

ただそこにあるように
ただここにいるのに
やさしい雨のように
やさしい嘘のように
ー「SILENT YARITORI」

この頃から最後のアルバム『ANSWER』で書かれた歌詞は、邦楽の歴史に名を刻んでいいと思います。言葉がどんどん少なくなり、歌詞1行の曲もあります。


『HIGHVISION』は全部で10曲、約48分。コンパクトにまとまっているけど、1曲1曲に才能が凝縮されています。

いろんな音が散りばめられているので、イヤホンかヘッドホンを推奨します。夜に聴くのがおすすめ。だんだん夜に向かう感じがします。

1stアルバムから全部聴くと、音の変わりように驚くはず。オリジナルアルバムだけなら5枚なので、ぜひ。あーーーーー解散してほしくなかった…。泣く。


1位 くるり『THE PIER』

2位と1位のアルバムは、つねに順位不動です。どっちも1位にしたいぐらい…。
最近聴いている、くるりを1位にしました。

くるりもアルバムの色がバラバラで、どれも違ってどれもいいです。


しかーーし、くるりは『THE PIER』一択!!!!!

まず1〜3曲目。この3曲はセットです。3部作です。シングルカットはあり得ない。これだからアルバムが好きだー!と叫びたくなります。いや…叫びました。

1曲目「2034」が終わり、すぐに「日本海」。「日本海」からの「浜辺にて」。曲間に空白がないし、やっぱり3部作です(確信)


次にシングルが立て続けに2曲。「ロックンロール・ハネムーン」「Liberty&Gravity」。この並びは衝撃です。


「Liberty&Gravity」は発表当初、“変な新曲”とあちこちで話題になりました。聴くと確かに変。変な歌詞、変なかけ声、変なメロディ。MVも変です。

作詞・作曲は岸田さん(ギター・ボーカル)。この奇想天外ぶり!!変な曲は中毒性の高さが異常です。こうして、くるりにハマるのです…。


かと思いきや、アルバムでは「loveless」「Remember me」「最後のメリークリスマス」のシングルも押し寄せます。愛、家族愛、ラプソディ。

速くてメタル感のある「しゃぼんがぼんぼん」、異国情緒あふれる「遥かなるリスボン」に「Brose&Butter」。音にグルングルン振り回されます。


このアルバムでは佐藤さん(ベース)が唯一作詞・作曲された「Amamoyo」 。カラッと明るくて、おちゃらけた感じが魅力です。

ファンファン(トランペット)作曲の「メェメェ」は癒し。かわいい。これを入れたくるり、愛すしかない。


ラストを締めくくる、「There is(always light)」。

切ないギターが鳴り響くイントロ。別れの曲だと秒で察します。

GO!GO!7188の「ひとりたび」にもなんとなく似ています。RIP SLYMEのアルバムの最後の曲も同様。私はこういう曲に弱い!知識がなくどんなコードかは分かりませんが、私が弱いコードが含まれているんだと思います。

さらに、この歌詞。

海鳴りのする方
ー「There is(always light)」

海といえば、2曲目の「日本海」!あの3部作を思わせる演出…


(実は以前、“『THE PIER』は私が聴いたアルバム史上、1番か2番に好き”と公言しました。今回はその解説記事でもあります。)


地球上の音楽と、くるりを一緒に煮詰めたアルバム。音楽の守備範囲が広すぎます。人生の53分だけ、このアルバムに耳を委ねてほしい。



アルバムを聴く喜び

このnoteを書くにあたり、1〜10位までのアルバムはもちろん、他のアルバムも聴きまくりました。

紹介しなかった名盤が、まーーーーーだまだあります!

私はオリジナルのプレイリストでも、ランダムでも曲を聴くので、必ずしもアルバムどおりの曲順では聴きません。

でも、やっぱり1曲目は最初が似合うし、ラストの曲を5曲目にしてもピンときません。

今回、 アルバムを曲順どおりに聴く喜びを再確認しました。


そして、
ジャケットを眺める喜び。
ケースを開ける喜び。
紙の歌詞カードに触れる喜び。


Spotifyなどのサブスクはとても便利だし、なんなら私はヘビーユーザー。
でも、今回感じた喜びはSpotifyでは味わえません。

じっくり音や歌詞に浸るのは、CDが断然上です。特に歌詞カードはフォント、イラスト、最後のSpecial thanksなど、サブスクにはないものが盛り盛りです。


この喜びも伝えたいと思い、今回1万文字超えのnoteを書きました。約11,300文字!最後まで読んでくださった皆様、心よりありがとうございます!!!


紹介したアルバムを、ぜひぜひ聴いてほしいです。だけど、1曲だけでもいいので、これまで知らなかった曲に出会えたのなら幸いです。音と健康に重点を〜。




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