名もなきビスケットと無印良品の思い出
私がまだ小学生だった頃、母とよく夕方買い物に行っていた。そこの道すがらビルがあるのだが、その一階に無印良品が入っていた。今でこそ無印良品と聞けばピンとくる人ばかりだろうが、私が子供の頃はあまり認知されてなかったんじゃなかろうか。
私はそこでビスケットをよく買ってもらったのだが、私も母も『無印良品』の持つブランド力など全く無知だった為、
『買い物の帰りにさ、¨名もなきビスケット¨買ってよ~』
『あ~、¨名もなきビスケット¨ね。わかった。』
と半ば小馬鹿にしたようなあだ名を付けていた。
そして時は過ぎ、段々と無印良品のお店が増えてきた。そしてあっという間に無印良品は認知度が上がり、すっかり『持ってると何となくおしゃれな人』みたいなイメージになった。
『無印良品の鏡使いやすいよ~』
『無印良品のバナナバウム美味しいよ~』
等と『無印良品』という枕詞を使うとなぜかおしゃれに思えてしまうという現象が起こった。
ここまで書いてきていうのも何だが、私は決して『無印良品』を馬鹿にしているわけではない。むしろ『名もなきビスケット』の時代からファンである。『MUJI』ファン歴では相当な年数だ。
まぁ、なんていうか『名もなきビスケット』から『無印良品』としてのブランド力の上がり方に少し驚いたのだ。
例えて言うなら法事で会ったきりの遠い親戚の赤ちゃんが、次に会った時に立派なラガーマンになってたくらいの驚きだ。もう『名もなきビスケット』の片鱗もない。
もちろん今現在でも私はかなりの『MUJI』ファン、『MUJIラー』である。『無印良品』のものは家具から文具まで幅広く持っている。
『無印良品』の名前を目にする度に『あの¨名もなきビスケット¨から大きくなったなぁ』と親戚のおばちゃんのような気持ちで目を細めている。
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