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アマビエが消えた日

我が家の玄関には、羊毛フェルトで作られたアマビエが置かれていた。
コロナが流行り始めた頃、疫病退散の思いを込めて義母が「玄関に飾ってね」と作ってくれた物。
大きさ的には幼児の拳大くらい。私の大きな手のひらには、チュンと乗るくらいの大きさだ。

アマビエは、1846年5月に現在の熊本県にあたる肥後国海上に出現したとされる日本の疫病封じの妖怪。海中から光を輝かせるなどの現象を起こし、豊作や疫病などに関する予言をしたと伝えられる。 同種と考えられる存在にアマビコやアリエなどがある。

Wikipedia




コロナで家族全滅したけど、玄関でずっと見守っていてくれたアマビエ。
キラキラのキャンドルホルダーの中で見守っていてくれたアマビエ。


コロナの波も落ち着き、もう役目を果たしたという事なのだろうか。
小さな体だが、その存在感は大きかった。
まだずっと、見守っていて欲しかった。


12/4、我が家の玄関から姿を消したのだった。

怪談話ではなく、この自分の目で、アマビエが消える瞬間を見届けた。



オレ、食っちまった 飲み込んでまった





異物誤飲の対応には慣れたものだ。
誤飲30分以内には病院に着き、催吐剤でポコンと吐き出される。
無事に、マティンロウの中からアマビエは救出された
しかし、犬によっては吐いた瞬間出た物を再び食べてしまう場合があると言われ、アマビエが救出された瞬間、医師により瞬時に処分されたのだった。


そして、アマビエを食す直前に与えたりんごもそのまま出てきて、大きすぎると怒られ、挙げ句の果てに、野菜もあげたらいかんと言われた。
ここで、大好きな焼き芋ももうあげられなくなると悟った。
でも、私はここの獣医師の言う事には全て従うと決めているため、犬用の食べ物以外余計な物はもうあげない。


実はマティンロウにとって焼き芋は苦痛で、体を張ってアマビエを飲み込み、獣医師の忠告を受けさせようと導いてくれたのかもしれない。
マティンロウが、出来の悪い飼い主を躾けてくれているのかもしれない。


数々の失敗を積み重ねてばかりだが、スーパー飼い主になれる日も、そう遠くはないかもしれない。




玄関にはキャンドルホルダーだけが残り、小さなアマビエの大きな存在を初めて感じたのだった。





noteでの出会いに感謝します
                 ☺︎マティ☺︎

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