食を通してみえる作家の人となり 『作家の口福 おかわり』 #250
おいしいものを発見できるアンテナがあるといいな。あんなゆめ、こんなゆめいっぱいあるのでドラえもんのポケットが欲しい。
原田マハさんの『やっぱり食べに行こう』を読んで、おいしいものをおいしそうに楽しそうに書けたらいいなと思ったわけですが、20人の作家による「食」のアンソロジーでも魅了されました。ようするにただの食いしん坊。
『作家の口福』シリーズは、朝日新聞に連載されたエッセイの文庫化です。思い出の食べ物、お気に入りのお店などを紹介している執筆陣が豪華すぎて、どこから読めばいいのか分からないくらい。
<第1巻>
恩田陸・絲山秋子・古川日出男・村山由佳・井上荒野・山本文緒・藤野千夜・川上未映子・森絵都・津村記久子・三浦しをん・江國香織・朱川湊人・磯崎憲一郎・角田光代・道尾秀介・池井戸潤・中村文則・内田春菊・中島京子
<第2巻>
朝井リョウ・上橋菜穂子・冲方丁・川上弘美・北村薫・桐野夏生・辻村深月・中村航・葉室麟・平野啓一郎・平松洋子・穂村弘・堀江敏幸・万城目学・湊かなえ・本谷有希子・森見登美彦・柚木麻子・吉本ばなな・和田竜
意外だったのが、ファミレスが好きな作家さんが多いこと。朝井リョウさんはファミレスのモーニングが好きなんだそうで、週末に早起きしてモーニングを食べに行くそうです。ロイヤルホストにビュッフェの朝ごはんがあるなんて、知らなかった!
「あるある」なのが、アニメや小説に登場する食べ物です。「ハイジ」のとろけるチーズとパン、「母を訪ねて三千里」の焼きりんごなどなど、記憶に焼き付いているものってありますよね。
わたしは小学生のころに『赤毛のアン』を読んで、ものすごーーーく疑問に思ったことがありました。
この人たちはお菓子ばっかり食べて、ご飯を食べてないんちゃうん!?
ええ、そうです。わたしにとってご飯といえば、「白米」でした。お味噌汁とおかず3品と一緒に食べるのが「食事」でしょ? なんとかパイとか、なんとかスフレとか、アンは育ち盛りのはずなのに、お菓子ばっかり食べててずるい!!!
知らないってこういうことなんですね。カナダに行った時、レストランのメニューには「パイ」の名前で山のようなリストがあって、驚きました。フランス語圏だったので、メニューがフランス語で書かれていて解読不能で困りました。
「魔女の宅急便」でも、キキがニシンのパイを配達していましたよね。これにはちょっとギョッとしましたが。
人生いろいろ。パイもいろいろ。食を通して作家の人となりがみえるのが楽しいです。
夏目漱石のカステラ、古川緑波の美食など、作家自身が影響を受けた食の思い出話もありますが、やっぱり気になるのは現実にあるお店のこと。
いまも書きながら「ジュルリ」ときちゃうのは、和田竜さんの「とんかつ屋さん」の話でした。埼玉にある老夫婦が切り盛りしているお店で、夜の8時には行かないといけないらしいです。理由は本書で確認していただくとして。マンガの『ザ・シェフ』で仕入れた和田さんこだわりの食べ方があります。
とんかつはレモンと塩で半分、ソースで残りを食べるのがもっともうまい。
今日のランチはとんかつにしよう。
☆☆☆☆☆
2019年7月14日に始めた「#1000日チャレンジ」も、250本になりました。
「#1000日チャレンジ」とは、さとなおさんこと、佐藤尚之さんのアニサキス・アレルギーとの闘いを楽しい活動にしようという取り組みのこと。わたしが挑戦しているのはこれです。
キツイこと:書評と映画評を1000本書く
できそうなこと:毎日一万歩歩く
チャレンジの成就を願う気持ちと、1000本書けば筆力もちょっとは上がるかもという願いをこめてスタートしました。何日続けられるかなーと内心思っていましたが、なんとか4分の1まで来た!
筆力が上がった気はまったくしないけれど、体力はついた気がします。記事がだんだん長くなっているのを改善したい。笑
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました! 明日も明後日も、たぶん更新しています。またのぞきに来てください。
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