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いつか“わたしの味”にしたい幸せのレシピ 『冷蔵庫にあるもんで』 #593

初めてひとり暮らしをしたのは京都でした。

家出に近い状態で出てきたものの、ひとりで暮らしてみて一番感じたのは、「母」という存在のありがたみでした。

掃除も、洗濯も、依頼しなくてもできているなんて。なにより、食事の支度が大変でした。買い物に行って、メニューを決めて、洗って、切って、煮込んで、焼いて、また洗って。家族5人分をひとりで担ってくれていたんだなと、ようやく気づいたのです。やっと母に感謝できるようになりました。

ある時、とても食べたいスープがあって、母に電話してつくり方を聞いたことがあります。

「鍋にジャーって水をはって、材料入れて煮込んで、お醤油とみりんをジャーって入れて」

(なんの説明にもなっとらんがな!!!)という言葉を飲み込んで、「ジャーってどれくらい?」と聞いてみると。

「うーん。1周くらい……?」

(無理!!!)と思ったけど、何度も何度もつくるうち、「わたしの味」ができていきました。決して「料理上手」ではないので、この頃は料理本を買ってきて、彼氏に肉じゃがやハンバーグを振る舞ったりなんかもして。

そして気がついたのは、鍋のサイズやコンロの火力など、環境の違いも料理には大きく影響するのだということでした。

だからわたしの場合、引っ越すたびに、新しい鍋をおろすたびに、料理の環境と仲良くなるのに時間がかかります。

レシピ通りにつくっても、思い通りにいかないことが多い。それでも何度も何度もつくるうち、お鍋もコンロも手順もわたしに馴染んでいって、誰かから教わったレシピが「わたしの味」になっていく。「家庭料理」って、そうやってできていくのかもしれないなと思います。

noteで毎日レシピを紹介されている「REIZOKO NI ALMONDE」の料理にも、何度もお世話になりました。書籍として発売されています。

メインとなるおかずはもちろん、「ポリポリ大根」といった副菜や「チヂミのたれ」をはじめとするソース類、「肉そば」などの麺類、「ルーローしょうが焼き飯」などのアジアンフードなどなど、91種類が紹介されています。

「REIZOKO NI ALMONDE」の得意料理(?)といえば、「厚揚げ」です。「パクチー油淋厚」とか大好きで、何度もつくりました。
(30分くらい写真とツイートを探してるんだけど、見つからない……。仕方がないから、おいしかった牛丼の写真を……。本には載ってないレシピです……)

どんだけブチャイクにできていても、ていねいにコメントしていただけるのもうれしいポイント。山田さんと小池さんのお人柄を感じます。ホント、お優しいんです。

最初はレシピ通りにつくって、次はちょっとアレンジしたりもします。こちらの「春菊のサンドイッチ」は、2回目につくった時、半熟卵をはさんだらさらにおいしさアップ!でした。

勝手にアレンジしちゃってすみません……。でも、これから何度も何度もつくって、少しずつ身体に馴染ませて。いつか「わたしの味」になってくれたらなと思う。おいしいって幸せだから。

その日が来るまで、きっと何度もお世話になる本。ペタンと開いてくれるので、料理をしながら見るのにも便利ですよ。

さぁ、今日も「冷蔵庫にあるもんで」なにをつくろうかな。

「REIZOKO NI ALMONDE」のページはこちらです。サイトから購入すると、おまけのレシピが付いてくるので、全部で100になります!



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