マガジンのカバー画像

1000日チャレンジ:書評

271
1000日チャレンジで書いている「本」のコラムです。 ビジネスパーソンにおすすめの小説、ノンフィクション、語学の本多め。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

中年にも、もう慣れたとはいえモヤる日々のこと 『こんなの、はじめて?』 #415

女性には、名字で呼ばれる女と名前で呼ばれる女の二種類がいる。 エッセイストの酒井順子さん…

mame
4年前
5

中年男の再スタートは痛みと共に 『あの日にドライブ』 #414

「もうあんたには愛想が尽きた」 うちのダンナは、先週で36年の会社員生活を終えました。定年…

mame
4年前
5

生と死の象徴が示す世界のリアル 『火の鳥』 #399

永遠の時を生きる伝説上の鳥「フェニックス」は、古代エジプト神話に登場する鳥ベンヌが原型だ…

mame
4年前
9

群れから追放された異端のかもめによる勇気と愛の物語 『かもめのジョナサン』 #398

すんごく有名なのに、実はよく知らないというもの、ありませんか? わたしの場合、これまで10…

mame
4年前
5

揺れる思いに寄り添うメッセージの本 『青い鳥の本』 #397

「掘り下げ型より、積み上げ型の勉強の方が向いてた」 哲学を専攻していた大学時代。ひとりの…

mame
4年前
4

受け身な恋の行方のような 『文鳥・夢十夜』 #396

「猫好き」のイメージのある夏目漱石ですが、そう思われることに嫌気が差して「猫は好きじゃな…

mame
4年前
2

訳ありコンビが熱望するセカンドチャンス 『いつか陽のあたる場所で』 #395

鳥を飼っている人には「平和主義」な人が多いのだそうです。一方で、「自由を求めて束縛を嫌う」性質もあるのだとか。風に乗って空を自由に飛ぶ姿に、自分を重ねてしまうのかもしれません。 会社の近くに、青い大きなオウムのいるお店がありました。何屋さんなのかよく分からないお店の、ショーウィンドウの前、通りからもよく見えるところに大きな鉢植えが置かれていて、オウムはだいたいその枝に止まって外をながめていました。 通りすがりのガラス越しによく見ていたので、何度も目が合ったんですよね。ある

生きる力を結ぶ小鳥の物語 『リボン』 #393

子どもの頃、文鳥を飼っていました。わたしが1歳くらいの時の写真に写っているので、たぶんす…

mame
4年前
6

SFのせつなさと、あざとさと、どんでん返しを堪能 『ZOO 1』 #392

「SFって、物語をつくる上での決まりを考えなくてもいいというか、あざとくて当たり前というか…

mame
4年前
10

“既存の要素”を組み合わせればこうなる!短編集 『主な登場人物』 #391

この記事は、個人ブログに移しました。ご了承ください。よかったら、こちらのリンクからご覧く…

mame
4年前
5

マッドな博士がつくり出す珍妙な世界 『博士の異常な発明』 #390

SFといえば「猫」に続いて、「マッドな博士」を挙げてみたいと思います。 「マッドな博士」は…

mame
4年前
4

なんでそうなる!?の連続に引き込まれていく非現実の世界 『猫たちの色メガネ』 #389

SF小説に登場する動物といえば、「猫」だなと思います。なにを考えているのか分からないところ…

mame
4年前
18

SF世界の手引き書 『未来世界から来た男』 #388

星新一とくれば、やっぱりこの人もということで、今日はフレドリック・ブラウンの短編をご紹介…

mame
4年前
6

科学者作家の先進性が生む新鮮なアイデア 『ボッコちゃん』 #387

日本における「ショートショートの神様」と呼ばれたのが星新一です。化学の修士号を持ったSF作家であり、1000編を超える小説を残しました。 わたしが星新一の名前を知ったのは、たしか小学生の頃でした。新井素子さんの本のあとがきに「科学者作家の星さんに比して、あたしは科学なんて分かんないもーん」という流れでお名前が出てきたと記憶しています。 第1回奇想天外SF新人賞に応募した新井素子さんの『あたしの中の……』を強力にプッシュしたのが星さん。新井さんのデビューのきっかけを作った人