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揺れる思いに寄り添うメッセージの本 『青い鳥の本』 #397

「掘り下げ型より、積み上げ型の勉強の方が向いてた」

哲学を専攻していた大学時代。ひとりの友人がこう言って、法学部に転科していきました。確かに難しい。自分がどこまで理解できたのか、何が分かったのか、どんな知識が身に付いたのか、さっぱり分からない学問だからです。

ひたすら本を読んで、自分の中を掘り下げていく哲学に飽き飽きしたと、友人は語っていました。

その時思い出したのが、幸福の象徴といわれる「青い鳥」のことです。モーリス・メーテルリンクの童話が有名ですよね。チルチルとミチルの兄妹がさんざん探し回るのですが、結局は家の中にある鳥かごの中で発見するというお話です。

メーテルリンクは神秘主義の詩人としても知られていたそうで、本の中に登場する事物や自然現象は「命をもつもの」であるかのように描かれています。

パワーを求めだすと「外」に目が向き、形あるものを探してしまいますが、実は自分の中にあるのかもしれない。哲学はまさにそんな学問なんですよね。

日々生活していれば、迷う気持ちも生まれるし、絶望するほどの思いにも遭遇します。そんな時には、ビブリオマンシー(書物占い)の本を開くことにしています。無作為に開いたページの、単語や節を選んで読み解く占いです。聖書や詩集がよく使われるそうですが、わたしは石井ゆかりさんの『青い鳥の本』を手に取ることが多いです。

星占いで人気の石井ゆかりさん。このnoteにも、筋トレ週報のnoteがあります。

星占いのサイトの名前が「筋トレ」!?ってなりますよね。これは最初にサイトを立ち上げた際、星占いはコンテンツのひとつでしかなかったことが原因だそうです。ご自分の「人間力のトレーニング」と「文章のトレーニング」になればいいなと思ったが故の名付けなんですね。

星に関する書籍もたくさんありますし、星を読むダイアリーアプリも。

夢占いの本『夢を読む』もおすすめ。

石井さんのメッセージはとても抽象的で、詩的です。時には四字熟語で届いたり、色で届いたり。そのため「いいのか悪いのか、はっきり分からんw」という日もあります。

こういう文体だからこそ、ビブリオマンシーにはぴったりなんだろうなと思います。あ、本はもちろん、普通に読み物として楽しむこともできますよ。

先日、朝からのmtgで新人の態度に気になることがありました。(他の人と次元の違う発表をしてるんだけど、気づいているのかい……)と思いながら見ていたのですが、あまりにも堂々としていて。

新人コンサルが「心せよ」と教わることのひとつに「犬と猫と秋田犬の話を一緒にするな」があるそうです。この新人はまさにひとりで「秋田犬」の話をして悦に入っていたので、やはり注意するしかあるまいとメモをしていました。

でも、ヒトを叱るのって面倒だし、体力いるし、気持ちも疲れるんですよね。

グズグズしているうちに、うっかりメモを消してしまったのです。これは「いまは止めとけ」ってことかなーと勝手に解釈してホッとしていたのでした。

その日の夜。

noteに書くために『青い鳥の本』を読み直そうとして、最初に開いたページがこちらです。

青い鳥2

(画像はAmazonより)

ああ、なんとドンピシャなものがきた。わたしの「説教」は感動の涙を流すほどのものではないので、やっぱり止めておいてよかったと思ったのでした。

どんなメッセージを受け取っても、結局、決めるのは自分です。それでも、揺れる思いに寄り添ってくれる「青い鳥」がいたら、ちょっと心強い。

「占いって……」という方にもおすすめの一冊です。

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