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遠い昔の合格記(0-1 前章、体罰全否定)

私の高校時代(数十年前)の話です。
とにかく勉強はしたと思っています。
そして、男子25人中22人が浪人したという記録を叩き出したクラス内において、現役大学合格者3人の中にすべり込む事が出来ました。

現役での合格は、保護者の方の経済的負担を減らします。
皆さんの参考になればと思い、自分の体験を記します。

まずは、「勉強しよう」と思う契機になったかもしれない、中学3年時の話です。

体罰教員

5月ごろ、親に勧められ、近くにある学習塾へ初めて通うことにしました。そこはまだオープンして日が浅いところだったと記憶しています。

最初のうちは塾の中にも私にも緊張感がなく、定期的に行ってはちょっと勉強に頑張る程度でした。しかし、夏を過ぎ、秋を過ぎても一向にわれわれの学力が上がらなかったのにイライラしたのか、塾長は、問題が解けないとわれわれの頭を引っぱたき始めました。たぶんほかの教室と比べてもひどい結果だったのでしょう。それがきっとその人の査定にも関わるのでしょう。

私は「なんだこいつ」と思っていました。

シュプレヒコール

年が明けてすぐ、とあるイベントに3年生が行くことになりました。他の町の教室と合同で、とある市民ホールを借り切って決起集会らしきものをやる、というのです。

塾長は、「行ったらびっくりするぞ」と言いました。

行ってみると、同じ中3がホールにビッシリ埋まっていました。最初のうちは激励会っぽかった話を、ポカンとして聞いていましたが、最後に、とある中年の先生がステージに上がり、血管を切らせる勢いで「合格するぞ!!!」と言うと客席にいたわれわれが「合格するぞ!!!」と応じる。それを10分ぐらいやっていたかもしれません。先生の声はかれていました。

私たちの教室の仲間たちは半笑いでやっていましたが、ほかの教室の子の顔を見ると真剣そのものでした。

何かの宗教だよ、こりゃ

確かに「びっくりするぞ」は正解でした。が、同時に「バッカバカしい!」とあきれました。血管がキレそうになる程雄叫びあげる教員を見ても、私は同調できませんでした。

急に伸びた同級生

ただ、塾でひとつ勉強になったことがありました。

9月ごろに入った同級生が、1・2月に突如成績が上がったことでした。

彼は当初は私とほぼ同じくらいの学力でしたが、授業が終わるたびに先生のところへ行って質問をしていました。

頭を引っぱたき続けていた塾長は、

「数学と英語は、突然成績が伸びる科目だからな。分からないものを分からないままにしていたら伸びない。分かるようにしておけ。最初のうちはたいして学力は上がらないが、数ヶ月後に一気に順位が上がるからな」

と言っていました。それを彼が体現したのです。その時になってあわてても後のまつりです。もう受験には間に合いません。結果、背伸びして受験した高校は全部落ちました。

つまり「勉強の仕方」が全然分かっていなかったという事。「これだけ勉強すればこうなる」という事が分かったことは、それ以降の学習に役立ったと思います。

ただ、頭を引っぱたき続ける先生のところへ質問に行こうという気は全く起こらなかったのも事実。体罰なんかなくったって、違う見方でモチベーションを上げる方法があっただろうに、と今も思います。

だから私は、体罰は極端に否定する人間です。

教える人の多士済々

それから、その塾にいた英語の先生は真逆で、私たちがおちょくっていたほどで、今は申し訳ないなとも思うのですが、その先生の教え方は分かりやすく、「英語はおもしろい」と思えた一人です。

国語と社会の先生は同じ方だったのですが、「この人たぶん公立学校の先生にはなれないよ、きっと」と思うようなすごいエキセントリックな人。「教える人にもいろんなタイプがあるんだ」という勉強にはなりました。

とりあえず最低目標だった高校へは運よく合格しました。

続きはまたの機会に。

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