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【障害のこと】病院でキレた話

子宮筋腫で手術をしたのち、休養期間が長かったので、この機会に脳のMRIをとってもらうことにした。

これまで生きてきて、脳性麻痺になった理由も、脳の損傷部分も全く知らない。

例えばアメリカで生まれ暮らす黒人の人が、自分のルーツに興味を持つように、わたしはわたしに起きた最大の謎とその詳細を知りたかった。

つまり自分自身のことをもっと知りたい、と思った。

生まれた当時に搬送された病院に問い合わせる。

脳の画像は30年前なのでもちろん残っていないし、紙のカルテは災害で流されたか、保管期間の関係で破棄されている可能性大。

つまり、わたしが生まれた直後の脳の記録は全く残されていなかった。

30年前なので、詳細な理由や原因がわからないのはしょうがない。
でも、記録すら残っていないなんて。

どうしようもないので、子宮筋腫の手術をした病院の神経内科を受診する。

「MRIを撮っても、結局何もわかんないんだろうな」
という結論は容易に想像できた。
結局脳を表面的に見るだけで、中身まで詳しく確認するわけではないから。

それでも「自分を知るために、自分の意思で行動した」という感覚を得たいと思った。

ちょうど月曜日で患者も多く、お昼から3時間以上まって夕方の診療。
最近、痙攣発作でむくみや嘔吐が複数回あることも伝える。

「それは脱水症状です」
「関係ないですね」

と、どれも断定的かつ即答。
脳性麻痺についても、

「比較材料がないなら、調べようがないですね」
「痙攣とは関係ないですよ。頭は撮影しなくていいです」と一刀両断。

「撮影しなくていい」、その言葉にわたしは思わず強く反応した。

「自分のからだのことを決めるのは、先生でなく私です。」

確かに先生からしてみたら、簡単で単純な、とるに足らない症例だろう。

だが、わたしの不安、疑問、変化への恐れをひっくるめた訴えが、全て却下された気がした。

自分のからだのことを知るかどうかの判断まで、あなたに委ねられている訳ではない。

MRIを撮影した。

結果、脳の一部に白っぽい影が見つかっただけ。
そこが何かしらの損傷を受けている可能性あり。
というなんとも曖昧な結論となった。

わたしはその結論でも良かった。

自分のからだについての、ましてや、からだについて「知ろうとする」決定権は本人にあるべきだ。

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