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【日記】220314-0320. 激震(3行日記的に)

先週はワクチン接種ですべてが吹っ飛んだが、
今週はもっと強烈な爆弾が待っていた。

【今週のこと】

*先週の疲れを引きずったまま出社した月曜日は、わが「ぜんざい公社」の管理職の異動口頭内示日だった。
来年度の組織改正で自部の部名が変わることは、事前に知らされていた。それはつまり、部内の全マネジャーに内示があるという事だ。

*昭和部長から指定された時間は、地方の案件会議と重なっていた。事前にその旨を伝え、会議終了後に部長席へ行く、と約束していたのだが、その会議中に執拗に呼び出された。
やむを得ず会議を抜けて内示用会議室へ行くと、顰めっ面の部長が待っていた。私が着席すると同時に、本辞令の日程等を詳しく説明しだす部長…ピンと来た。これは、ガチな異動だ。

*脳内をさまざまな推測が駆け巡る。
私自身は、次年度の異動希望を出していない。数年先については、「経理部門内のジョブローテーション希望」としてあった。部長には、定年を迎えるオジサマの後釜指名をされ、正直、不本意ながら今のチームでずっと塩漬けにされる可能性が高いと思っていた。
それが転出となると、いったい何処へなのか。
本社スタッフ削減という新しい社長の方針に従い、営業部門へ出されるのか? まさか、今年度仕事の繋がりができた外商部門か? …ぜんぜん出来る気がしないぞ。

*と、部長が。
「本社システム企画部、に異動だそうだ。
 お前、異動希望を出していたのか?」
出してねーわ。てか、どこだソレ。何するとこだ。
「人事から、コメントついてるぞ。
『セキュリティに興味があるようなので』とのことだ」
「はぁっ?  それ、ホントに私の辞令ですか?」
思わず声に出してしまってから気がついた。人事は昨年、全社員の保有資格を細かくヒアリングしていた。私の所持している微妙なIT資格が網に引っかかったのだ。

*部長もそれ以上の情報はないとのこと。
気の利いた上司だと、内示期間中でもツテを辿って、部下の異動先にこっそりヒアリングしてくれたりするのだが、当然それもなく。
「俺はもう知らんから、金曜の本辞令で確認して、それから自分で異動準備しろ」
「本辞令まで、絶対、誰にも口外するな。言ったらどうなるかわかってるだろうな」
との指示。
「ちなみに部長は、ご異動は…?」
との問いには
「金曜日まで、教えない!」
と、歯を剥き出されて、内示面談は終了したのだった。

*半信半疑のままだったが、リーダーにだけは、内示の旨を報告した。マネジャーの転出で一番負荷がかかるのは、リーダーの「次年度部内体制策定業務」だからだ。
リーダーは驚きつつも
「わかった。ミフミにとって良い転機になるといいね、引き継ぎの件は追々相談して行こう」
と簡潔な反応。そして、
「オジサマには言わないように。あの人に言ったら一瞬で社内に知れ渡るから」
と、予想通りの忠告を受けた。

*婉曲に表現しても、オジサマは情報漏洩の塊みたいな人物だ。このタイプの人が与信情報に触れる部署にいるって、どうなんだ。。。
去年の春、年度末に部内異動を言い渡された時、
「異動は4月半ばの年度末決算終了後だから、それまで口外しないように」
と言われたが、年度初日に支社の臨店実査から戻って来ると、すでにフロア中の経理部員が「ミフミがオジサマの後釜だ」と知っていた。
噂好き、詮索好きで、仕事の手の空いている時(つまりは、ほぼ常時だ)はずっと誰かに話しかけ、ずっと雑談をしている。そんな余裕があるなら、まともな引き継ぎをしてくれ…と思うが、出てくるのは揶揄を含んだ噂話がほとんどだ。
昨年異動して来たマネジャーで、私と親しくしているミィ女史は、オジサマと初めて話した瞬間に「下世話」の一言で斬って捨てていた。

*この内示の日、定年間近のオジサマは、自身の異動などある訳がないので有休を取っていた。火・水と互いの平日休で、次に会うのは木曜日だ。
さて、どう掻い潜るか。とりあえず、木曜にフレックス消化の遅出を入れた。
予定では、木曜の朝に個人メール宛に正式な異動内示通知が届くという。せめてそれを確認するまで、オジサマの顔を見たくないと思った。

*水曜日深夜、東北地震。その影響で、我が家は大きな揺れと同時に完全に停電した。ちょうど風呂を沸かしている最中だった。揺れが収まった後、テーブルから這い出してカーテンを開けると、周辺のビルが一様に暗い。大規模停電だ。
仕事が繁忙期の相方はまだ職場にいて、電車がないのでタクシーに乗ると連絡をくれた。ほぼ真っ暗な中でその帰宅を待つ。
帰宅した相方から、街中に真っ黒な信号機があったと聞く。もう何もできることがないので、その日はそのまま、とりあえず床についた。

*木曜の朝。自宅の電気は無事に復旧した。風呂を沸かして寝不足の体を沈め、身支度をする。
告知されていた時刻にPCを立ち上げ確認したが、私宛の異動内示通知は届いていなかった。
「マジか…」
停電の影響か、系列システム会社・ギリシャの不手際か、はたまた、まさかの「内示が間違いだった」か…。
辞令の間違い、て、そんな杜撰なことが起きる訳ないだろう…とは思うが、その有り得ないレベルの間違いを繰り返して来たのが、わが「ぜんざい公社」と「ギリシャ」なのだ。
不安を消せぬまま、出社する。

*出社と同時に、外部企業2社との打合せだ。オジサマと、隣のチームのマネジャー(昨年の私の後任のオバサマ)も同席する。月1回の定例で、現チームの業務の中で私が最も楽しみにしている仕事だ。
もうこの打合せに出ることもないのかな…と思いつつ、終盤、
「次回の日程ですが、経理部の決算作業のピークを避けて…」
などと言いながら、来月の予定を打診していく。
と、そこでオジサマから
「ミフミは異動なかったんでしょ?」
と声がかかった。一瞬、言葉に詰まるが、
「今朝、通知何も来なかったんですよー」
と返す。(嘘は言ってないぞ)
あー、社外の方には後でお詫び挨拶をしなきゃかもなぁ、とぼんやり思いながら、オジサマが「次回は僕はおりませんので後はミフミとオバサマで…」と滔々と喋っているのを聞いていた。

*その木曜の夜も、オジサマは私と山積みの全国一斉与信を残して、さっさと定時で退社した。
残業しているのは、私とチーターだけだ。この2人に仕事が集中している状況が、下期半年まったく改善できないままだ。
「ミフミさんて内示どうだったんですかー」
作業を続けながら、チーターが尋ねてきた。
「それが今朝メール通知が来なくてさー」
と、オジサマへの答えと同様の対応をしながらも、メール未着の不安と隠し事をしている胸の痛みを感じる。その日はそれ以上突っ込まれないように、早々に残業を切り上げて帰宅した。

*帰宅してメールを確認すると、朝に届かなかった内示メールが来ていた。
「やっぱり、間違いじゃなかったか…」
明日、全社通達のポータルサイトに全管理職の異動辞令が掲載される。それまでには流石に、オジサマに仁義を切らなければならない。でなければ、異動までにどんな仕返しが来るか、わかったものではない。
どんな流れで伝えたら一番被害が少ないか、寝床の中でシュミレーションを繰り返した。

*金曜日、異動辞令公開の15分ほど前に出社、オジサマを会議室に連れ込んだ。
「すみません。実は昨夜、遅れて内示メールが来たんです…システム企画に転出だそうです」
「えーっ⁈」
オジサマの驚愕の表情は、初めて見るものだった。
しかし、予想ほど責められる事なく開放される。それどころではなくなった、ということだ。

*辞令も大ごとだが、この日は4月の滞留債権監査の本格的な準備開始日で、私は大量のTODOを抱えていた。デスクについて、しばらくはひたすら業務をこなす。
昼過ぎに、自分の辞令がメール通りの内容で出ていることと、自分の上司が誰なのかを確認する。新上司に挨拶がてら質問事項のメールを送り、社内スマホを持ってランチに出た。
ランチ中に新上司から返信が来た。指定の番号に電話をかけ、少しだけ話す。第一印象は、「非常にまともそうな、良心的な感じ!」である。異動手続きに必要な勤務場所などの確認をし、月内の面会予定を取りつけ電話を終了した。

*ランチから戻ると、オジサマが言った。
「ミフミ、部長陣の辞令見た?
 部長、3年目も動かず、経理で続投だってさ」
この瞬間、私の脳内に、かつての人気TV番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」の"イチ抜けメロディ"が鳴り響いた(歳がバレるな…)ことは、秘密である。
その後、経理業務の合間に急ぎの異動手続きをこなしながら、慌ただしく午後が過ぎていった。

*新しい上司はわかったが、その部署で何をやるのか、務まるのかは、いまだ謎だ。
終業後、不安な表情を残した私を、ミィ女史が
「いやいや、絶対大丈夫だから!」
と励ましてくれた。昭和部長とともに経理残留が決まった彼女は、私を勇気づけながら目に涙を滲ませていた。
私が異動した後、彼女を励ましてくれる人はいるのだろうか。。。

*ともあれ身の振り方がはっきりし、この1週間の頭の重しが取れた感覚だ。
土曜は有休を取っている。もう今週はこれで業務終了だ。すべては来週、来週だ。
帰宅してベッドへ倒れ込むと、こんこんと眠った。

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