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(本屋のエッセー:2)動物が好き、という話

2022.8.30

動物が好き、という話

 動物が好きだ。と気づいたのはここ数年のこと。子供の頃から、金魚、グッピー、ハムスター、文鳥なんかはちょいちょい飼っていた。けれども「好きーっ!」という感情はあんまりなかったような気がする。それがここ数年、まぁここ3年くらいでしょうか、しみじみと動物が好きなんだなと感じています。

 まずヤギ。ヤギは素晴らしい。草を食べるんです!田舎暮らしは雑草との闘い。それを朝、今日はここを食べてほしいと思うところに繋いでおくと(繋留:ケイリュウ)、まぁそれなりに食べといてくれます。そりゃあ、一朝一夕で草がなくなるというわけではないが、「何でヤギ飼ってんの?」って聞かれたら、「刈払機を3台買う代わりに、ヤギを3頭飼っているんだよ。」と答えている。それとうちのヤギは保護ヤギで、飼えなくなった方に譲っていただいたというのもある。あとかわいい。私達の顔を見たら「メェ〜(囲いから出せよ)」とか、手になんか持ってたら「メェ〜(ソレ何や、食いもんか)」って寄ってくるし。こないだ脱走した時なんか、やばい!と思って大声で呼んでも全く姿が見当たらず、一旦玄関で長靴に履き替えて戻ったら、どこからともなくひょっこり現れて自分らで囲いの中に帰って行きましたとさ。暑さ寒さに強く、粗食に強い、ヤギです。

 次に猫。猫も素晴らしい。生まれてこの方猫なんか全く興味なかった。それがこれはちょっと運命的なエピソードがあって。3年前、近所のお友達が「猫がいなくなったから、見つけたら教えて」って我が家に訪ねてきた。私はその猫と遊んだことがあったから了承しつつ気にしてなかったんだけど、その2、3日後の夜に外でニャーニャー聞こえたもんだから「あ!あの猫だ!」と思って子どもたちと探しに行ったのだけれども、暗くて見えなくて捕獲できず。主人が「家猫なら玄関を少し開けとけば入ってくるだろ〜」と言ったので、それもそうだなと思って玄関の戸を開けといた。そしたら朝方、主人が「猫が来たよ!」と起こしてきたので、興奮して見に行ったら「何この猫!?知らん猫!」って全然違うとても小さい子猫だったからガビーン!しかも主人はすでにちくわやらソーセージやらをちぎってあげていた。ちなみに我が家は割と大きな川沿いの家なので、住んで7年ほど猫なんて来たことがなかったのにそれが何で…このタイミングで…もう…飼うしかないでしょう。そこから3年、猫!猫!猫!猫が好き〜!!!かわいいし、役に立つ。ムカデとか害虫も獲ってくれるし。あとかわいい。我が家のアイドル、猫です。

 最後にニワトリ。ニワトリも素晴らしい。こちらも飼えなくなった方に2羽譲っていただいたのに…卵も産んでくれていたのに…我が家に来た当初めちゃくちゃ私に怯えていたのに、最終的に田んぼに脱走していても、私を見つけると(餌をくれると思って)まっしぐらに駆け寄って来ていたのに…。ごめんなさい。何かの獣に殺られてしまった。ショックを受けている私を横目に、長男は「獣に食われるくらいなら俺が食いたかったのに〜!」と悔しがっていた。おい違うだろ、うちの長男、サイコパスです。

 あぁ、動物のことを書いていたらキリがない。先輩猟師とイノシシを捌く主人をガン見する子どもの話とか、鹿がガードレールを飛び越えられず角が引っ掛かっていた話とか、庭を派手なキジがトコトコ歩いていてきび団子でもあげようと思った話とかいっぱいあるのに書き尽くせない。

 というわけで、南阿蘇のナウシカとは私のことです。嘘です。カラオケの十八番は「もののけ姫」です。今一番飼いたいのはメダカです。誰かください。
(終)
 

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