301HP用

Behind Design「発信したメッセージの先で人々の暮らし方が変わるイベントコンテンツ開発」

11月に表参道・国連大学前にて行われた「RENOVATION EXPO JAPAN 2019」のクリエィティブディレクション、イベントプランニングを301が担当しました。
一般社団法人リノベーション協議会による、年に一度のリノベーションの祭典。記念すべき10回目の開催となった今回は、より広い視点からリノベーションを捉え、人々の「暮らし」に繋がるイベントを目指しました。301から参画した、ディレクター 大本とプランナー 酒井からその裏側をお伝えします。

ーーまずは昨年に続き、今回もエキスポに携わることになった時どんなことを考えましたか?やはり、また依頼を受ける、というのはさらにブラッシュアップしたものを求められますよね?

酒井 301がリノベーションエキスポに関わって3年目。今回僕は企画と進行を担当し、昨年に引き続き携わる中で、関係性やコミュニケーションを繋ぐ役割が、301として期待されている点だと感じていました。
「リノベーション協議会」は、複数の企業からなる組織なので、それぞれのメンバーの意見を尊重した上で、意思決定や運営をどう行っていくのかが重要です。
クリエイティブでは、企画面で彼らの「やりたい」ことを具体化できるようにコンセプトから一緒に考えてきました。コミュニケーション部分では初年度から関係を深め、信頼してもらって、全体のコミュニケーション整理、コンセプトからコンテンツへの落とし込みなど、携わる範囲が徐々に広がっていきました。今年は、いかにコンセプトを具体化していくか、という点が特にポイントだったと思います。

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ーーそういった経緯がある中で、ディレクターとして今年初めて参画した大本さんはどうでしたか?

大本 やはり関係性の把握は少し大変だった部分かもしれません。
でも、パネルやロゴ制作のような限られた業務だけでなく、リノベーションエキスポ自体をどのように作っていきたいのか?というコンセプト部分に深く関わっていこうとする301だからこそ、協議会の皆さんが今年も依頼してくれたんだと感じました。
また、私は普段デザイナーとしてプロジェクトに参画することが主なので、今回ディレクターというポジションでその深い部分に挑戦できることが私にとっての冒険でした。


ーー企画としての新たな挑戦はありましたか?

酒井 これは今年のリノベーションエキスポ委員長である伊勢谷さんの提案だったのですが、一つは国連大学前で行われている「ファーマーズマーケット」とのコラボレーションです。外部とコラボレーションするのは初めての取り組みで、今までとはまた違う考え方が必要でした。
ただ、元々エキスポの目的は「リノベーション」へのハードルを下げ、認知を高め業界全体を盛り上げていくこと。「人々にとってリノベーションとはどういうものなのか?」と根本的な部分を問い直すことで、いかにその点からブレず、コンセプトを具体化するのかというチャレンジもありました。

大本 「住宅」とか「リノベーション」っていう言葉はどこか少し自分との距離を感じますよね。家を買う、家を建てるのは年齢的にまだ早いよなぁとか。リフォームとは何が違うんだろう?とか。


ーーその違い私もわかってないです!

大本 私も最初はそうでした。お客さんにもそういう方は多いはずですよね。だからこそ、タッチポイントとして存在するエキスポが面白いんです。
今回のエキスポでも、改めて「人々にとってのリノベーション」を深め、お客さんに「自分の好きなものから暮らしを作っていく一つの方法としてリノベーションがある」「より自分らしい暮らしについて考えるきっかけになる」という考え方に触れてもらえば、リノベーションと自身の生活の関わりをきっと感じてもらえると思いました。


ーーまさに「ハードルを下げる」ですね。

酒井 本来リノベーションの意味は「昔からあるものに手を加えることでよりよく変えていく」という、新たな付加価値を見出すところにあります。傷んだ部分を直し、新築の状態に戻すリフォームとは大きく異なる点ですね。今回は、その本来の意味に立ち返りつつ、より広い視点からリノベーションを捉えてほしいと思いました。その時に軸となったのが「暮らし」という視点です。住宅という箱だけではなく、そこにある生き方や暮らし方を、どのようにより良くしていくか。例えば、「今日の食事はどんなお皿を使おう」「壁紙はどんな色にしよう」といった日々の小さな選択が積み重なることで、その人の暮らし方が出来ていきますよね。もしその先に、「リノベーションがある」と感じてもらえれば、もっとリノベーションは身近なものになるはずです。だから今回はその第一歩として、「どんな暮らしを送りたいか?」という問いから、自分自身のこれからの生き方を考えたくなるようなメッセージをイベント全体で発信し、コンテンツ一つ一つを統一していきました。

大本 コンセプトが人間の本質や物事の本質と繋がっているところ、そしてそのコンセプトとコンテンツが直結してメッセージを届けられるところが301らしいなと感じていました。

酒井 301がどんな案件に携わる時も大事にしているのが「プロジェクトを通じて発信したメッセージが届いた先でどんな変化を起こせるか」を常に考えること。リノベーションは、生き方や暮らし方といった人間の深い部分と結びつくので、その点をしっかり軸にすることが重要でした。

ーーお客さんや協議会の皆さんの反応はどうでしたか?

大本 自分の「好き」から暮らしをつくっていけるリノベーションの良さは、本来そのものが持っている魅力を飾りたてることなく、純粋にまっすぐ届けられる301だから伝えられた部分です。本質につながっているコンセプトとそれに紐づいたコンテンツは、協議会の皆さんも賛同してくれました。

酒井 ファーマーズマーケットとの共催にしたからこそできた、一つの場所にこだわりの野菜もあればカラフルな床材もあるという「衣食住」が渾然一体となるイベントは、お客さんにも面白がってもらえたようです。「暮らし」を切り口にしたことがきちんと伝わったと思います。

大本 住宅企業に話を聞きにいく感覚ではなく、フラッと立ち寄る雰囲気がつくれたことが良かったですよね。

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ーー企業毎の個性はコンセプトとどう繋げていったんでしょうか?

酒井 昨年のエキスポではお客さんに楽しんでもらうコンテンツとリノベーションの企業が出展するブースが分断されていた印象があり、今年はそれを解消し、ひと続きのコンテンツとして楽しんでもらうことが目標でした。なので今回は、来場者が会場全体を周遊する仕掛けとしてZINEをつくる企画を用意しました。ZINEのページが会場内の各ブースに配置されていて、それを集めると一冊のオリジナルの雑誌が完成する、というものです。各企業には単にリノベーションという視点だけではなく、「暮らしをつくる」という視点からページの内容を考えてもらい、お客さんと同じ目線でコミュニケーションができるツールになることを意図しました。


ーーデザイン部分で意識的にディレクションしたことはありますか?

大本 オリジナルZINEの各ページは、お客さん自身が気になる企業を選び、それぞれのブースで話を聞きながら直接手にとるものなので、全体的に色味を落ち着かせました。昨年のポップで楽しい雰囲気からさらに一歩踏み込んで、今年はより自分の「暮らし」に立ち返って考える時間にしてもらいたかったからです。

酒井 今回は「個人」にフォーカスしてコンセプトから組み立てていきました。「個人」の生き方をじっくり考えよう、振り返ってみようというメッセージは引き続き深めていきたいですが、近年はリノベーション視点からの「まちづくり」も、興味深いトピックとして注目されています。個人の暮らしからまちづくりまで、様々なスケールのリノベーションの形を伝えることがエキスポや業界全体を面白くするのではないかと感じています。

大本 リアルスケールで体験してもらいたいですよね。IKEAの店舗など、実物に触れられるワクワク感は、その空間に入り込める、自分の生活を想像できるからだと思うので。リノベーションした部屋や街を体験できるイベントだとさらに盛り上がっていきそうです。

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