見出し画像

スポーツに投げ銭は「向いているか?」という議論はそもそも視点がズレている

こんにちは。佐藤奨(さとうつとむ)です。

Jリーグの「投げ銭導入」の報道をきっかけに、スポーツと「投げ銭」がYahoo!のトピックスになるなどして話題となっている。

この投げ銭導入の報道は、事実と異なる、という否定報道がすぐにJリーグから発せられたのだが、すでにクラブ単位では、鹿島アントラーズがオンラインイベントを実施し、そのイベントにてテスト的に「投げ銭」を実施するなどした。

今後も、クラブ単位、または、リーグ単位で「投げ銭」が検証、実施されていくことは間違いないだろう。

参考記事:鹿島アントラーズの投げ銭イベント

私も、2ヶ月半に「投げ銭」についての記事を書いていて、その時は、多くの反響をもらった。

そこで、このタイミングにて、一部でスポーツに投げ銭が「向いているか否か」の議論がなされており、今回は、そこに対して思うことを記事にしてみる。

スポーツに投げ銭は「向いている?」という議論は、そもそもが違う

スポーツに投げ銭は「向いている?」という議論は、そもそもが違う。大相撲の「座布団投げ」の起源が「投げ銭」にあることを理解することだと思う。試合の観戦者が、試合後に私物を投げて、若い衆がそれを投げた人に返しに行き、その代わりにおひねりをもらう。それが投げ銭の起源。昔からあった。

ホームラン後の「ビール」演技後の「プーさん」

こうした観戦者の投げ銭をしたい「心理」に近いことといえば、プロ野球の試合で、ホームランを打った直後に「ビール」がよく売れる現象がある。他なら、羽生結弦選手をはじめとするスケーターの演技後に、花や物(プーさん)が投げ込まれる。そうした心理を理解し、どうやって「気持ち」を集めるか?が課題なのだ。

どうやって「気持ち」を集めるか?が課題で、それを、アプリなどのテクノロジーで解決できるのか?観戦者の応援心理を、今の『SHOWROOM』や『Youtubeのスパチャ』に代表されるようなギフティングのような形式がベストなのか?否か。ようは、考える段階として「向き不向き」ではなく「やり方」が課題である。

今の時代に適した「やり方」を模索するのが正しい

話を戻すと、スポーツに投げ銭文化が根付くか?ではなく、元々日本にあるものなので、今の時代に適した「やり方」を模索するのが正しいと言える。どうやって「気持ち」を集めるか?が課題であり、すでに先行している他の分野から学べることが多い捉えている。

先行している他の分野から学べることが多い

先行している他の分野から学べることが多いと考える、ここで言う他の「分野」とは、特に「eスポーツ」だと捉えている。

ゲームがeスポーツとして括られるようになったように、ゲームも「スポーツ」だ。そして、eスポーツは、そもそもがオンラインと相性が抜群である。

eスポーツは、たった1日で50億円のお金を集めた「個人」がいると言われている

ゲームの世界では、課金文化が根付いている。

特に、特に、Amazonが運営している『Twich(ツウィッチ)』や、米企業が運営する『Steam(スティーム)』などを活用してライブ配信が行われている。この2つは、リアルタイムでゲーム実況が行われているウェブサービスである。(国内では、ニコニコ動画、それからYoutubeのスパチャもそれに該当する)

そして、これらのライブ配信では、日常的に、その配信者に、投げ銭のような「課金」が集まる傾向がある。小さなコミュニティが世界中に存在しており、驚愕なお金を集めている人気の配信者も存在する状況だ。

ゲーム配信では、そんな文化が根付く中、とんでもない成果を叩き出している「個人」がいることをご存知だろうか。

その配信者とは、アメリカの人気ピップホップアーティスト、トラヴィス・スコットである。

世界的な人気ゲームである『FORTNITE(フォートナイト)』とコラボして、ゲームでライブ配信を実施し、なんと、同時接続で「1230万人」もの人を集めた。これは、累計ではない。同時接続の数字だ。驚愕である。。

参考記事:トラヴィス・スコット フォートナイト コラボイベント

このイベントに合わせて行われたこと。

このイベントに合わせて、トラヴィス・スコットは、楽曲「THE SCOTTS」のFortniteコラボ動画をYouTubeにて公開。

この動画は、現時点で3700万人に再生されている。370万でもすごいが、3700万回の再生である。。

日本語訳している日本の配信者も居たので、ここに貼り付ける。

トラヴィス・スコットは、このイベントたった1つで、50億円近いお金を集めたと言われている。50億円もだ。とんでもない数字だ。

動画内での課金と、グッズからの収益を足して、たった1つのイベントで1人の配信者が「50億円」を集めたと推計されているのだ。

eスポーツも、スポーツと捉えた場合、スポーツに投げ銭が向いているか否か、という次元ではないのは分かるだろう。向き不向きではなく、今の課題は、どう集めるか?なのだ。

どうしてeスポーツは、その地位を獲得できたのか。オンラインとの「向き不向き」を超える”何か”がそこに存在しているはずなのだ。

ここからの「テーマ」として考えるべきは一つ”だけ”

ここからの「テーマ」として考えるべきは一つである。日本にも大相撲の座布団投げに代表されるよう、そもそもがスポーツは投げ銭される文化が存在している。

そして、ゲームなど、eスポーツに代表されるように、スポーツにも「投げ銭」される形が存在しているのだ。

観客には、そうした投げ銭にて応援したい「心理」は間違いなく存在している。ここからの「投げ銭」の「テーマ」として、考えるべきは一つ”だけ”だ。

それは、観客やファンの応援「心理」を、どうやって「オンライン」で集めるか?なのである。

著者のTwitter


お読みいただきありがとうございます!これからも情報配信していきます。