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Aerial Partnersは仮想通貨の税金の会社ではありません、という話

noteにたどり着いていただきありがとうございます。Aerial Partners(エアリアル・パートナーズ)の沼澤です。

前回のnoteから期間が空いてしまったことを大反省しつつ。今回は、事業活動を行う中で、「Aerial Partnersは仮想通貨(※1)の税金の会社でしょ?」というチーム外からの認知と、実際に解決している課題や提供しているプロダクトとの間に乖離が生じているなと感じることが多いことから、改めて2021年現在のAerialチームの取り組みについて紹介させていただくために筆をとりました。

また、本note投稿と同時に、コーポレートサイトの刷新や主要プロダクトの名称変更を発表させていただいておりますので、それがなぜ今なのか、そしてAerialチームのVisionである「価値革命を支えるインフラを提供する」に込められた思いについてもまとめさせていただきます。(※2)

※1 本noteでは以降の表記を「暗号資産」に統一します。
※ 2 本noteのタイトルは、筆者の尊敬する起業家(過去にはTwitterアカウント名も公認?オマージュさせていただきました)のnoteタイトルを存分に意識したものになっています。常にチームのビジョンや取り組みを積極発信していく姿勢に学ばせていただいています。


要約

①デジタルアセットの利活用が進むにつれ、そのデータ管理上の課題はより複雑化・広範囲化(企業活動への広がり & 財務会計・経営管理・監査領域への広がり)
②それに合わせてGtaxは、暗号資産取引の損益計算ツールから、広くデジタルアセットにまつわるデータデータ管理プラットフォームへと進化
③今後は事業者、規制当局との連携を通じてデジタルアセット利用者に広くサービス提供
④取引データ活用領域等に投資をし、デジタルアセットの利活用に欠かせないインフラを提供
⑤Aerialチームのメンバーとして、価値革命を支えるインフラを一緒につくるメンバーを全領域で大募集中!


デジタルアセット市場の広がりと過去のAerialチームの取り組み

Aerialチームを創業した2017年当初、暗号資産(※3)を中心とするデジタルアセットや、それを支えるブロックチェーン技術の未来については、半信半疑の方が大多数だったと記憶しています。

そして2021年現在、ビットコインは誕生から12年の歴史の中で、他のどの金融資産よりも投資パフォーマンスの優れた(= 市場からの期待を集めた)アセットクラスとなっており、先日は米国でもETFの承認が行われ、投資マネーの性質も、ギークな個人に限らず企業や機関投資家へと広がりを見せています。

暗号資産全体の時価総額は200兆円を超え(参考:金の時価総額が200兆円程度)、国内においても2021年8月の出来高が現物・デリバティブ合わせて6兆円を超える規模となっている暗号資産は、2020年以降はその交換や販売、カストディ等のルールを資金決済法に、デリバティブ取引等のルールを金融商品取引法において規定することされ、裏を返すと文字どおり、既にその金融機能が市場に認められています。


Aerialチームは2017年(暗号資産確定申告元年)に、暗号資産取引を行う個人投資家に対し、詳細なルールが不在の中での確定申告をサポートする『Guardian』、そして複雑な損益計算を自動化する『Gtax』という2つのサービスを祖業としてスタートしました。


ビットコインを中心とする暗号資産価格高騰が起きた2017年当時、税法の詳細なルールがない中で個人の確定申告対応が事実上困難であるという課題を受けてのものでした。

【参考デジタルアセットの原価・損益計算上の課題
①複数チャネルでの複雑な取引が行われること(集約が困難)
②新しい経済取引が発展するスピードが早いこと(一律計算が困難)
③法定通貨を介在させない取引があること(デジタルアセット同士の交換や、Defi取引等)

+α 時価取得や法人における時価評価の課題等、枚挙にいとまがありません。


サービスリリース初期の様子は、過去の第1弾のnoteにて「単なる言葉としてのブロックチェーンはいりません」というパンチライン付きでまとまっています。(今思い返すと、当時からAerialチームのVisionに含まれている「価値革命」というワードを使っていたのですね。ちょっとエモい)


以降、『Guardain』は暗号資産領域で最も利用人数の多い(当社調べ)確定申告サービスとなっており、ありがたいことに、翌年度のサービス受付を開始する初夏のタイミングでは制限人数分の利用枠が埋まってしまう状況になっています。また、Gtax個人版においては国内外50以上の取引所・ウォレットに対応し、国内サービスとしては初となるDeFi(分散型金融)取引の計算機能をもった損益計算ツールへと進化を遂げています。

※3 本noteでは、資金決済法・金融商品取引法における暗号資産を「暗号資産」、それに該当しないNFT等を含めて、ブロックチェーンを基盤として実現されるプログラマブルなデジタル資産全体を指して「デジタルアセット」という表現をしています。


課題の広範囲化・複雑化と、提供するソリューションの変化

2020年以降市場にモメンタムが生まれているNFTやDefiの領域の発展等、デジタルアセットを軸とした新しい経済活動が広がるスピードはとても早く、また個人のみならず企業活動においてもその活用が進んでいることから、デジタルアセット利用上の課題は単に売った・買ったの損益計算・税金の計算に止まらず、取引データの集約に始まり、財務会計や経営管理、各種規制・業界団体の自主規制への対応、監査対応等々に範囲が広がっています

この点、国内で取り上げられることは多くないのですが、デジタルアセットのデータ管理領域は、米国では既にユニコーン企業が誕生している事業ドメインとなっており、上述したデータの取り扱いの複雑性から、ユーザーが抱えているペインが非常に大きい領域です。


AerialチームでもシリーズAラウンドを実施した2019年3月以降は、サービスの提供範囲を投資家から、暗号資産交換業者をはじめ、ブロックチェーンゲーム等のDapps(分散型アプリケーション)を提供する事業者、NFT関連の事業者に広げてきました。またその提供機能についても、データ管理を起点とした、財務報告・経営管理・監査等の支援ツールとして進化させてきました。(これを、以前は『Gtaxエンタープライズ版』と呼んでいました。)

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現在は、他の金融領域と同様高い品質管理水準を求められている暗号資産交換業者をはじめとするユーザー企業からも、大変ありがたいことに事業活動に欠かせないプロダクトであると評価いただいています。


また、同じデジタルアセットのデータ管理領域でプロダクトを提供しているスタートアップとして難しいと言われていた、暗号資産交換業・第一種金融商品取引業免許事業者に導入が広がっている実績が評価され、直近では証券やFX等他の金融領域での活用が広がりつつあります。Dapps / NFTの事業者においても、国内のリーダー企業の多くに採用いただけるプロダクトに成長しました。

そしてこの度、解決している課題や提供価値の広がりを受けて、企業のデータ管理基盤として提供しているサービスの名称を『Gtaxエンタープライズ版』から『Aerial Data Management』へとサービス名変更を実施しました。


価値革命を支えるインフラを提供する

NFTがクリエイターやアーティストの収益機会を広げるように、Defiが世界中の個人に金融サービスを届けるように、そして証券性のトークンが資産の流動性を飛躍させるように、ブロックチェーン技術によって実現されるプログラマブルな資産は、富の滞りをなくし、すべての資産を、そしてすべての個人(・企業)エンパワメントする力を持っています

また、すべての企業活動がDXされていくように、すべての資産がデジタル化される、メタバース的世界の実現もそう遠い未来の話ではありません。


Aerialチームでは今後も、デジタルアセットを活用した情報革命に次ぐ価値革命の実現において必要不可欠なインフラを提供していきます。詳細は次回以降のnoteで触れることとしますが、ここでは直近の取り組みの一部を紹介します。

【①プラットフォーマーとの取り組みについて】
デジタルアセットは証券やFX等の金融領域と異なり、同一の資産が複数のチャネルで同時多発的に取引されることから、サービスを提供している事業者が、ユーザーのデジタルアセットに係る原価・損益の計算を行うことができず、結果として利用者側にその負担がのし掛かる構造になっています。

Aerialチームでは過去にも、NFT事業者との連携を通じてエンドユーザーにデータ管理機能の提供を発表していますが、今後は暗号資産交換業者等、他の事業者との連携を加速させて、業界標準の帳簿の実現に取り組んでいきます。デジタルアセットに係る取引データが即時に集約され、必要な損益計算が行われることで、デジタルアセット利用の障壁を取り除きます。

また個人としても、昨年以前に業界団体の税制検討部会長として提言活動をに携わってきましたが、上記のアイディアを実現するとともに、税徴収の健全性を担保した上での前向きな税制改革等、デジタルアセットに関する税制を前に進めるべく引き続き尽力していきます。


【②データ管理領域以外への投資
詳細は次回以降のnoteに譲りますが、デジタルアセットの利活用において不可欠なインフラとして成長するために、データ管理領域以外への投資も行っていきます。

以下では予告編的に、キーワードのいくつかを紹介させていただきますので、ピンときた方は是非一度直接ディスカッションさせてください。

・デジタルアセット利用のハブとなるようなプロダクト
・データを活用した、デジタルアセット領域の与信の枠組み
・複雑なDefiの利用をシンプルにするサービス


さいごに Aerialチームの抱える課題とお願い

暗号資産市場全体のモメンタムが薄れかけていた2018年、スタートアップに金融データの取り扱いは無謀だと何度も言われた2019年、そして生活様式が変わる中、変化する環境にアジャストしながら増加するユーザーと複雑化する課題に向き合い続けた2020年・2021年。

数え上げればキリがない困難な局面を経てなお、Aerialチームがリングに立っていることができるのはチームの仲間のおかげです。難しい課題に直面しても、「どうすれば解決できるか?」の発想でチャレンジを続けてくれているAerialチームの仲間のプロフェッショナルとしての姿勢にはいつも本当に頭がさがる思いでいます。


と、そんなAerialチームでは、事業成長を加速させるため(...というとなんだか格好が良いですが。)、全職種での採用活動を行なっています! Aerialチームのバリューの一つである「さらけ出す」精神で着飾らずにいうと、実際は事業が伸びるスピードに組織成長が追いつけておらず、成長痛を伴っている部分が多くあるのが現状です。

また、上述した新しい投資領域も含めて、得意の難しいゼロイチにもチャレンジしていく必要があります。

本noteをご覧いただき、少しでもAerialチームに興味をもっていただいた方がいれば、まずはカジュアルに話をさせていただけるととても嬉しいです。また、「この人(この会社)と相性がいいかも?」というアイディアがあれば、是非ご紹介ください。

私自身も、Aerialチームの将来のメンバーや、事業をともにする仲間づくりに最も時間を投資していきます。まずは気軽にビデオ面談や、ようやく可能になりつつある対面でのお茶等、カジュアルに話をさせていただけることを楽しみにしています。(機会があればnoteにまとめますが、リモートワークとオフィスワークを柔軟に使い分ける方針であるため、一度も対面で会ったことのない社員メンバーも在籍している環境です。)

今後もAerialチームでは、伝統的な金融領域と新しい金融領域の交差点、そして新しい価値表現手法と既存のデータ管理の仕組みの間で生じる摩擦を解決し、デジタルアセットの利活用になくてはならない「価値革命を支えるインフラを提供する」というビジョンを実現していきます。

noteを最後まで読んでいただいてありがとうございました!

最後まで読んでいただいてありがとうございます🐣