メロウでシティ・ポップな永ちゃんでチル。 #spotify #playlist

両親が熱狂的な矢沢永吉ファンだったこともあり、永ちゃんの日本武道館公演は7歳から通っている。

鈴木家と矢沢永吉は共にあった

気難しい父に少しでも褒めてもらうように、ピアノで採譜して弾いたころもあったし。その一方で、やがてブライアン・ウィルソンや細野晴臣など、矢沢永吉とは違うベクトルの音楽に目覚めていくと、父に対する反抗と同期するように矢沢作品やコンサートを拒絶した時期もあった。

「矢沢永吉のコンサートに行きたくない」と言って、父に思いっきり殴られたことがあったな・・・（やばいですね、いま思い返すとこれ。笑）

15年以上のブランクがあいて、矢沢永吉のファンクラブに再入会して、父を連れて観に行ったのが、2018年の東京ドーム公演。その開催日は、当時病を患って半年の休職が決まった僕の長い休みの初日だった。素晴らしいライヴで、帰りにアイリッシュパブで父と乾杯をしたのは、たぶん長年の確執を解くきっかけになった気がする。

数年前に父が家業を退任したときに、その従業員たちが送別会で上映したビデオのBGMは『I LOVE YOU OK』だったことも。（その同時期に代々木体育館で観たコンサートは、アリーナ最前列・中央だったのも思い出。）

そんなこんな、鈴木家の歴史（いい思い出も悪い思い出も）と矢沢永吉は共にあるのかもしれない。

メロウでチルアウトな矢沢もいい

そんななか、矢沢永吉の作品をほぼすべて聴いてきた、そして何度もコンサートに足を運んできた僕が思う彼の魅力は、いわゆるマイクスタンドを振りかざす＝マイクターンや、マスキュリンなロックンロールでなく、メロウな曲。

バラッドだけでなく、小気味よいロックにもメロウな曲があり、いまでいう「シティ・ポップ」や「バレアリック」の文脈で聴くことができる曲が実はたくさんある。

かつてDJをしていた頃は、夏になると、よくプレイしていた。TR-808やPROPHET 5、LYNN DRUMを使ったのだろうという曲も多いので、意外と自然にブレンドできるのだ。

実際、そういった曲を矢沢永吉が製作・公演をしたときにパートナーとして選んだのが、アメリカン・ポップスでメロウ〜シティ〜AORをつくってきた大物たちばかりだ。

マイケル・マクドナルド（ドゥービー・ブラザーズ）
キース・ヌードセン（ドゥービー・ブラザーズ）
ボビー・ラカインド（ドゥービー・ブラザーズ）
ジョン・マクフィー（ドゥービー・ブラザーズ）
ビル・ペイン（リトル・フィート）
アンドリュー・ゴールド
ケンジ・サノ（カラパナ）
マイケル・パウロ（カラパナ）
etc

夏に気持ちがいいTHE CITY POP YAZAWA PLAYLIST

そこで今回は、CD1枚分＝80分・20曲の「メロウでシティなYAZAWA」をSpotify Playlistを作成した。

シャウトする曲はほとんどない。
盛り上がる曲もほとんどない。
中にはシンセとリズムマシンだけのトラックの曲もある。

巷の代名詞な名曲もほとんど入っていないので、フェアで直球な入門編にはならないだろうけれど、今のトレンドや僕の気分ではこういう入口があるのも大事なんじゃないかと。

（だって、かつて1990年代にサバービアやフリーソウルのコンピで、変化球な入口で特定アーティストのファンになったこと、あったでしょう。）

矢沢永吉の主要作品がほぼリマスターを施されてサブスクで解禁された、この夏。盛り上がるためじゃなく、チルな空間演出のツールとして聴いてみないか？

SUPER RECOMMEND

FADE AWAY
ニューオーリンズのリズムに矢沢永吉の声という曲なのに、清涼感がある仕上がりなのは、歌詞によるものだけでなくて、アンドリュー・ゴールドのプロダクションの秀逸さでしょう。

棕櫚の影に
よくDJで使っていました。たしかBPMが100弱。ゆったり目なIndie Dance / Nu Discoとか、早めなヒップホップとうまく混ざるの。TR-808でリズムを組んで、シンセパッドでコードを型取り、あとはサックスソロ。結構、ロックンロールなイメージに対して挑戦的なプロダクション。

浮気な午後の雨
いまDJをすることがあったら、これ、使うだろうな・・・と思いながら選びました。リンドラムかな、、、たぶん。これも、ヒップホップやエレクトロと自然とブレンドできると思うね。

黄昏に捨てて
たぶんピアノで採譜したことがあったはず・・・。どこかに譜面が残っていると思うのだけど。1990年代に入ってからの曲なので、シンセサイザーやリズムマシンよりも、大人ロックなプロダクション。ナイロンギターでボッサ風味。

愛しい風
1990年代初頭のエコー、リヴァーブ感。夏の終りの曲。