見出し画像

会社の事業承継課題の見える化

以前の記事でご紹介した事業承継を実行するまでの5つのステップ

前回の記事でステップ② 「経営状況・経営課題の把握(見える化)」について深掘りしましたが、

今回は「会社の経営課題の見える化」を

「事業承継に関する経営課題の見える化

と考えて事業承継ガイドラインを参考にしてさらに深掘りしていきたいと思います。

「事業承継課題の見える化」の目的

「事業承継課題の見える化」の目的は、
自社の経営状況だけではなく、事業承継にあたっての課題を見える化することで、

課題克服に向けた優先順位を決定し、早期に事業承継に向けた取り組みを進めることです。

これにより、事前に打ち手を講じることが可能で、不要なトラブルを未然に防ぐことができ、円滑な事業承継を行うことができます。

事業承継課題の見える化の具体例

ここでは事業承継課題の見える化の具体例を挙げていきます。

まずは自社内において後継者候補の有無を確認します。

【後継者候補がいる場合】
 → 親族内承継・従業員承継

この段階では、まだ経営者が頭の中で
「この人物に後継者になってほしい」と思っている段階です。

・候補者に対して承継への意思確認を行う時期や、候補者の能力、適性、年齢、意欲等を踏まえ後継者に相応しいかどうかを検討します。

・後継者候補に対して、親族内株主や取引先等から異論が生じる可能性がある場合は、その対応策を事前に検討します。

・親族内承継の場合は、将来の相続発生も見据え、相続財産を特定し、相続税額の試算、納税方法等を検討します。


【後継者候補がいない場合】

社外において後継者候補やM&A等での事業承継や、場合によっては廃業を検討します。


事業承継の実行が進まない その理由

事業承継にあたって「経営状況の見える化」「事業承継課題の見える化」を進めて自社の現状を把握し、自社の長期的な経営方針や目標を設定します。

そのうえで、会社・経営者・後継者のそれぞれが事業承継に向けて具体的に行動していくことになります。

しかし、

このままの状況では事業承継が進まないケースがとても多いのです!

なぜか?

・経営者・後継者は、日々の業務で時間がない

・方針は決まったが具体的に何から始めればよいか分からない

・誰に相談すればよいか分からない

その結果、、、

急ぎではないから後回し

以前の記事でもお話した通り

事業承継は後継者の育成期間を含めると、概ね5年~10年の期間がかかることが事業承継ガイドラインに記されています。

画像1


事業承継を先送りしたがために打ち手が限られてしまい

・後継者候補者が実は承継の意思がなかった

・税金対策ができず多額の税金を支払うことになった

・会社内や関係者との意思統一が遅れ、安定した経営ができなくなった


ということが起こってしまうのです。


事業承継計画を策定しましょう

このような事態を回避するために有効な方法として、

中小企業庁は「事業承継計画」を策定することを推奨しています。

事業承継計画は、
自社の取り巻くさまざまな状況を踏まえて、事業承継を着実に進めていくために、会社・経営者・後継者のそれぞれが、

いつ?    何を?
誰に? どのように?

といった具体的な行動プランを盛り込んで策定します。

事業承継計画は、経営者一人だけで考えるものではありません。

後継者やその親族などと一緒に、取引先や従業員、金融機関等との関係を考慮しながら策定します。

また、士業等専門家に相談して事業承継計画の策定を支援してもらうことも有効な手段です。

その時「経営面」「税金面」「後継者育成面」など全体を俯瞰できる専門家であればなお良いでしょう。

特に中小企業の事業承継は「税金面」に重点を置きすぎる傾向がありますので注意が必要です。

事業承継計画の策定は
「計画書」を作ることが目的ではありません


経営者と後継者が「事業承継」という共通の目的意識をもって計画策定するプロセスもまた、

事業承継を着実に進めていくための土台になるのです。

※事業承継計画については、別途深掘りする予定です。


この記事が参加している募集

#リモートワークの日常

9,742件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?