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未完成の魅力

私の大好きなエレキギター。
Gibson、Fenderはじめ、ビルダー系メーカー数多。アメリカ、日本、韓国、ドイツあたりがメジャーどころ。

ギタリストの憧れは、50〜60年代のビンテージ。市場価値のトップはGibson lespaul 59年製のバーストと言われる虎目のサンバースト。ウン千万円と聞いたら、興味の無い方には正気の沙汰ではないですね(笑)

ギタービルダー達は、こぞってビンテージの質感と音質を目指し、マスプロダクトには真似のできない製品を目指している。

現代の技術を持ってすれば、なんら遜色ないさながらビンテージの様な新品製作もできる。ましてや日本製なんてカンペキ!
なんだけど…

ジャララーんと鳴らすと、違うんだなぁコレが。

なんでだろ?生音が全然違う。
寸分の狂いもない完璧な製品なのに…なんで?

部品を外すと見えてくる。
隙間だらけに組まれた木や、同じトルクで締め付けられていない木ネジやボルト。
もしかしたらフレットのピッチも怪しいかも(笑)半製品とまでは言わないけど、近いものがあるアメリカ製。

勿論、演奏ジャンルや音の嗜好性によって楽器に求める価値は変わるけど、オッさんが懐かしむ昔のサウンドやオーラは、アメリカ製品には敵わないんだなぁコレが。

なんとなく見えてきた。

完璧なパーツを組み合わせて、完璧な製品を目指す日本製(アジア製はこの傾向)
完璧なサウンドを目指して、怪しい(笑)パーツを組み合わせたアメリカ製(カタチは全く同じなのに…)

エレキギターは楽器。だからサウンドが命。
日本製が追いつけないのはソコなんだよなぁって…ソレってGAFAに敵わない日本のIT産業の構図に似てない?(笑)

未完成でいいんだよ。人間には知恵があるんだから。その知恵を求められるモノにヒトは魅力を感じるんじゃない?
完璧な製品って、一時的な所有欲しか満たせない気がする。
人間然り。
未完成な人間ほど、魅力的なんじゃない?