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あ〜しくじった!を減らそう 読書録「意思決定の教科書」

「あ〜、判断を間違った。でも、もうこれでやるしかないな」という経験はないでしょうか?

後から冷静に考えると、「何であの時はこれでいいって思ってしまったんだろう」と言う経験はあると思います。この本はその原因と対策について書かれています。
この本は、ビジネスのための論文10本を集めた論文集です。専門用語が多かったり、経営判断の話ばかりで全体的に難しい感じはします。しかし、経営者でなくても同じだと思います。みんないろいろな局面で何かを決めて(意思決定)いて、それはどんな人でも共通だなと感じました。特に無意識で生じる心理的な問題が多いのですが、どれも身近な問題だと感じることがいろいろありました。

アンカリング
最初に何かの情報が与えられると、無関係だと分かっていても無意識にその後の判断に影響してしまいます。人間は判断する時に基準を求めてしまいますので、その基準を与えることで判断に影響を与えることができます。

「この商品は1万円以上すると思いますか?」
「この商品はいくらだと思いますか?」
と2つの質問を受けると、最初の質問の1万円が基準(アンカー)となってしまい、そこからの自分の意見なりを加えていくことになります。

昔、DAIGOさんがよくやっていた印象です。

現状維持バイアス
知らないものや経験したことのないものを受け入れるのに心理的な抵抗が生じ、現在の状況に固執してしまう傾向。私たちは無意識のうちに何もしなくて良い理由を探してしまいます。

サンクコスト効果
すでにお金や労力や時間を支払ってしまったという理由だけで損な取引に手を出し続けてしまう心理的傾向。

確証バイアス
これが正しいと思ってしまうと、自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなかったりする傾向。

些細なニアミスの慣れ
小さな失敗や問題(ニアミス)があっても、大きな問題にならないと慣れてしまう。しかしその状態に安心してしまうと、いずれ大きな問題を引き起こしてしまう。ヒアリハットと同じ。

潜在意識のバイアス
無意識の偏見。自分は人種や性別での偏見はないと思っていても、身近な状況から無意識に偏見を持ってしまい、判断ミスを犯してしまう。自分は道徳的で偏見がないと思っている人ほど要注意。
黒人犯罪が多い地域の判事さんが、休日に敢えて白人犯罪の多い地域の裁判を見に行くなどの例も載っています。

対話による意思決定、競争型ではなく探究型の話し合い
会議で誰からも反対がないので進めていくと、実は多くの反対意見があったなどありますよね。日本人の会議の典型かと思いましたが、意外にも海外にもありがちなんですね。本当の意味での対話を促していく必要があります。
自分の意見を通すための戦術的な論述や、支持するデータだけを提示したりといったことがあります。そうした競争型の会議ではなく、真実を探究する話し合い必要。

私のあるある判断ミスパターン

私がよく後悔する典型的なパターンは、この2つです。一つは、専門の人が言うことに従い、自分でよく考えずに決めてしまうパターン、もう一つは、まわりやその場の雰囲気に何となく流されてしまう、もしくは抵抗できない雰囲気に反論できないパターンです。
どちらのパターンも、日本人的だからか、それとも初歩的すぎるのか、本には載っていませんでした。私の最近の失敗パターン例です。余談です。

税金4倍の刑

古家付きの土地を買って新しい自宅を建てることにしました。ハウスメーカーの人に、年末ですし早く古家を解体しましょうといわれ、言われるがままにすぐに解体しました。前のマンションを買った時に、年末時点で家が建っているかどうかで税金が変わるって聞いたような気がしたけど大丈夫なんだっけ?と思ったものの、専門家が言うんだしと思っていたら、、、案の定、家に住み始めて数ヶ月後に数十万の固定資産税に愕然としました。まぁ古家で火事やら浮浪者の入り込みなどのリスクを犯したくないというのはあったのですが、たった2週間早く解体しただけなのに、、、

家族から責められる刑

娘の中学受験の受験校選び。併願校として家から遠い1校しか受験しないことにしました。私としては家から近い学校も受けておけばと思っていました。しかし、塾の先生からは、追加の勉強も必要になりますとネガティブに言われ、妻からは女子校だから娘も乗り気じゃないとネガティブに言われ、私だけが主張できない雰囲気。
結果、娘は家から遠い併願校に通うことになりました。同じ塾で同じ勉強していた他の子は、普通に受かってました。妻からは、学校が遠い、何で家から近いあそこも受けさせてあげなかったのと揶揄され。アレ?おかしいぞ。私ひとりのせいじゃないはずですが、当然私のせいになります。もし両方受かっても変に迷うだけだったとは思いますが、選択肢は多い方がよいはずですね。

評価

衝撃を受けた  :★★☆☆☆
役立った    :★★★☆☆
読み易かった  :★★☆☆☆
また読み返したい:★★★☆☆


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