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捨てる神拾う神① ~摘果林檎の旅路~

現在活動テーマ 摘果林檎の活用について

摘果林檎について知っている人はどのくらいいるのだろうか。

摘果とは、果樹栽培において大きな実を作るために事前に実を省く作業のことであり、そこで省かれたもののことを摘果果と呼ぶ。
主に林檎、桃の栽培においてなくてはならない作業である。摘果果は基本的には農場にそのまま捨てられる。これによる肥料としての栄養効果があるかどうかはわかっていない。多少はある、はず。
実際には畑のごみであり、作業における事故の原因となる障害物や害獣被害の発端となり問題となっている。

私は農学部生であるが、恥ずかしながらこのプロジェクトで活動するまでこの「摘果」というものを知らなかった。みんな知らないだろうと思っていたが、活動していると「知ってるよー、あの青い時期に省いちゃうやつでしょ」と知っている人は意外と多いらしい。恐ろしや長野県民のりんご愛。

摘果林檎は大体5~7cmほどの物が多い。
個人的に食べてみたところ、未熟果であるため渋く、青臭く、酸味が強く、あまりおいしくはない。また、香りは成熟果と同等程度に感じる。


摘果林檎商品の試作会、これはメンバーが一生懸命すりおろしている様子

この摘果林檎、通常の廃棄林檎の様にジャムやジュースにはできない。

なぜ通常の廃棄林檎の様にできないのか。
理由は薬剤散布の時期(防除暦)の問題である。廃棄林檎は本来出荷される予定であった林檎であるため、通常の林檎と同じように農薬のことを考えず使うことができる。一方、摘果林檎は農薬散布を出荷前日数を考えて散布するわけではないため、薬剤が付着しており食品利用ができない。

現在プロジェクトで用いている摘果林檎は、農家さんからもらう際に防除暦をかいくぐった、薬剤の影響がないとされているものを使っている。
ただ、商品の材料として活用するために防除暦を変えることは最終産物の質の低下が懸念されること、周辺の農家の農場・栽培物に影響を与えることから難しい。

もし摘果林檎の活用が実現できたとしたら、林檎農家さんにとって収入が少ない夏の時期の収入になる、産業廃棄物を減らすことができる、労災・害獣予防になるなどメリットは沢山である。

このように、摘果林檎は使うためには色々な課題をクリアしなくてはならない。だからこそ考え甲斐があるし、利用を実現する価値がある。

がめつい私はこれを商売にできればバズるだろうと食いついた。
しかし防除暦問題はあまりにも大きく、食品利用だけではなく、人の体に付ける物であれば農薬の問題は無視できないため、アイデアを出してもなかなか実現に向けて進むことはできていないのが現状である…。悲しい。

それでも、摘果林檎について知ってもらうだけでも活用方法について考える人やアイデアが少しでも増えれば良いなあと思いながら活動を続けている。是非摘果林檎の活用について興味を持った方、こんなアイデアがある!という方はインスタのDMかメールでご連絡いただければと思います。
一緒に何かしたいです。というか乗っからせてください!

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