2023/2/22ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立箕面高等学校~《後編(質問回答編その1)》
みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ
2023年2月22日、
大阪府立箕面高等学校の2年生の生徒さんを対象に
げんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
※大阪府立箕面高等学校HPはこちら
※2年生人権HRについてのHPはこちら
今回は、生徒のみなさんにいただいた質問の内容と回答「その1」を掲載していきます!(回答数94件のうち、掲載許可をいただいた質問のみ)
体験型ワークショップ/講演の概要はこちら↓↓↓
質問の内容と回答「その2」はこちら↓↓↓
2023年3月現在の講師(げんのすけ)による精一杯の回答です(笑)
もちろん、あなたの意見がげんのすけと異なっていても問題はありません。
考えるきっかけや参考にしてもらえると嬉しいです。
また、何かご意見やご相談がある方、あなたの考えをシェアしたいと思われた方はふむふむまでご連絡いただけると幸いです。
質問1. ふむふむの由来はなんですか?
回答1.
基本コンセプトは”ちがい”を知って理解し合うことで、生きやすい社会をつくるです。
だからこそ、いろんな”ちがい”を知るきっかけを作りたいと思っています。
その”ちがい”を知ったときに、「ふむふむ」と思わず言ってしまうようなきっかけを提供したいので、「ふむふむ」にしました。
質問2. 普段はどのような活動をされていますか?
回答2.
「ふむふむ」と思ってもらえるようなサービスを提供しています。
今回受けてもらったワークショップや講演の他に、さまざまな経験をしている人の話を聴けるウェビナーや「個性學」という人間学を活用したセミナーやコーチングをしています。
詳しくはふむふむHPをご参照ください。
質問3. (げんのすけは)いつから「男性だ」と思うようになったのですか?
回答3.
いつからというよりは、そもそも自分は「男性だ」と思っていました。
幼稚園の年中のときに、男女で分けられるタイミングがありました。
そのときに、ある男の子に「君は女の子なんだからこっちじゃないよ」と言われ、その指摘で初めて気づきました。
その後、中学3年生になってはじめて「性同一性障害」という単語を知りました。
質問4. (げんのすけは)女性のことが好きだ、付き合いたい、結婚したいと思っていますか?
回答4.
今までは女性としか付き合ったことがありません。
今は男性として女性と結婚しています。
ただし、男性と付き合うのが「なし」という訳ではありません。
「ストレート」というよりは「バイセクシャル」に近いのかなと自分では思っていますが、そこは経験がないので未知の部分です。
質問5. 体が男性になって変わったことはありますか?
回答5.
自分の身体に対しての不快感や嫌悪感は大幅に軽減されました。
ただし、どこまで手術をしても「本来の男性(生物学的な男性)」になれる訳ではないので、もし「本来の男性(生物学的な男性)」の身体であれば、『どのような感じなのかな?』と思うことはあります。
質問6. 戸籍を女性から男性に変えるときは大変でしたか?
回答6.
手間はかかりました(笑)
手術する段取りや、金銭や時間の段取りもそうですし、手術後の書類手続きなど、戸籍変更のためにしなければならないことはたくさんありました。
幸い、協力してくれる人がたくさんいたので、前向きに捉えて行動することができました。
質問7. おひげ(髭)はどうやって生やしているのですか?
回答7.
あまりよくはないかもしれませんが、頭皮用の育毛剤を顎と鼻下に塗ったら、毛が生えてきました(笑)
質問8. 家族に打ち明けるまで時間はどれくらいかかりましたか?
回答8.
高校2年生のときに母親に伝えました。
家族に伝えないといけないな…と思い始めてから半年くらいはかかりました。
当時、親と寝室が一緒でしたが、朝学校に行かないといけない時間になっても僕が布団から出てこなかったので、母親に「学校に行かなくていいの?」と聞かれました。そのときに「実は、言わないといけないことがあって…」という風に打ち明けました。
「(自分は)男だと思う…」と少し遠回しな表現で伝えたのを覚えています。
もともと性別にとらわれない育て方をしてくれたこともあったので、母親の最初の反応は「勘違いではないのか?」というものでした。
質問9. 性別が変わる前は友達とはどんな感じで接していましたか?
回答9.
僕の場合は、変更前後で特に変わりはないです。
ただし、「性同一性障害」という単語が世の中に知られ始めたころ、当時のTVでの伝え方に偏りがあったので、「自分は『障害』ではない!」という思いがありました。そのため、「あいつもそうなんじゃないの?」と言われるのが怖くて、中学3年生のときは逆に女の子らしくふるまっていました。
質問10. 1番大変だったことは何ですか?
回答10.
一言で言うと、「内向すること」。
自分と向き合うのが一番大変だったし、人生の中で一番時間をかけたことです。
質問11. 生活する上で不自由があったことはありますか?
回答11.
見た目が「少し男性らしいかな?」という頃で、まだ生理が止まっていなかったときに、生理用品を購入する際に不審がられたこと。
あとは、今でも困るのは外出先でのトイレ。
立って用を足すことができないので、男性トイレの個室を使う必要があるのですが、そもそも個室の数が少なく、他の方が使用中の時はなかなか空かないことが多いので、トイレに行くタイミングは難しいなと思います。
他には、子宮卵巣の摘出はしたけれど、膣閉鎖はしていないため、今後何かがあって婦人科に通う必要が生じたときに、どう対応するかは考えないといけないなと思っています。
質問12. 「+」にどのような人が含まれるのか気になりました
回答12.
2023年3月現在では、「+」には130種類以上のジェンダーやセクシュアリティが含まれていると言われています。
ストレートまたはシスジェンダー(生物学的性別と自己認識の性別が合っている人)以外で「自分はLGBTQIAにはあてはまらない」という人が「+」に含まれています。
どのような人が含まれているのかが気になったということは大変素晴らしいことだと思います。
まずはインターネットやSNS等で、どのような人がいるのか調べてみるのもいいですね。
質問13. 差別で嫌な思いをした経験はありますか?
回答13.
あります。
ただし、幸運にも多くの場合は相手に「傷つけてやろう」というつもりはなく、知識がないために出てきた発言や、悪意のないノリのようなものでした。
また、年齢や世代的にLGBTQIA+の人と関わる機会や、情報に触れる機会が全く無かった人たちが困惑した結果、とってしまった言動もありました。
もちろん多少傷つきはしましたが、その人たちに「なぜそのような言動をとったのか」を聞くことで、理由を知る努力を普段からするようにしています。
質問14. lgbtqは生まれつきのものなんでしょうか?
回答14.
2023年3月現在では、基本的にはLGBTQIA+は先天的なものとされているようです。
ただし、先天的かどうかに関わらず、「気づくきっかけ」がなかったという理由で、後々になってから気づくという方もいます。
質問15. 友達のお兄ちゃんがLGBTで20歳まで打ち上げられなかったらしいです。もしかすると周りにLGBTの子がいるかもしれない中、自分が気づいてあげることは出来ないのでしょうか?
回答15.
目で見てわかる、ということでもないこともあるので、気づきにくいことも多いかもしれません。
もちろん、気づいたときにしてあげられることはあるかもしれません。
事前に気づいてあげられるかどうかよりかは、「どこかで誰かがあなたの知らない何かで困っているかもしれない」というアンテナを張っていることに意味があると思います。
見た目ではわからない問題は世の中にたくさんありますが、それらに対するアンテナを張れるかどうかがだいじです。
見た目にはわかりにくい問題があるということを知り、そのような問題で悩んでいる人がいるかもしれないというアンテナです。
「もっと早くに気づいてあげられていれば…」「もしかしたら(知らない間に)傷つけていたかもしれない…」と思うことはあるかもしれませんが、やはり先に気づくのは難しいと思います。
もしかしたら勘違いや思い込みかもしれないし、仮に当事者であったとしても、相手はあなたに気づいてもらうことを求めていないかもしれません。
当事者の気持ちを尊重することも忘れないでください。
ただし、ご質問のように考えられるあなたの気持ちは素晴らしいと思いますし、そう思っている人がいることで救われる人もたくさんいると思います。
世の中にはどのような人がいるのか興味をもつこともとてもだいじなことですし、機会があれば調べてみるのもよいと思います。
質問16. もしそういう人から相談を受けたとき、話を聞くだけで大丈夫なのでしょうか?分からないなりにも何かしらの言葉をかけるべきなのでしょうか?
回答16.
「そういう人」をLGBTQIA+の人と仮定した場合、当事者が何を求めているかによると思います。
例えば、当事者は話を聞いてほしいだけなのか、具体的なサポートを必要としているのか…。
別の見方をすると、あなたとの関係性にもよると思います。
結論を言ってしまえば、この質問に明確な答えはありません。
もし当事者があなたにカミングアウトをしたのであれば、それはあなたを信頼している証拠でもあり、あなたに「知っておいてほしい」という前提で話をしているということです。
その想いを受け止め、わからないことは素直に聞いたり、当事者が何を望んでいるのかということにしっかり耳を傾けてコミュニケーションをとることがだいじだと思います。
さて、ここまでいかがでしたでしょうか?
文字数が増えてきたので、この続きは「質問回答編その2」でお楽しみください^^
「その2」はこちら↓↓↓
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