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ベルリン最高峰のスパに行く

現地の言葉がある程度話せても、異国の地で暮らすことはどこかしら窮屈さを感じる。
日本と違ってストレス発散ができる娯楽が少ない中、ここスパ“bavali”は私にとって唯一の楽園だ。


このスパはベルリンでナンバーワンと断言できるほどクオリティが秀逸だ。
その高い評判は地元民の耳にも入っており、訪れる際は大抵入場待ちで沢山の人が並んでいる。
なので利用する際は時間帯予約しておいた方がスムーズに入場できて賢明だ。

月曜の15時半に訪れたにも関わらず列が出来ていた


何が優秀かと言えば、広大な敷地、13のサウナという充実した設備、そして何より確立された世界観が挙げられる。
更衣室を出ると、東南アジアの高級リゾートヴィラを思わせる空間が広がり、まったく異なる雰囲気が漂う。最初に出迎えるのはこのプールだ。

実際はもっと気品がある

このスパでは、「textilfrei」というルールがあり、つまりプールやサウナを利用する際には裸であることが求められる。
年齢や性別に関係なく、皆が自分を解放し、ありのままの姿でこの世俗から離れた空間を楽しむ。


いつものルーティーンで軽くシャワーを浴びて、最初は難易度優しめのから入っていく。その後他のサウナにも徐々に慣れていくパターンだ。


ハーブサウナ 温度45℃/湿度55%

脱いだバスローブをフックにかけて、バスタオル一枚で入ってみた。ラッキーなことに、こじんまりとした空間には他に利用者がいなかった。スペースも余っているから、バスタオルを敷いて仰向けに寝転がることができた。

ぽかぽかと心地よい暖かさが広がる。
湿度もそれほど高くないから、息苦しさは感じない。むしろ、心地よさを感じた。
じっくりと時間をかけて筋肉を緩めていく。目を閉じると、思考がどんどん溶けていくのが分かった。浄化されていくのを感じながら15分ほどそのままで過ごした。

インフュージョンサウナ

次は屋外のサウナに行くことにした。ちょうどセレモニーが始まる前のタイミングだった模様。開始時刻にはサウナは満員になっていた。
インストラクターのお兄さんが利用者たちに、細かな粒子の結晶が詰まった小皿を回す。
最初は塩分補給用かと思って舐めたら、甘かった。実はピーリング用の砂糖だった。
今回は柑橘系のアロマオイルを含んだ水を使うそうで、それがサウナストーブの上にかけられる。
一気に蒸気に変わって、お兄さんがタオルを振ってサウナ中に広めてくれる。
爽やかな匂いが広がって、心がスッキリする。
30分から1時間おきにこんな感じでなんらかのプログラムをやってくれるから本当にいい。
vabaliに来るたびに満員になっている光景を見かけると、やっぱりインフュージョンサウナは人気なんだなと感じる。


パノラマサウナ

ネットに該当サウナの写真がちょうど上がっていた

屋外の景色を眺めながら楽しめるサウナだ。
通常、サウナは閉鎖的な感じがするが、ここは大きな窓ガラスが設置されているため、光が差し込み開放的な雰囲気がある。
ぼんやりと外を眺めながら過ごすのがマスト。


ゼンサウナ

別のサウナに行ったら、ちょうど何かしらのプログラムが始まるタイミングだった。
前述のものとは違って、ここは普通のサウナだ。
インストラクターがチベット仏教で使われてそうな銅鑼や金色のお椀を持ち込んできて、瞑想の時間が始まった。
指示に従って、最初は深呼吸をする。
鼻から息を吸って口で吐く。それをしばらく繰り返した後、目を閉じる。
コーン⋯と鐘の音が空気を震わせた。
次は別の高い音色が心地よく耳に響く。
ぽかぽかと暖かいサウナの中での精神統一は案外悪くなかった。気がついたらセレモニーが終わる15分最後までいた。


他にもたくさんのサウナがあったけど、4時間というリミットの中でごはんタイムや休憩時間も含めたら全部は回り切れなかった。
利用料は4時間滞在食事代も合わせて60ユーロ。
楽園での体験を終えて、心身ともにリフレッシュされた。ベルリンの日常から一時的に離れ、bavaliの魔法に包まれた時間。また訪れたいと心から感じる、至福のひとときだった。

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