木曜夜の仕事帰りにカウンター席で飲みながら考えること

私の住む街は各駅停車しか停まらない小さな町だけど、木曜日だというのにお店はあっという間に満席になった。つい10日前に初めて入ったここ、良い。すごい良い。店員さん好き、ご飯好き、流れてる曲のチョイス好き、客層好き。一人で外で飲むなんていつぶりだろう。でも、今日はここ以外考えられなかった。

最近の私はえらい社交的だ。友達の友達と仲良くなったり、15年ぶりの友達と会ったり、友達の旦那さんにすぐ会いたがったり(私の好きな子の好きな人なので、楽しいに決まっている。と思っている。実際にめちゃくちゃ楽しい)。会社でも隙あらばまわりの人とおしゃべりしている。今日はよくわからない異国のお菓子を回してみんなでつまんだ。滑舌悪いし声小さくてよく聞き返されるけど、おはようございますの声だけはいつもまあまあでかい。これは前からずっとそう。

公式LINEの通知を機械的に処理。ストーリーに一人飲みの様子を投稿したら、5分で姉から「一人飲みなう 一緒だね」とコメントがつき、なんだか救われる。駅前で、5歳くらいの男の子の「ママの好きな人って誰？」という問いに「好きな人は一人じゃないよ。たくさんいるなあ」と母親が答えるのが聴こえた。「パパでしょ、おじいちゃんおばあちゃんでしょ、◯◯ちゃんに△△ちゃんに…」と続くと、「じゃあ好きな人ムゲンだね！」と男の子が言った。

会社で、文章が上手だとよく褒められる。メールやマニュアル作成、社内通知など、言葉で説明するのが上手だと言われる。だけど実際は丁寧で堅い言葉選びよりもずっと、くだけた言葉、崩れた言葉を扱うことの方が得意な気がする。上手だと思う。強いと思う。伝わると思う。

マッチングアプリや婚活イベントで知り合った人は19人目だけど、19人目にして初めて、特段記録したいことがない。今まではiPhoneのメモ何スクロールもできるくらい思うことあったのに。よくも悪くも、なんもない。私は恋人候補を探しているのではなく、友達になりたいのだと、初対面で伝えた。条件で人を好きになることができない。二人で数回ご飯食べただけで好きになることができない。文通のような連絡をし続けるのも苦手だし、会ってすぐ次の約束をするのも、3回会って告白したりされたりするのも好きじゃないと。伝わったと思う。どうやったら友達っぽく仲良くなれるか考えて、少しずつそれっぽくなっている。

ちょうど1時間、2,160円。最初から最後までずっと気持ちが良くて、やっぱいい店だった。またすぐ来よう。さ、トイレットペーパー買って帰ろ！アイスも買おう。