物語全体でタイトルを回収してくる感じの映画、好きなんです。

【アイアムアヒーロー】という映画。

まず言っておくとね、ほんっっっとに怖い。

尋常じゃないくらい怖い。
ZQNは所謂ゾンビと違って、
すごい走るしすごいガチで戦ってきます。
予告にも出てるめちゃくちゃ怖い奴が1人いるんですが、
鑑賞中にそいつに対して確実に1回は「うわぁぁぁああ!!!!!」って叫ぶと思います。
ゾンビ系の映画に詳しいわけじゃないんですが、ネットの評価見ている限り、
『日本のゾンビ映画のクオリティとは思えないほど怖かった』
という意見が多くて、その界隈にも好評みたいです。

でね、この映画の何が好きかっていうと、
大泉洋がかっこいい。まじでかっこいい。
【水曜どうでしょう】が好きで、
大泉さんがオトナに騙され虐められ(?)てるのを見るのが大好きなんですが、
その大泉さんに近いものを感じたんです。
もちろん、藤村Dや嬉野さん、ミスターにはZQNのような怖さはないけど、
(あれ…“ない”で合ってるよな…?)
恐ろしくて逃れられない何か大きな存在に追いかけられ、狙われているという点では同じなんじゃないかと…(笑)
まあそれはさておき、
ラストに英雄が大量のZQNと戦うシーンがあります。


それまでの人生なんとなく、
彼女ともなんとなく、仕事もなんとなく、
“変わりたい”“売れたい”
“彼女を幸せにしたい”
色んな思いがありながら、
モヤモヤしたまま、
前に進むことが出来ずにいた。
そんな彼が、自ら立ち上がった。
ヒロミちゃん達を守ろうと、
生きようとして、立ち上がった。


何もかも失ってどうしようもなくなった時、
人生の絶望のようなその時であっても、
人は変わることができる。


英雄はそれを実現させました。
ここがまじでかっこいい。
なんて言うんだろうなぁ…
男じゃないけど、
「同性から見てもかっこいい!」
と言いたいようなかっこよさ。
いや、性別関係なく、人間的なかっこよさと言うべきでしょうか。
とにかくかっこいいです。
…かっこいい言い過ぎだね。いやでもかっこいいのよ(笑)


それと、有りがちな
「こんな状況だし、みんなで助け合っていこうね!」みたいな雰囲気じゃなくて、
あくまで人間の嫌らしさを描いているのも好きです。
むしろああいう危機的状況においては、みんな欲望丸出しになるんだろうなと思います。

女優さん方も素晴らしいです。
ヒロミちゃん役の有村架純ちゃんは、
本当に感情あるのかないのか分かんない、
生きてんの?死んでんの?って聞きたくなるぐらい、丁度良く半分人間半分ZQNを演じてて、だから全く違和感なく観ることができた。
ちょっとでも違和感覚えるとそっちに気が行っちゃうけど、
ヒロミちゃんは常に英雄達の中心でありながら、映画としては常に脇であり続けてた。
そして、藪さん役の長澤まさみさん。
本当に美しい。美しくて強い。かっこいい。
藪さんメインのサブストーリーがあるんだけど、そっちは映画より怖いらしいので見てません。
藪さんは、看護師として、患者を守りきれなかった苦い辛い思い出があるから、
だから簡単にヒロミちゃんを見捨てることはしなかった。
そして英雄のことも。
英雄を見限ったりせず、鼓舞して、最後まで一緒に戦ってくれた。
なんてかっこいい…ガチで惚れます。


唯一ゾンビ映画で好きな作品なんですが、
めちゃくちゃ怖いので安易に人にオススメ出来ないんです。
本当は全国民に観てほしいぐらい。
どうか、“怖いのムリ”という壁を取っ払って観ていただきたいです。


“えいゆう”英雄が、
“ただの”英雄になった時に、
初めて英雄になれた。
“ヒーロー”になれた。


【アイアムアヒーロー】というタイトル、
ばっちり回収されます。

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