動物と暮らす。Vol.80「動物との関係はどうなっていくのか」

こんにちは。
perromart.jp 獣医師スタッフの原 駿太朗です。

「ペットは家族である。」

少なくとも私が獣医師を志し始めた2000年代からなんとなく日本の中ではこんな意識がペットペアレントの中で強くなっていったように感じています。

もう少し前からだったのかな?
そして今でも田舎の方では決してこうではないよな、とも思いますが…。


時代を遡ってみると、昭和初期などは確実にこの意識ではなかったようです。
少し調べてみると昭和初期の犬猫についてこんな写真と記述が出てきました。



 

昭和初期の頃は猫を飼っている家も今のように多くはなく、猫の餌と言えば残飯が中心だったそうです。

それこそ残飯も少ない時代だった事から、猫にも野性味があって、
《ねずみや小鳥を口にくわえた猫》はよく見かけたそうです。

出典:http://syowakara.com/05syowaC/syowaC25cat.htm 


文章では猫についてのみの言及ですが、犬もほとんど似たような状況だったのでは、と想像しています。
この時の犬猫と人間の関係は決して今のような家族やパートナーではなく、むしろAlexaとかロボット掃除機的な「いてくれると生活助かるわよねー」くらいの存在だったのではないでしょうか。

写真が撮られた時期が昭和10年(1935年)ですから今からほんの90年ほど前のこと。

たった90年でペットの存在は家の中でロボット掃除機から家族にまで変わったんだ。と考えると恐ろしい変化ですよね。
それに自分がお世話になっている院長などの話を聞いていると実際は90年で徐々に、というよりここ10-20年の急な変化な気もしています。
それも局地的な。

この変化自体が悪いとは全く思いません。
動物たちの平均年齢も倍近くになり、QOL(生活の質)も明らかに上がった感覚があります。
私たちも家族としてより深く結びつくことで彼らからとても多くの幸せを分けてもらえていると強く感じています。

ただ、私が今すごくボンヤリとですが思っているのが、この関係の変化が本当にいい変化なのか、ということです。


・ペットにとっては室内飼育であることで、安全かもしれないが前みたいに自由で楽しい生活ではなくなったかもしれない(事実、窓際に多くの猫は陣取っていますよね。)
・人間にとってはより自分自身がペットたちに与える影響と責任が増えたことで今までに比べてはるかに多くの悩みに悩まされ、ペットと暮らすことを必ずしもポジティブに捉えられなくなるケースが生まれているのではないか。

だとしたら、ペットと、もう少し広く捉えると動物と暮らす形は今後、どのように変化していくと双方がより同じ立場で同じように意思を表現しながら自由に、でも助け合いながら共に生きていけるのでしょうか。


この大きくてつかみどころのない課題に対して、自分の感じたことをただ書きつらねていくような感じになってしまいますがここで考えてみたいなと考えています。

次回以降は、まず動物との歴史の変遷をもう少し深掘りしてみようかな。と思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。また、次回

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