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動物と暮らす。Vol.63 慢性疾患は難しい。

こんにちは。
perromart.jp 獣医師スタッフの原 駿太朗です。

私は今でも週末は動物病院で診察を行なっています。

病院の中には数頭の保護猫が貰い手を探すために常時預かりで暮らしています。

その中に「ブリュレ」という猫がいます。

彼女は病院に来た頃からずーっと慢性的な下痢に悩んでいました。


カルテを振り返ってみると数々の獣医師たちがブリュレの慢性下痢に立ち向かってはなかなか改善せず、崩れ去っていた過去が…。

「よし、ならば我こそが!」と立ち上がり治療を開始したのがおおよそ半年前。

ブリュレさんは保護猫。
飼い主もいないため、検査、治療などにはそこまで金額をかけれないという制約があります。
(麻酔をかけての病理検査、高い薬などもやってみる価値はアリアリなのですがなかなか使えず…。)


そこで私が目をつけたのが、「食事」


ブリュレはもともと慢性下痢ということで消化器疾患用、もしくは食物アレルギーなどを考慮したフード選択になっていました。

商品開発をしている獣医師ならではのアプローチでやってみようと思い、括りにとらわれずに原材料やメーカーベースで色々試してみることに…。


すると…

形が少し安定してくるようになったんです!!(まだまだ完全な快便ではないですが…)


それはそれは凛々しかったです。

そこからのもうひと伸びに今は悩んでいます…。

少量ながら投薬も並行しながらで減らすとやはり下痢の頻度が増えたり…。
整腸剤だ!と思ってあれこれ試すもどれも飲んだらすぐに嘔吐の嵐…。

うちの病院にいる看護師さんたちは本当に優秀でアイデアマンな人だらけなのですが、その一人が「病院の環境が良くないのかも。自宅でホームステイさせてみたらどうか?」と提案してくれて現在、それを準備しているところです。

つまり何が言いたかったかというと、慢性疾患って本当に治療が難しいということ。
そもそも慢性化するくらい色んな要因が複雑に絡み合ってるからかもしれないのですが慢性化していく過程の中で複雑化してしまうケースも間違いなくあると思っています。

そんな時に、商品開発の視点から「食事を選び直してみよう!」と考えられたように獣医学的観点以外の視点から病気を考えられるようになることが非常に大切なんだ。
とブリュレに教えてもらいました。

ただひとりで視点を増やしていくには限界があるので、時には看護師さんの視点、時にはそれぞれの飼い主さんの視点、とチームで取り組む。

そのためにはとにかくしっかりと耳を傾ける。

当たり前ですが、そんなことをここまでの振り返りとして感じています。


あとは、結果をだすのみ!!
これからもブリュレの慢性下痢との戦いは続きます…。笑

ここでもまた続報をお伝えできる機会があるかも?


最後までお読みくださりありがとうございました。それでは、また来週

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