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あらゆる場所の、あらゆる意味変化を探求する。雑誌「255255255」掲載コンテンツのご紹介

ついに来週の10月16日(金)に進化し続ける意味の変化を捉える雑誌「255255255」が発売されます。
36ページとページ数こそ多くはないものの、掲載している全8コーナーでは(特集テーマ)様々な場所で生じている(雑誌コンセプト)意味の変化に迫る内容をお届けします。結果、起業家、クリエイター、映画監督、言語学者など、異なる方向に突き抜けた方々の視点を取材・寄稿を通して集めることができました。

Contents
03 [巻頭言]255255255創刊に寄せて
04 [グラビア]記憶の手触り 写真=若木信吾(写真家)
08 [特集ルポ]新陳代謝し続ける場所
  Case 1: ネクストコモンズラボ
  Case 2: フィッシャーマン・ジャパン
  Case 3: ミニシアター
  対談 新陳代謝し続ける場所とウェルビーイング
  渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)×神谷憲司(本誌編集長)
20[コラム] 宇野常寛(評論家)に聞く オンラインは僕たちの居場所になったのか
22 [オピニオン]家考。 文=村上慧(アーティスト)
25 [NEWS]変化のネタ帳
28 [調査&インタビュー]令和の復権 テーマ「コインランドリー」
30 [小説]2050のさよなら
32 [インタビュー]拡張する場所 講師=飯間浩明(辞書編纂者)

来週の発売に先がけて、取材・寄稿コーナーの内容と読みどころをご紹介します。

【特集】新陳代謝し続ける場所 

今、かつての役割を失ったり衰退したりした場所の中には、新しい役割や価値を持ち復権している “場所”があります。それらの場所が、かつてどのような意味を持っており、なぜ衰退したのか、今なぜ再び新しい価値を持つようになり、どのようにすれば持続可能性のある発展を遂げることができるのか。特集では3つのケースを通してそのヒントを紐解きます。

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特に地方において持続可能性のある場作りを行うにあたり看過できないのが自治体・地元民・外の人間をいかにして共存させるかということ。Case 1では、「ポスト資本主義社会を具現化する」というビジョンを掲げ、人材や情報、資源などが自由に行き来する社会の実現を目指すNext Commons Labのファウンダー 林篤志さんに場所を新陳代謝させていくための仕組みづくりについてインタビューを行いました。
Case 2でお話を伺ったのは一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン事務局長の長谷川琢也さん。衰退の一途を辿る漁業を再生させ、次世代へつなげるための持続可能な活動を実行しくためのヒントをお話しいただいてます。
Case 3ではコロナ禍により危機に瀕し、今まさにその役割や意味を問われているミニシアターに着目。

民主主義の本質は、多数決には現れない声を社会制度に反映させていくことであり、そのためには声なき声を顕在化させることが必要。映画はその役割を担うことができます

こう話すのは、ミニシアター・エイド基金の発起人の一人である映画監督 深田晃司さん。市場原理主義とは一線を画し民主主義の発展に貢献してきた映画・ミニシアターが担う本質的な役割とこれからの在り方について、新たな視点を獲得できる記事となっています。

これら3つのケースを通して「新陳代謝する場所」をつくり、それを持続させるために重要な鍵となるのはそこにいる人たちの「ウェルビーイング」ではないか? そんな仮説を立てた編集長 神谷が、ウェルビーイングを研究するNTTコミュニケーション科学基礎研究所 渡邊淳司さんとの対談を通して「新陳代謝する場所」を作り出すための一つの解を提示したのが対談「新陳代謝し続ける場所とウェルビーイング」です。

[コラム] 宇野常寛(評論家)に聞く オンラインは僕たちの居場所になったのか

スマートフォンの普及により常時接続がスタンダードになった昨今。オンラインとオフラインの境界が非常にあいまいなものとなっています。SNSやゲーム、ネットサーフィンと、長く「入り浸る」こともできるその空間は、今も居場所たり得るのだろうか? インターネットによりもたらされた”便利さ”は私たちの”豊かさ”につながっているのだろうか?
「遅いインターネット」を提唱する評論家 宇野常寛さんのお話から、オンラインとオフラインが共存する2020年代の場所の在り方についてその手がかりを探ります。

家考。 

発泡スチロール製の小さな「家」を背負って日本中を歩いたアーティスト 村上慧さんの寄稿記事。2020年3月に行った家を動かしながら移住生活をするプロジェクト「移住を生活する 東京2020」の中で、ファミレス店員や警察官などの会話を通して「家とは一体なんなのか?」その問いに迫ります。

もし今「移住を生活する」をやっている最中であれば、お金を払ってカフェに入るしかない。その時はカフェも”家”の1部屋である。僕はそれを「書斎」と呼んでいる。トイレやお風呂も、同じように街から探す。それらと「僕の家(この場合は『寝室』と言った方がいいかもしれない)」との関係を、僕は「間取り図」として描いている。

令和の復権 テーマ「コインランドリー」

コインランドリーと聞くと、ちょっと薄暗くてちょっと貧乏くさいイメージを思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか?そんなコインランドリーという場所が、令和の世においてピカピカの洗濯機が並んだクリーンな空間や、地域コミュニティのハブになったりと復権の兆しを見せています。コインランドリーがいかにして変容してきたのか、そしてこれからの進化の可能性について、コインランドリー刑事 藤原健一さんにお話を伺いました。
この企画担当でありインタビュワーを務めた編集部員 大本は、海外/国内問わず旅行した際にはまず地元のコインランドリーに立ち寄るという大のコインランドリー好き。「地元住民が集い、せっせこ洗濯ものを出し入れしている様子を見ていると、街の生活の縮図を見ているようで、自分もその街に溶け込んだ気がして、嬉しくなる」と嬉しそうに話す姿が印象的でした。
マニアックな二人のコインランドリー談話は必読です。

P28-29_令和の復権

2050のさよなら

未来のお葬式の形を描く読み切りSF小説を掲載。
執筆は自身を「葬式富裕層」と評する編集部員の北村。本人の得意とするシナリオ・プランニング的な発想で、デジタル技術やAIが今よりも生活に根付いた2050年に”もしかしたらそうなっているかもしれない”未来をショートストーリーでお届けします。

私自身、不謹慎かもしれないが「葬式富裕層」と自称するほど、人の葬儀に出ることが多い。こうした「当たり前」の強い現場ほど、意味や姿が変わっていくのだろうという思いは強く、普段の未来予測の手癖も使いつつ物語を組み上げてみました。(編集後記)

拡張する意味

コロナ以降、「密」という言葉に接する機会が増えました。この言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか? どちらかというとネガティブなイメージで解釈される言葉になりつつありますが、本来はどういった意味を持っていた言葉なのか、どういったシーンで使用されている言葉だったのでしょうか。
言葉は意味の変容が断続的に起こり続けます。「拡張する意味」では「密」という言葉を通して言葉の意味がどのように変容するのか、また言葉が新しい意味を獲得するとはどういったことなのか、言語学者・辞書編纂者として言葉を観察し続ける飯間浩明さんが解説します。

★STORESでは事前予約受付中です

★刊行記念セミナーの開催が決まりました!

アートユニットとしてニューヨークを拠点に第一線で活躍中の「exonemo(エキソニモ)」千房けん輔さんをお招きします。

(編集部 小林)

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