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写経と読書をしました

10月、タイに2週間滞在していましたが
その目的は心身の療養的な
のんびり目的もなくふらふら過ごしたい的な

そんなものでしたが

一方で
2週間の間になにかやりたい
という気持ちもあって

・本1冊読み切ること と
・小説写経
を滞在期間にすることにしました。

小説写経は今年の2月28日に始めたのですが
私はいろんなことにすぐ手を伸ばしてしまう性分なので
なかなか進まず
それならタイに持っていこうと
小説とノートを携えて出国しました。

朝、コーヒーを飲みながら
夜、お酒をのみながら
日中、カフェで
読書と写経のための時間を作りました。

両方ともちゃんと2週間の滞在期間に終えることができ
達成感とまでは呼べませんが
「あー、ちゃんと生きてる、私」
と思えることができました。

もともと自己肯定感の低い私が
さらに自分のことを認めてあげられない状態というか
無気力というか

その無気力さえも
気づかないように
場所を変えることでごまかしていたので

生きていることを実感できて
これからも生きていける気がしました。

「生きている」とか
「生きていく」というと
大袈裟に聞こえるし
こいつ大丈夫か!?と思わせてしまうかもしれないけれど

忙しさのあまり
目の前のことしか見えていなかったり
仕事や職場が一番になっていたり
自分が一番大切なはずなのに
自分のことを置き去りにして日々を過ごしたりしていると

自分が生きていることすら考える余裕がなく
自分のことを省みる余裕もなくなって。

たぶん私だけじゃなくて
たくさんの人がそうだと思う。

だから、生きていることを実感することって
とてもいいなあって思いました。

無理矢理にでも自分を省みる時間を持つようにしたい。
・・・と言うは易しですが
実際はなかなかできませんね。

だから、小さな小さな
どれだけ小さくてもいいから
自分の好きなことをたった5分でもいいから
1日のなかでできる時間を持てたらいいなと思います。

そしてもっとたくさん
自分の「好き」に気づいてあげたいですね。

今年の2月
写経を始めた理由は、
なにか書くことをしてみたくて
(それでnoteを始めたのですが)
その前段階として、小説を写すことでなにか学べることはないかと思い自分の好きな小説を書き写してみることにしました。

選んだ小説は、写経を始める直前に読んでいて「いいなあ」と思ったもの。
重松清さんの「その日のまえに」


あとがきも好きです。


自分の文章の書き方や表現方法のなにかヒントになればよいと思い始めましたが、ヒントどころか雲の上というか、とてもこの作品を写したところで自分のスキルが上がるとは到底思えず。
が、小説を読んでいるとすっとばしてしまいそうな素敵な表現や比喩、語順など、やっぱりいいなあ、なんて思いながら書き写しました。身にはなっていないけれど。

写経は無印良品のB5ノート、2冊とちょっとになりました。
8ヶ月かけて、やっと終わりました。

写経の途中でノートが終わってしまったのので、急遽バンコクの無印良品で同じノートを買いました。
タイ価格のついたシール、剥がせないなあ。


いっぽうで、読むために持って行った本は
塩谷舞さんの「ここじゃない世界に行きたかった」
エッセイ集です。


数年前、知人に勧められた本。

本当は「書く」ことに焦点をおいて
書くスキルを磨くような本を持っていくつもりでした。

本屋さんのブックカバーと厚みで
これかなとキャリーケースに詰めたのは
文章の書き方の本ではなく塩谷さんのエッセイでした。

でも、このエッセイを持ってきていて
本当によかった。

私は本の感想を書くことがとても苦手なのですが
ことばのひとつひとつ
感覚のひとつひとつが
今の私が渇望していたものでした。

もっと長くアンテナを張りたい。
もっとたくさんのアンテナを張りたい。
アンテナを張るだけじゃなくて
そのアンテナでいろんなものを察知したい。

察知したものを自分で発信できるように
もっといろんなことを深く知りたい。

目の前のことを丁寧にしたいし
自分の言葉も、相手のことばも
ひとつひとつ大切にしたい。

そんなふうに思わせてくれるエッセイでした。

私がのんびりタイで過ごす間にしていたこと。
タイのスタバはあまりにも寒すぎて
読書は集中できなかったけど。

ちょっと、思ったより長くなってしまいました。

今日も生きよう。

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