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【お勧めの映画レビュー】保育者として映画『蛇の人』を見た感想

こんにちは☺

いつもブログをお読みいただきまして、誠にありがとうございます!!

今回は、今Amazonプライムで見られます映画『蛇の人』を見て、何かととても印象的でしたので、その感想などを書いてみようと思います☺

保育者視点になりがちですが、、汗


物語(ネタバレありです😓)


話はある会社の上司の方が、亡くなります。

それは自〇だったのですが、その原因が物語の最後に繋がっていきます。

そして、その直属の部下今西(西島さん)が行方不明に、、


その部下の同僚である、陽子(永作さん)に会社から行方不明の同僚を探すように命令が出ます。

結局、最終的には見つかるのですが、それが陽子の恋人の職場で働いていることがわかります。

そのこと自体、ちょっと怖いですよね、、😨

そして、探していくうちに行方不明だった彼の人となりが、少しずつ明らかになっていきます。

このような感じで、物語は進んでいきます。

居なくなった彼の成育歴

私はこのお話の主人公は、今西だと思ったのですが、

彼の成育歴が、物語の根本を作っています。

彼は芸事のお師匠さんの妾の子として生まれます。

そして、優秀であったため、師匠には認められるのですが、他の弟子や特に後継ぎには疎まれます。

立場上、いくら頑張っても、妾の子どもということで、基本的には認められることは無いと感じています。

幼い頃から、あくまでも妾の子であり個人としての『自分』という存在が無いのです。


ですので、母親も認められることは永遠になく、日陰で暮らしています。

本来、妾の子どもであろうと、誰の子どもであろうと、子どもはまずは個人として尊重され、大切にされ、無条件に存在していい!自分として生まれたことに価値がある!という、感覚が持てることが必須です。

基本的信頼感といいますか。

このことがこの映画の一番のテーマだと私には感じましたが、そんな彼を陽子は『ずっと見ていてあげる』と最後伝えます。

彼女は最初、今西のことを悪い人ではないと感じていましたが、他の同僚が彼を本当は『いい人』だと言っても、『そうなのかな?!』と疑うようになっていきます。

おそらく、どこかで何か同じ匂いを感じたのでしょう。

蛇の道は蛇という言葉がありますが、そうなのでしょう。

※「蛇(じゃ)の道はへび」(同類の者がすることはよく分かる)

そして、今西は過去にあちこちで好意を装い、実は悪意のある行動をしています。

そのような過去を知っていくにも拘らず、陽子は好意を持つようになっていきます。

では、今西はなぜあのような好意を装い、実は悪意のあることをするようになったのでしょうか?

今西の行動が出来たわけ

ここでまた蛇が鍵になります。

蛇は知識と知恵の象徴と言われることがあります。

洞察力がある喩えにも使われます。

おそらく今西は子どもの頃から頭が良かった。

そして才能もあった。

そして、芸事の世界に入ったということで、厳しい礼儀の元に育った。

厳しい礼儀作法はわかっているし、身についている、頭も良くて何でもこなせる。

「蛇(じゃ)は寸にして人を吞(の)む」(才能がある者は幼時からそれが現れる)ということなのでしょう。

でも、妾の子どもであり、母も虐げられていて、

自分が無い。

頭の良さや洞察力を活かし、自分の無さを埋めようとした結果、あのような悪意のある行動になったと思われます。


今西のような子どもはあちこちに居る?!

今西のような状態の子どもを私は過去に何度か見たことがあります。

それはどのような子どもかというと、

例えば教育者や警察官の子どもです。

教師や警察官の子どもが全てそうであるということでは、もちろんありません。

ですが、私はおそらくですが、1000人以上は子どもを見てきたと思いますが、私の経験だけでも、かなり偏っています。

周りの同僚からも同じ話を聞くことがありましたが、なぜ教師の子どもが今西と同じようになるのかというと、

礼儀や世間体にはとても厳しい環境に育つ
親は仕事上、他人の子どものことが常に気になり、自分の子どもも同じように見てしまうので、自分個人として尊重されたり認められたことが無い⇒自分が無い
両親の遺伝からか、頭がいい


これらが今西と共通する点です。

同じような境遇で育った子どもがどうなるのかというと、

例えば、

表面上はとてもいい子どもです。

先生の言うことも聞きますし、礼儀も正しいです。

でも、子ども同士や1人になると、本性が現れます。

言葉遣いもきつくなりますし、頭がキレるので、周りの友達をコントロールしたり、ひどいいじめを思いついたりする子どもも、中にはいます。

陽子も子どもの頃、同じような扱いを親から受けたのではないでしょうか。

自分に対して、悪意のある行動も、彼の自分への愛情からの行動と受け止め共感し、自分でも愛情を持つまでに変わっています。


誰もが持つ蛇

蛇は危険と誘惑の象徴だとも言われます。

人間なら誰もが悪意を持つことがあるということでしょう。

それは確かにあります。

人をコントロールしたいとか、立場的に上に立ちたいなど、邪悪な欲求はあります。

でも、そのような悪意の種は、子どもの頃に大きく育たないようにしないといけない。

人間である限り、本当の蛇になってはいけない。


※保護者予備軍や子どもの支援者にとって教訓になる、とてもいい映画ではないでしょうか☺


最後まで【お勧めの映画レビュー】『蛇の人』を見た感想をお読みいただきまして、ありがとうございました☺
もしご意見、ご感想などございましたら、コメントで頂けますとモチベーションになり、とても嬉しいです☺






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