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Wanderlust Garden 九十九里

こちらは、わたしが家族と一緒に九十九里で自力施工している庭のコンセプト。
京都芸大時代の卒業制作の対象地が九十九里の別荘の庭だったこともあり、その時に考えて決めたもの。「Wanderlust」はドイツ語由来の言葉で、本来は「旅への欲望」や「冒険心」を意味します。
「Wanderlust Garden」と聞いて、自然への旅心をくすぐる自由で冒険的な庭のイメージが湧いてきたらいいなと。

たとえば、自然界には「動物散布」と呼ばれる、鳥や他の動物が植物の種を運んで新しい場所に散布する現象があります。動物が種を撒くことによって植物はより広範囲に繁殖できる訳だけど、おかげで、庭を作っていると、思いもしなかった見慣れない植物との出会いの瞬間が訪れる。そういう時に、「デザインが崩れる」と思って、芽が出てきたらすぐに抜いてしまうのではなく、「お、ここに来たのか」と、しばらく様子を見たり、自然の流れを受け入れるおおらかさも、この庭では大切にしたい。

また、子供がホームセンターで見つけて「これ植えたい!」と言った、私的にはちょっと意外かつ微妙な植物も(笑)、とりあえず好きな場所に植えてみてもらっています。生態系を崩してしまう程繁殖する植物は別ですが、庭づくりに関わりたい気持ちを優先したい。
こうした一つ一つの選択が、コンセプトに相応しい庭を作っていく気がしています。

日本の気候や植生を大切にしながらも、様々な文化や自然の本質が融合した庭づくり、そして何よりも施主が作ることに関わることが、結果的にデザインとしても美しい庭だと信じているので、「Wanderlust Garden」と名付けて取り組んでいきたい。

日常風景/アゲハとヤナギハナガサ(三尺バーベナ)

冒険するほど広い庭を作るということではなく、目の前に起きている現象から見える、知りたくなる世界をどれだけ広げていけるのかということをテーマにこれから活動していこうと思っています。
デザイン面では、探究心をくすぐる仕掛けもいろいろと散りばめて取り組んでいることもあるので、それについてはまた別の記事でまとめようと思う。
私自身も、遊びに来る子供たちとも楽しみながら作っていきたい。
唐突な投稿になってしまったけど、この日々の記録を残しておこうと思う。
40代、新しいチャレンジ!


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