何も活動しなかった私が、平生どんな精神でいたか察していただきたい。大した研鑽もせず、苦心もせず、貢献もせず、ただ理想だけが肥え、肉への欲望と孤独と共に歳を重ねていく日々は、自己の嫌悪感と現状の厭世観を、着々と増幅させていった。私は無力のまま、その無力さを自ら否定するしかなかった。

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