ど素人がにじさんJ1コラボを機にサッカー沼に転がり落ちていった2ヶ月間の備忘録

●にじさんJ1コラボ発表

2024年4月15日、J1とにじさんじのコラボ予告に、推しの伊波くんがいることを確認した私は、ワクワクでコラボ発表配信を見ていた。波が名前に入っているから海沿いのチームかな?と安易な予想を立て、配信を見つつ何か別のことをしていた記憶がある。何をしていたかは思い出せないほど、当時の私にこのコラボへの熱量は正直さほどなかった。そもそもスポーツ観戦をしたことがない。ルールもろくに知らない上に、自分の運動センスが皆無なため、スポーツにはできるだけ距離を置いてきたタイプの人間だからだ。サッカーに限らず、どのスポーツも楽しいと感じたことがなかった。体育の授業での失敗経験があまりにも多すぎたせいだと思う。伊波くんのコラボ先が「名古屋グランパス」との発表を配信で見て、赤と黄色の色合いが熱くていいなと思ったのが、最初の感想だった。 

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#名古屋に到ライ  タグの誕生

まずしたことといえばTwitter(X)。#にじさんJ1 のタグをさかのぼり、昨年までのグッズや観戦レポから、コラボの様子を窺ってみた。どうやらアクリルスタンドなどのライバーのグッズを試合に持ち込んでもよさそうだ。生ビールと青空とユニフォームとグッズとフィールドで写真撮りたいな。野外で飲むビールおいしそうだな。ど素人なりに、これから始まるコラボに浮かれていたと思う。

そのうち、グラサポのみなさんのツイートに辿り着いた。読めばそれは、にじさんじファンに向けられたものが多く、敷居を下げるような配慮が嬉しかった。初心者向けのツイートや、名古屋グランパスの紹介、観戦のすすめと、幅広く手厚く迎えていただいている雰囲気を感じた。

しばらくTwitterに貼り付いて、名古屋グランパスについて検索し続けた。そのうちに、#名古屋に到ライ というタグが、グラサポの方発信で誕生したことを知った。Twitter大好き人間なので、タグが生まれるということは、特別なことだと思っている。伊波くんや伊波リスナー発信ではなく、お相手である名古屋グランパスのサポーターの方々からの発信には感動した。コラボに対してよく思わない方もいるだろうと思っていたら、まさかの歓迎ムードを短時間で一気に浴びて、正直かなりテンションが上がった。自宅から豊田スタジアムまでの距離と時間、交通費を調べて頭を抱えつつも、ワクワクしてこの日を終えた。

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●初観戦で芽生えた悔しさと感動

最初に見た試合は、コラボ発表の数日後に行われたルヴァンカップ2回戦だった。Amazon primeで無料で見られるというツイートを読み、アマプラユーザーの私の第一歩目はラクに踏み出せた。伊波くんも試合を見ながらツイートしていた上に、試合は勝利。何もわかっていないながらに、サッカー楽しい!という感覚は味わうことができた。同時に、解説者のコメントについていけない悔しさも生まれた。知識があった方がもっと楽しめるはずだ。

試合終了後に早速調べ学習に取り掛かり始めていると、大宮の選手が名古屋グランパスのサポーターに向けて挨拶をする場面があった。解説者の言葉にも熱がこもっていたのが印象に残っている。背景がよくわからなかったので調べてみると、その大宮の選手と名古屋グランパスには歴史があったことがわかった。相手チームの選手に拍手を送るグラサポの方々に、生中継を見ている時は驚いたが、コロナ禍で声援を直接届けることが難しかったということを知り、あのわずか数十秒のできごとの重みを想像して、選手とサポーターのみなさんの関係性にも興味がわいた。私がサッカーに一段深くハマった最初のできごとだった。

何かのスイッチが入ったように、この試合後から情報収集を毎日するようになった。YouTubeでチャント集を見たり、公式のドキュメンタリー動画やプレー動画集を見たりして、試合の解像度をあげることを目指してとにかく調べた。サポーターのみなさんについても調べてみると、名古屋の応援を褒めるツイートがいくつも出てきた。他チームのサポーターからも褒められていた上に、選手も相手チームも下げず傷つけないような言葉選びでの応援に、好感がもてた。サッカーを知らない私ですら、ゴール裏は怖いという噂を聞いたことがあった。ブーイングの声や野次を聞くのは、個人的に苦手なため、その部分でのハードルもあった。
しかし、グラサポの応援は、相手を下げて自分たちを上げるのではなく、今の自分たちをまっすぐに見つめ、自分たちの目指すものを見て味方を鼓舞するスタイルだ(超意訳うろ覚えセリフ)と評しているツイートを見て、名古屋グランパスなら応援したいという気持ちがさらに増した。

選手の名前を徐々に覚え、試合の日にはDAZNで観戦し、そうこうしているうちに数週間が経った。

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●スーパープレーのおもしろさ

この日も家でDAZNを見ていた。ユンカー選手のハットトリックが出たあの日だ。純粋にプレーが鮮やかで、見ていてワクワクした。一口に点を決めると言っても、いろいろな作戦や技術が一つずつ積み重なって生み出された一点であること。その一点を決めるために日々の練習を何年も積み上げてきたこと。磨き上げられたセンス。他の選手による、シュートまでのパスの積み重ね。一つのシュートについて考えるのがこんなにおもしろいのかと、初めて知った。スーパープレーは見ているだけでおもしろいと聞いたことがあったが、本当にその通りだと思った。ボールを意のままに扱えないどころかボールに遊ばれてしまう私には、あまりにもかっこよく眩しく見えた。大興奮で思わず声を出して応援していた。この日の観戦が、さらにもう一段深くサッカーにハマるのを後押しした。

そのうち居ても立っても居られなくなり、ルヴァンカップ3回戦のチケットを予約した。行くかどうか悩み続けていたが、多少無理すれば平日夜でも行けなくないと思い、ギリギリになって行く決意が固まった。

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●初の現地観戦

当日、横浜駅を降りてバス停に向かうと、ユニフォームを着たグラサポの方々を多く見かけた。その後を追って無事に会場に辿り着くことができた。初めてのサッカー観戦、いろんな出店が出ていて驚いた。

グッズを会場で買えるものだと思い込んで行ったため、アウェイの場合はグッズを売っていないということをこの日学んだ…。
周りはみんな赤く染まっているというのに、自分だけ普段着であることが恥ずかしく、しばらくの間、このまま帰るかどうか本気で迷っていたのも、今となってはいい思い出だ。後悔したところでグッズは手に入らないことに諦めをつけ、ビールとお肉を購入した頃には自分の機嫌も直った。

しだいに陽が沈む様子を眺められるのは野外の醍醐味だなと思いながら、夕陽に乾杯して、おいしくいただいた。一口目がいつもに増しておいしかった。

徐々に気温が下がり、薄い長袖を持ってくればよかったと後悔した。しかしそれは試合が始まってしまえば全く気にならないほど、大盛り上がりの試合となった。

生のチャントに感動しつつ、「これYouTubeで学んだチャントだ!」とわかるたびに嬉しかった。生の試合は思っていた以上にピッチが客席に近くて驚いた。DAZNで見ていた選手が、画面の中ではなく同じ現実世界にいるのだということを実感してさらに感動した。
ゴール前のスーパープレーも間近で見ることができ、観戦の楽しさを感じられた。試合も勝利、順調にまた一歩ハマることができた。

どの動画にあった言葉か思い出せないのだが、選手の一人が、グラサポのみなさんの応援を風に例えて、その風に背中を押してもらってプレーをしている(うろ覚え意訳)と話していたことが印象に残っている。初めて生で応援を見て、アウェイ戦ながらもそれを感じることができた。ホームだったらどれくらいの音量、音圧なのだろう。圧倒されるくらいの声援をぜひ聞いてみたい。


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●初めて夢中になった日

そして今日の川崎戦。結果は1-2で負けてしまったが、私はこの試合が、これまで長々と書いたどのタイミングより深く、サッカーにハマったように思う。負けた試合について感想を言うため、失礼にあたるのは申し訳ないのだが、ど素人の感想文をどうか許してほしい。

劣勢に加えて選手の怪我で、流れが良くないのは、私でもわかった。そんな中、DAZNは雨の中でも大きく口を開けて声を出して応援するグラサポのみなさんをズームした。映っていたのはわずか数秒だったと思う。口の動きを見る限り、「がんばれ」と叫んでいるように思った。

望まない展開の中、悪天候に負けずに応援する姿にはグッとくるものがあった。(和泉選手の一日も早い回復を祈っています。)思わず家で声を出してしまうシーンが何度もあり、ハラハラした。現地にいる方や長年応援してきた方々の思いは、私とは比べ物にならないほど様々あっただろう。そんな中、落胆や批判、非難の声ではなく、励ましの声を力いっぱいに叫んでいたあのグラサポの方々の姿に、心を大きく揺さぶられた。

試合後半の畳みかける展開には、何度か椅子から立ち上がった。最後の方は半泣きで見ていた。両手を握りしめて、画面にかじりついていた。夕飯を食べていた手は気がついたら止まっており、料理は冷め切っていた。スマホをいじる余裕もなかった。一分一秒がいつもより長く感じた。長くなれとも思った。

夢中で試合を見たのは、多分今日が初めてだったと思う。注意散漫な私は、現地観戦ですら、途中他のことに気を取られてキョロキョロしてしまった。悪い癖で、決してつまらないからそうしているわけではないのだが、今日はキョロキョロすることを忘れるくらい熱中して見ていた。

家で見ていたので、その気になれば気が散る先は手の届くところにいくらでもある。しかし、雨が降りしきる中に力の限り応援するグラサポのみなさんの姿がふとDAZNのカメラに抜かれたあの瞬間から、試合終了まで、まさにのめり込んで見ていた。

コラボ発表から今日までに、ハマりつつある自分の背中をいろんなきっかけで後押しされつつも、まだ胸を張って「ハマりました」とも言い切れない、にわかにもなりきれていなかった自分が、今日変わったんだという実感がしっかりとある。
 
負けたけど一生懸命頑張ったね、という感想を言いたいのではないが、うまく文章が思いつかない。でも5000文字も打ちたくなるほど話したいことが溜まっていて、感情が一気に大きくなったのが今日だった。今日が自分にとって、サッカーの楽しさを知った日になった。

選手について感想を言えるほどにはまだ知らないことの方が多すぎるが、小さい頃から自分を高める努力をし続けてきた選手から学ぶことは多い。特にお互いへの声かけ、言葉の選び方や結果の捉え方、メンタルの調整の仕方…どれも興味深いので、インタビュー記事などを見つけたら読むようにしている。これはおいおい知っていきたいことの一つだ。


(ルックスの話をさせてもらうと、キャスパーユンカー選手が…かっこいいっすね…まず体の使い方がきれいすぎる…雨に濡れてもかっこいい…プレーを上品とか華麗って表現するのがあってるのかわかりませんが、そう見えます…ランゲラック選手の安心感も最高ですね…あと、観戦に行った時、試合前のアップ時に、自分のチャントが聞こえると応援席に向かっておじぎしたり手振ったりするの、サポーターとの関係性にグッときました…特に榊原選手のリアクションがかわいかったのを覚えてます…それから倍井選手は黒髪の方がいい…!今日映った時びっくりしました…ルックスについて語るのは安易すぎるのかなとも思ったんですが…キャスパーユンカー選手のサマーグッズ買いました…)

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●おわりに

#名古屋に到ライ  タグは、頻繁に検索している。伊波くんのグランパスツイートについている、グラサポの方々からのリプも嬉しくチェックしている。いろんな方のツイートやブログ、動画のおかげで、順調にハマることができた。コラボ発表の日から熱量高く歓迎してくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。

正直なところ、はじめはお互いのファンを増やすためのコラボだから、お互いに利益があるといいなという現金な考えもあった。伊波くんがコラボ相手でよかったと思ってもらいたい。伊波くんのリスナーが増えてほしい。伊波くんグッズで写真を撮ることが目的でグッズを買いもした。
しかしそこに留まらず、サッカーの楽しさに今手が届き始めているのが、自分でも嬉しい。嬉しすぎて、自分のはじまりをこうして文章に残そうとしているくらいに。

会場に伊波くんのパネルなどの展示が出ている期間にスタジアムに行ければいいかな〜くらいに思っていたのが、それを待っていられずに名古屋遠征の日程を計画中だ。
コラボグッズが届くのを待っていられずに、公式ストアでグランパスグッズをポチッとした。サマーグッズが届くのが楽しみ。

気軽に名古屋へ遠征できる距離にいないのが悔しいところだが、アウェイ戦で行けそうな場所はチケットを取ることができた。今度こそ普段着ではなく赤になって応援席に座ることができそうなので、次はおどおどせずに堂々と着席したい。チャントも前より覚えてきたので、もう少し仕上げたい。

1ヶ月後の自分の熱量や知識量がどうなっているのか、楽しみだ。


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