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ゾッとする家

こんばんは🌙😃❗

ジョーカーです(笑)

 夏になると怖い話を聞く機会が増えるが、土地や家にもオカルト的な出来事がある。といっても、「幽霊を見た」とか「写真を撮ったら、写っていた」というようなことではない。見ることはないが、感じることがある、というのが実際のところだ。

 たとえば、売りに出ている土地や家を見たとき、なんだか嫌な感じがした、ゾッとしたという経験談は枚挙にいとまがない。土地や古い住宅をたくさんみている人間は、いつのまにか、そのようなセンサーが身につくらしい。

   かくいう私も35年も住宅の取材を続けている間に、いつのまにか「嫌な感じ」が分かるようになってしまった。

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 これまで嫌な感じを受けた住宅のうち、極めつきの物件が2つ神奈川県の湘南エリアにあった。明るい印象のある湘南だが、歴史ある地域で神社仏閣も多い。その厳かな印象がオカルト的な気持ちにさせるのかもしれない。それでも、明るく開放的な湘南で2回、それも晴れた日の昼間に説明できない出来事があったことは、ギャップの大きさもあって忘れることができない思い出になっている。

明るい湘南で、“いたたまれない”気持ちになった中古住宅
 その中古一戸建ては、湘南の海が見える丘にあった。崖に張り付くように建設された3階建て住宅で、正面に海が見えて日当たり良好。最上階のリビングは天井の梁をむき出しにした別荘風のつくりだった。

 お洒落な家が、相場よりだいぶ安く売られていたので、お買い得物件として取材することにした。

 それは、5月の晴れたウィークデーの朝で、夏が近いことを感じさせるご機嫌な日和だった。が、玄関に入った瞬間からどうにも気持ちが沈んでしまった。頭を押さえ付けられるような感じというか、“いたたまれない”気持ちというか、とにかく不安感で一杯になった。

 同行したカメラマンは、まず広い玄関から写真を撮ってゆくことにした。

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